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AUTO DIM V (自動減光装置)装着 難易度 ★★

準備するもの 10mmと12mmのスパナ・メガネレンチ・ソケットいずれか
作業時間    早くて30分、困っても1時間ほど

< 目次 -Contents- > クリックするとジャンプできます。

< 製品紹介 >
< 取り付けの様子とコツ >
 Step 0. バッテリーマイナスターミナル取り外し
 Step 1. 本体取り付けとアース線移動
 Step 2. 車速センサへの割り込み線取り付け
 Step 3. ヘッドライトへの割り込み配線取り付け
 Step 4. 配線の固定
 Step 5. 外部ハーネスアース線の固定
 Step 6. 動作確認
< 電流量の変化 >
< その後の様子 >


< 製品紹介 >

製品名 : AUTO DIM V No.6610 (ヴィッツ・ファンカーゴ・bB・プラッツ専用モデル)
販売元 : 永井電子機器株式会社
定  価 : \19,500

特  徴 : (取扱説明書より抜粋)
・専用設計のため、ライト周りだけの簡単取り付けを可能にしました。
・車速連動により、自動的に減光、点灯させます。
・トランジスタ回路の採用により、接点ロスが無くなりバルブをより明るく点灯させることができます。
 (本製品はLo側のみの制御で、Hi側の制御はしておりません。)
・突入電流制御回路により点灯時の突入電流を抑え、バルブの寿命を延ばします。)


< 取り付けの様子とコツ >

基本的には製品に添付されている取扱説明書をお読みください。
まずこれで分からないことはないと思いますが...

Step 0. バッテリーマイナスターミナル取り外し

基本中の基本。さぼるべからず。
ターミナルを外したところ (14kB)


Step 1. 本体取り付けとアース線移動

本体は左側ストラットに取り付けます。その際、アース線を移動しなければなりません。
ネジをゆるめて締め付けるだけの話ですが、緩かったりすると接触不良となり
クルマ側に何らかのトラブル(動作不良など)が発生する可能性があります。
でも、恐がることはありません。しっかり締め付ければいいだけです(^^;)

現物を見たい方はこちら。
アース線位置(移動前) (27kB)
アース線位置(移動後) (15kB)

本体取り付けの様子は撮り忘れたので、次のStepにある写真を参考にしてください(^^ゞ


Step 2. 車速センサカプラへの割り込み線取り付け

車速センサカプラの場所は、バッテリプラス(向かって奥)側の下の方にあります。
手を入れると触ることはできるが、外すとなるとかなりの困難が予想されます。
そこで、ここは思い切ってバッテリを外してしまいましょう。
外すと、車速センサカプラが現れます。

バッテリの外し方が分からない人は、掲示板にて質問してください。

バッテリを外した状態・AutoDim本体取付状態 (25kB)
車速センサカプラ拡大 (19kB)
外部ハーネス車速センサカプラ割り込み線取り付け後 (12kB)


Step 3. ヘッドライトへの割り込み配線取り付け

AUTO DIM V 本体から伸びた外部ハーネスの黒3極カプラー。
これらを左右それぞれのヘッドライトへ取り付けます。

本体からの線が短い方が助手席側、長い方が運転席側です。
ここら辺は感覚的に分かると思います。

!!! 注意 !!!
ただし、カプラを抜き差しするときはカプラ本体を持つこと。
配線を持って作業すると断線の原因となります。

助手席側配線取り付け前 (18kB)
助手席側配線取り付け後 (22kB)

運転席側作業時の注意点 (16kB)

運転席側配線取り付け前 (24kB)
運転席側配線取り付け後 (24kB)


Step 4. 配線の固定

外部ハーネスの運転席側ライトカプラを引き廻す際には、配線がラジエータファンや
補記駆動ベルトに巻き込まれないように固定する必要があります。
ここではラジエータアッパーサポートの穴を利用してタイラップで縛り付けます。

固定の様子 (助手席側) (21kB)
固定の様子 (運転席側) (28kB)
バッテリ周りの配線処理 (24kB)


Step 5. 外部ハーネスアース線の固定

この作業の冒頭で、ショート防止のためにバッテリマイナスターミナルを外しているはずです。
復帰手順としては...

1. バッテリターミナルを奥までしっかり取り付ける。

  バッテリの電極はテーパー状に加工されています。
  テーパー状というのは、ここでは電極の先端から根元に向かうにつれてその太さ(径)が
  大きくなっている状態をいいます。
  そのため先端の方で固定してしまうと、その径の小ささのために固定不良となることがあります。
  ですから、ターミナルは全て根元まできっちり差し込むことが大切なのです。

2. 外部ハーネスのアース線を取り付ける。

  締め付けはターミナル横についている10mmのナットを締め付けることによって行います。
  が、その前に外部ハーネスから出ているアース線を、ターミナルとナット間に挟み込み、
  その状態で締め込みます。

アース線取り付け後 (25kB)


