ノコギリの歯に目を近ずけると、先が交互に外側に反っているのが分かる。ノコギリと木の摩擦を少なくし、木くずが詰まるのを防ぐための、「アサリ」という仕掛けだ。 法隆寺などの寺院が建築されたころには、アサリつきのノコギリが登場して、角材や板を作れるようになった。 古墳時代のノコギリは鉄片の片側に歯を刻みアサリはなく、木を横に切るだけだった。 しかし、いま、ノコギリの種類は多く、選択に迷うほどだ。 家庭で木工細工をするための1本は、どう選んだらいいのか。 ノコギリのサイズは歯の付いている部分の長さを言う。長いほうが使いやすいが,収納に困る。長さは、18センチから21センチ程度でも十分使える。家庭では縦引きを使う事が少ないので、横引きだけの片歯でいい。 ノコ身といわれる鋼の部分が薄いと切れ味はいいが、使うにはやはりコツがいる。かといって厚いと切れ味が悪くなる。 この欠点を補うものとして、導付き(胴付き)ノコがある。ノコ身は非常に薄く、しかし、背の部分は厚めの金属で補強されている。しっかりしていてしかも、切れ味がいい。 結論として、替え歯式ノコに20センチ前後の胴突き横びき歯を組み合わせるのがいいようだ。 細かい木工細工はしない、樹木の枝も切りたい、というのであれば枝きりノコでもいい。鋼が厚いので切り幅が広くなるという欠点はあるが、アサリが内を向いているのでベニヤ板を切ってもささくれが出来ない。 ノコギリで大切なのは、使った後の手入れだ。東京都世田谷区の東宝日曜大工センター成城店の横山啓吉店長によると、 1 歯の間に詰まった切りくずを歯ブラシで払う 2 鋼の部分を乾いた布でふき、油類か防さび剤を塗る 3 油紙か新聞紙にくるむ という手順でしまうのがいい。 毎日使わない道具であればあるほど、使用後の手入れを入念に。 そして、次に使うときは忘れずに、油類あるいは防さび剤などをふき取る。そのまま使うと切り口を汚してしまう。 (小林 好孝)
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