どうころんでも社会科

どうころんでも社会科

清水義範・著
西原理恵子・え
講談社(単行本)




「おもしろくても理科」で味を占めたらしい講談社と清水・西原のコンビが送る凶悪なまでに面白くわかりやすい社会科の本。学校の社会科の授業も、どうせ指導要領だの何だの言いながらも先生が自分の趣味でやっているのだから、これぐらい面白いものにして欲しいものだ、と感じた一冊。
塾で社会科を教えている関係上、出た直後に反射的に買ってしまい、一瞬非常に後悔したが、実はお得な作品であったことが読み進めていくうちに判明。かなり授業のネタが詰まっていた(笑)。あと、調べるのがめんどくさかった為、調べていなかった日頃から持っていた疑問の内のいくつかに答えてくれていたので、随分と役に立った。社会科の苦手な中学生には是非ともお薦めしたい一冊である。生徒に、「読め」とそのうちに言うかも知れない・・・。

社会科というジャンルで括ってはいるが、そもそも社会科自体が地理・歴史・公民と中学段階ですら3分野に別れ、高校へ突入するとさらにそこから歴史が世界史と日本史に別れ、公民は政治・経済・倫理と細かく分けてしまえるのだから、内容的にはかなり多彩である。さらに、非常に関心した点が、従来の社会科がらみの本とは違って、分野横断的に社会科全体のあらゆる角度から、1つの疑問を解き明かしていっているため、視野が固定されず、かなり客観的に物事を見ることができるのではないだろうか。
(1999.1.17作成)



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