Step 6. 動作確認

ここから取扱説明書からの抜粋となります。

!!! 注意 !!!
事故防止の為、以下の点をお守りください。
● 発信テストも行いますので、他の交通のない広い平坦な場所で行ってください。
● テストによるバッテリーの負担を軽減するためにエンジンを始動してください。


1. ライトスイッチをヘッドの位置にします。
  ヘッドライトが淡く点灯した減光状態になることを確認します。

減光点灯状態 (28kB)

2. ライトスイッチをハイビームの位置にし、ヘッドライトのハイビームが点灯することを確認します。
  ハイビーム時は減光状態になりません。
3. ライトスイッチをロービームに戻します。
  ヘッドライトが淡く点灯した減光状態になることを確認します。
4. 車を発進させます。
  ロービームが減光から点灯に変わることを確認します。
5. 車を停止させます。
  停止後約2秒後に減光を開始し、約5秒後に淡く点灯した減光状態のままになることを確認します。

正常に作動しない場合は配線の接続を今一度ご確認願います。

● カプラーが確実に接続されているか
● カプラーの差し込み方向が合っているか
● アースは確実に固定されているか

ここまで

私が作業した後、帰ろうと思ってライトをつけようとしたら、実はつきませんでした(笑)
症状としては、
・ロービームは両方つかない。
・ハイビームにすると助手席側のみつく。
というもの(ちょっと記憶曖昧(^^;))

動作確認をした後だったのでかなり焦ったんですが、もう一度配線を確認してみたところ、
なんと、運転席側のカプラが抜けていたのでした。
どうも配線を固定する作業のせいで抜けてしまったらしいです。
確かに、割込カプラには若干ゆるいところがあるので、これは要注意です。


< 電流量の変化 >

せっかくつけたのだから、どれくらい効果があるのか(バッテリの負担が減るか)気になるところです。
そこでクランプテスタを使用して電流値を測定してみました。

様子はこんな感じです (27kB)

バッテリは新車時から搭載されていた46B24R。(4ヶ月使用)
始動から5分放置し、バッテリ電流が安定するのを待ちます。
電装品は全てOff。

さて、まずアイドリング時。上記写真がそれですが、4A前後と少な目ですね。
次にオートディム本体の予備線をアースして減光機能をキャンセルし、その状態で
ロービームを点灯させます。結果は10A前後。
最後は減光機能を作動させた状態で測定。結果は6A前後となりました。
まとめるとこうなります。

アイドリング時       4 A
ロービーム通常点灯時 10 A
ロービーム減光点灯時  6 A

そこそこ効果があることが分かります。
この状態ではそれほど差がないかもしれませんが、エアコン使用時など電気的に負荷が多い状態では
たった数Aで大きく違ってくる可能性があります。
特にアイドリング時は発電が不安定になりがちなので、なおさらですね。

まあ、こういうものは精神的に効果があるのかもしれないんですが(^^ゞ


< その後の様子 >

さて、取り付けてから1、2ヶ月が経ったある日のことです。
札幌は大雪が降りまして、我がヴィッツもあえなく埋まってしまいました。ええ、会社の前で(笑)
仕方なくセコセコと脱出してその帰り道。信号待ちしていると何か変です。

止まっているのにライトがつきます。
正確には減光し終わった瞬間にすぐ再点灯してしまいます。
最初は少し経てば治るだろう、様子を見ておこうということにしました。

しかし、一向に治る気配がありません。
困った私は、製造元である永井電子機器に電話で症状を話してみました。
すると、車速センサにノイズが混じってしまうことがあり、オートディムが誤作動することが
あるという話でした。

その話を基に検証してみると、確かにノイズくさい動きです。
そして、個人的ではありますが考えたノイズ発生源は、
バッテリー
バッテリーが満充電になっていないうちは、電装品のスイッチを入れたわずかな電圧降下で
オートディムが誤作動してしまうようです。
なので、時間が経つ=バッテリーの充電が完了すると症状は治まります。

対策としては、
1. オートディムを永井電子機器に送り、信号感知レベルを下げてもらう。

正道ですな。センサーを鈍くすることによってノイズに反応しにくくなります。
保証期間中は送料のみで対処してくれます。

2. バッテリーを交換する。

換えると言っても、私のバッテリー自体が半年しか経っていませんからそう簡単にはいきません。
エンジン始動には特に問題ないのですしね。
もし、交換するならオプティマにします。

というわけで、修理・調整に出しました。すぐに戻ってきまして、今では正常に作動しています。
永井電子機器サービス部の皆様、素早い対応ありがとうございます。



< さらにその後の様子 >

調整してもらった年の冬は無事乗り切ることができました。
しかし、翌年の冬には再発してしました。がっかり。

症状は全く同じで、やはり時間が経つと治まります。
バッテリーが悪いのか、寒すぎるのが悪い(注1)のか...
とりあえずバッテリを交換して、ダメなら寒さが悪いってことに決定します(ぉぃ

注1 オートディム本体が暖まると治まるのではないかとも推測しております。

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