科学史の事件簿
科学史の事件簿
「科学朝日」編
朝日新聞社刊
古今東西の(といってもほとんどは19世紀・20世紀のだが)科学者にスポットを当て、それぞれに絡む事件についてリポートした作品。ダーウィン・パスツール・アインシュタインから方励之まで24人の科学者のあまり強調されていない一面を伝えているので、読み物としてみればかなり興味深いものであるが、はっきり言って科学系統の話が苦手な私にはよくわからない話も結構チラホラ。
雰囲気的には「栄光なき天才達」のノンフィクション・文章版といった感じがするが、取り上げる対象・事件によって、対象となった科学者に対するスタンスがバラバラであるため、読み手がどのような位置から読めばよいか、判断に迷ってしまうところが難点だった。
多少科学史が「わかった気」にさせてくれる作品ではあるが、間違っても科学史が「わかる」本ではないことは間違いない。大学理系教養課程程度の専門知識はないと楽しめない可能性も否定はできないと思う。
(1999.4.13作成)
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