とんちんかん道具館


取材編「工具の収納」
数絞ってコンパクトに

 ハンマー、ドライバー、ノコギリぎりなど家庭で使う大工道具は多い。しかも、道具はいつのまにかふえ、家の中に散乱していく。

 東京都世田谷区にある東宝日曜大工センター成城店の横山啓吉店長は、道具よりも道具箱を先に買うよう勧める。

 買いに行くまえには、置く場所の広さを測る。注意するのは、置き場所がいくら広くても、ほどほどのサイズを選ぶこと。

 道具箱が大きいと、とかく詰め込みすぎる。持ち運べないほど重くなる。道具箱ではなく、道具収納庫になってしまう。

 初めて買う道具箱の大きさは、長さが40センチから45センチどまりにしよう。ノコギリが入るサイズを選べばいいだろう。できれば、ネジ類をしまう小物入れが付いているものが便利だ。

 本職の大工職人は別として、一般的には数少ない道具をさまざまに工夫して使うのが、道具に通じる早道だ。小さい道具箱に収まるだけの道具で家の中の仕事をすべてやる姿勢がほしい。

 道具箱は伝統的に木製だったが、いまはプラスチック製と金属製が主流である。

 プラスチック製には、手ごろなものが多い。金属製に比べて衝撃に弱いとされていたが、どのメーカーの道具箱も丈夫になっている。自動車のバンパー素材でできているものまである。

 しっかりした素材で作った道具箱はプラスチック製であっても、道具の重さでそこがふくらむことはない。金属製と同程度の「しっかり感」がある。しかも角に丸みがついているので、家具に当たっても傷をつけない。傷みやすいハンドルや、開閉レバーは壊れれば新品に交換できる。

 金属の道具箱は本職の木工職人に人気がある。車に積んで持ち運ぶので、角張っていてもかまわないからだ。

 値段は、プラスチック製で3000円前後。

 持ち運ばないのであれば、道具は壁面にさげておくと使いやすい。穴あきボードや一枚板を壁面に張り、そこにつり金具をつける。あるいは、くぎを打つ。壁面にさがっていれば、使いたい道具にすっと手を伸ばせる。
(小林 好孝)
 
尚、この記事は「朝日新聞」1999年4月11日付に掲載されたものです。

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