D.I.Y情報


DIYの概念
DIYとは"Do it yourself"の頭文字をとったものであり、「自らの手でやろう」という ことである。人間は本来、他の動物と異なり自分の手と頭を使って、生活をより安全に楽し く、便利に向上させることができる存在である。 人々は長い歴史の中で、その技能を“文化”として継承してきた。18世紀の末、産業革命 が起こり、高度な技術が生まれ、手工業社会から機械工業社会への変化に伴い大量生産、大 量消費の仕組みが誕生した。生活の便利性は目ざましく向上したが、人々の行動様式は組織 化され画一化されていった。しかし、人間の本能は、自らの生活に自らの求めるライフスタ イルを確立する創造的欲求へと向かいはじめた。

産業としてのDIYの歴史と概念
今日、DIYが新しい意味をもって注目されるに至ったのはヨーロッパにおける第二次世 界大戦後の荒廃した都市、住宅の復興運動にある。イギリスにおいては、“DIY”を合言 葉に市民運動が起こり、住宅の修理、改善に関する情報誌「Do it yourself」が発刊され、 人々の生活の中にDIYの思想が定着していった。その後、1960年代中頃にアメリカにおい て消費者ニーズをもとにした住関連の商材を総合的に品揃えした本格的DIYホームセンタ ーが出現した。 人々には新しい業態として迎えられ、その後急速にマーケットを拡大していった。 日本では、1972年に大型ホームセンターが生まれた。我が国における住関連のマーケットは、 長い間大工・左官・建具・電気等専門家の手にゆだねられていたが、これを機にメーカーに よる消費者の使いやすい道具や材料の開発も加えて、急速に産業として発展していった。 したがって、DIYの概念そのものは人間の本能に基づく非常に広範囲な行動様式であるが、 DIY産業としての概念は、第一義的には“住まいの補修・改善・維持・管理を自らの手 で行う”ことに関する産業といえる。

DIYアドバイザー制度について
DIYの普及を図り、DIY産業が健全に発展していくためには、実際にDIYを行う消 費者に対しDIY用品の知識や使い方等を的確に指導する人材の育成が必要不可欠である。 1979年に通産省に“DIY産業振興対策委員会”が設置され、DIYアドバイザー制度に ついて、学識経験者や各業界からの有識者により各方面にわたり検討を重ね、1983年に通商 産業大臣認定の資格制度としての“DIYアドバイザー制度”がスタートするに至った。 1998年からは、(社)日本DIY協会が認定する審査事業に移行。

DIYアドバイザーの機能と役割
DIYに必要な用品は非常に広範囲にわたり、DIYの方法も条件によって異なる。した がって、DIYアドバイザーは、消費者であるDIYer(自らの手で住まいの補修・改善・ 維持・管理を行う人たち)に対して次のような機能と役割を果たさなければならない。
1.DIYへの正しい理解の促進 DIYに対する正しい理解を広め、その普及と発展を促進する。
2.DIYの作業、方法に関する助言指導 DIYerのそれぞれのDIYニーズに対して、その人の技能、経験に応じた適切な作 業方法について相談にのるとともに、作業および作業結果の安全確保、各種法規制への 対応等の必要な助言、指導を行う。
3.DIY用品選択の際の助言指導 DIYerのそれぞれのDIYニーズに応じた適切なDIY用品の選択について、用品 の特性、安全性についての必要な助言、指導を行う。

DIYアドバイザー制度の内容
求められる知識について DIYのアドバイスを必要とするDIYerは、一般消費者である。したがって、DIYア ドバイザーに必要な知識と技能は、一般消費者を対象とした日常作業に必要な道具、素材、部 材等に関するものである。 また、DIYerの技能により多岐にわたる作業方法については安全性を重要事項とし、標 準化された指導体系の一例として「DIYアドバイザーハンドブック」にて確立させた。
資格認定について 通産大臣より、DIYアドバイザーの資格に関する知識および技能の審査機関として認定さ れた(社)日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会がDIYアドバイザーの審査を実施し、その合 格者に資格を付与する。
資格更新について DIYアドバイザーの能力の維持向上を図るため、資格認定の有効期間を5年間とするが、 当該有効期間終了までに(社)日本DIY協会が行う、更新研修講座を修了し、修了試験に合 格した者については資格の更新を行う。
※この情報は(社)日本DIY協会発行の「DIYアドバイザー・ハンドブック」 からの資料をもとに作りました。
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