とんちんかん道具館


取材編「ドライバー」
昔マイナス、今プラス

 ドライバーは、一番身近な道具である。「ネジ回し」「スクリュードライバー」ともいわれるものだ。電気器具、組み立て家具、自動車、とドライバーを使うところは多い。

 古くは、刃先(先端)の形状が「マイナス」記号のように一本線になっていた。ネジの頭部には一本線の溝が掘られていて、そこにドライバーの刃先を差し入れて回した。

 しかしいまは、ネジの溝は「プラス」記号、十字になっているものがほとんどである。

 愛知県にあるネジの会社、「八幡ねじ」によると、日本でプラスネジがつくられるようになったのは、1950年代に米国ネジメーカーの特許が切れてからだそうだ。プラスネジはマイナスネジよりもしめやすく、急速に市場を広げた。

 ドライバーの刃先もいまは「プラス」が主流である。

 ドライバーには、「1番」とか「2番」とかのサイズがある。数字が大きくなるにつれて刃先が大きくなる。

 一般に出回っているネジ類の七割は「2番」のドライバーで回すことができる。家庭用の一本を選ぶならプラスの「2番」がいい。

 マイナスドライバーも一本ほしいというなら、「5.5番」を選ぼう。

 家庭にあるマイナスのネジは、「4番」から「6番」までのドライバーを使えば回せるものがほとんどだ。マイナスのネジはドライバーの刃先が少々合わなくても回せるので、「5.5番」が一本あれば、ネジのほとんどを回せるだろう。

 ドライバーのセットもある。たとえば、プラスドライバーが「0」「1」「2」。マイナスドライバーが「1」「5」「6」「8」。というように数本が一組になっている。キリ、ピンセットがふくまれているものもある。

 精密ドライバーやマグネットドライバーなど特殊なものは必要なときに買えばいい。
(小林 好孝)
 
尚、この記事は「朝日新聞」1999年4月18日付に掲載されたものです。

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