都市政策特論
【第3章】明石周辺の大型店・商店街等の位置関係について
マイカル明石の出店による周辺店舗への影響を見る為には、周辺にどのような店舗がどのような形で存在しているかを知らなくてはならない。そこで、我々はまず、マイカル明石が1次商圏と考えている、明石及びその周辺30km圏内にどのような大型店や商店街が存在しているのかについて調査を行った。以下はその調査結果である。
(1)明石市内について
明石市内についてはJR大久保駅周辺とJR明石駅周辺、JR西明石駅周辺、そして二見・魚住エリアの4つのエリアに分けて調査を行った。
@JR大久保駅周辺エリア
JR大久保駅の周辺には、大久保駅の南側にマイカル明石が、そして、JR大久保駅を挟む形で反対の北側に大久保商店街が広がっている。そして、この大久保商店街の中に、ジャスコが出店をしている。さらに、このイズミヤから山側に車で5分ほどの所に、中堅スーパーのイズミヤが西神戸店も出店している。大久保駅周辺の大型店・商業集積は大体このぐらいである。
AJR明石駅周辺
明石市の中心部と考えられるJR・山陽電鉄明石駅周辺には、ダイエーが明石店を出店しているほか、ジュンク堂書店などが入るフォーラスという商業ビルなどがあり、また、商店街としては魚の棚商店街・明石本町通商店街などの商店街も駅前に展開している状態である。
BJR西明石駅周辺
JR西明石駅周辺には大型スーパーは存在していないが、地域型の小規模スーパーがいくつかあり、また、大型家電店としてミドリ電化エバーグリーン明石店が国道沿いにある。
C二見・魚住エリア
明石市の西端、ちょうど加古郡播磨町との境界付近にダイエーハイパーマート二見店がある。このハイパーマート二見店は、マイカル明石の出店に合わせて店内を改装したそうである。
(2)加古川市内について
加古川駅前には、百貨店の加古川そごうが出店しており、その直ぐ近くにはダイエー加古川店があり、さらにはイトーヨーカドー加古川店、サティ加古川店が競合している状態である。さらに、加古川駅前にもアル程度大きな商店街があり、商業集積としては、明石駅前と同じぐらいの規模を誇っていると言える。
(3)神戸市西部について
神戸市西部の商業地については、西神地域、垂水区に分けて調査した。
@西神地域
西神地域には西神ニュータウン内、特に地下鉄の駅周辺に大型店が集積している状態である。特に、地下鉄西神中央駅前には百貨店の西神そごう、ダイエー西神中央店、専門店街のプレンティが一カ所に集中している状態であり、相乗効果をもたらしている模様である。さらには、西神南駅前にはCO-OPが中型店を出店している他、学園都市駅前にはダイエー等が入った形でキャンパススクエアという商業集積が形成されている。
A垂水区
JR神戸線・山陽電鉄線・国道2号線に沿う形で広がる垂水区・須磨区南部には、JR舞子駅から北へ1km程のところにダイエー舞子店があり、JR・山陽垂水駅前には、大規模な商店街が広がると共に、ダイエー垂水店もある。また、塩屋の山側には、マイカル明石の開店と前後してサティ・トイザラスなどがジェームズ山周辺に相次いで開店している。
(4)姫路方面
姫路方面には、マイカル明石と同クラスの規模と考えられるジャスコを核とした姫路リバーシティや姫路サティ、JR・山陽電鉄姫路駅前の「みゆき通り」商店街・山陽百貨店・ヤマトヤシキ(百貨店)などが、集中しており、播磨地方の中心地という感じになっており、ある程度独自の経済圏を形成しているように思われる。
(5)年間売り上げ高が100億円を超える店舗について
マイカル明石の初年度売り上げ高は300億を突破している。そこで、マイカル明石と正面から対抗できる規模と考えられる年間売上高が100億円を超える規模の店舗について、(1)〜(4)の中からリストアップしてみた。
その結果としては、ダイエーハイパーマート二見店・姫路サティ・ジャスコ姫路リバーシティ店・加古川サティ・イトーヨーカドー加古川店・といったところが挙げられる。また、現在のところは確定した数値が出ていないが、ジェームズ山サティも年間売り上げ高は100億円を突破する見込みということである。
以上の調査結果から分かることは、マイカル明石の周辺で、車での移動が容易な30km圏内には、大量の大型店が存在しており、それらが既に激しく競合しているという状況である。
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