行為ロールと技能



 Fate & Fortuneでは、キャラクターがある行為に成功するかどうかを、行為ロールで判定します。また、多くの行為ロールでは、技能を使用します。技能の習熟度はレベルで表されます。



行為ロール

 行為ロールは、必ず以下の方式で行われます。

 行為修正値+1d20+修正値=ロール値

 ロール値がGMの示す目標値以上なら成功、それ未満なら失敗です。修正値は状況によって適用され、よい状況ならプラス、悪ければマイナスになります。マイナスの修正をペナルティとも呼びます。全く同じ状況なら、誰が行為ロールを行っても修正値は同じになります。
 「ロール値−目標値」を成功度と呼び、どの程度の成功を示したのかの基準となります。行為ロールが失敗の場合、成功度はマイナスとなります。
 1d20の出目が無修正で20なら、その行為ロールは大成功と呼ばれ、通常の成功よりさらに素晴らしい成功と見做されます。成功度が必要なら、10未満の場合は10と見做されます。
 1d20の出目が無修正で1なら、その行為ロールは大失敗と呼ばれ、通常の失敗よりさらにひどい失敗と見做されます。成功度が必要なら、−10より上の場合は−10と見做されます。
 目標値の目安は、難易度表を参照してください。この表の用語を難易度と呼びます。

難易度表
目標値難易度
5とても簡単
10簡単
15普通
20難しい
25かなり難しい
30とてつもない

 能力値を用いる行為ロールは能力値ロール、技能を用いる行為ロールは技能ロールと呼ばれます。

能力値ロール
 能力値ロールの行為修正値は、特定の能力値の修正値です。能力値ロールは「STRロール」という風に、「……ロール」(……は能力値の名前)と表記されます。

技能ロール
 技能ロールでは、行為修正値として技能と能力値から算出される技能修正値を用います。
 技能には、必ず1つか2つの関連する能力値があり、これを修正能力値と呼びます。修正能力値の修正値は能力修正値と呼ばれます。
 特に注のない限り、技能ロールの行為修正値は

 技能レベル×2+能力修正値

で求められます。
 技能ロールは「〔鍛錬〕POWロール」という風に、「〔〜〕……(の技能)ロール」と表記されます。〜には技能名が、……には修正能力値が入ります。
 ある技能を持っていないキャラクターがその技能の技能ロールをしたい場合、それが可能かどうかは技能の分類によって決まります。
 分類がAかCの技能は、技能がない場合でも「能力修正値−5」を行為修正値とする行為ロールで代替できます。GMが「技能がなくてもなんとかなる」として許可するなら、修正能力値による能力値ロールでも構いません。
 分類がB、D、Eの技能の場合は、ロールの余地なく失敗します。

複合ロール
 いくつかの技能あるいは能力にまたがる物事は、複合ロールで判定できます。複合ロールを行うかどうかの判断は、GMが行います。
 複合ロールは、関連する行為修正値の中で、最も低い値を行為修正値とする行為ロールです。状況による修正は技能(など)ごとに別個のものとして考え、それらを施してから比較するようにしてください。ただし、心理的要因のようにどの行為にも共通する修正は、どれを行為修正値にするかを決めてから施せばよいでしょう。

対抗ロール
 ある行為の結果を他のキャラクターと競い合うような場合、対抗ロールで判定します(単に「対抗する」ともいいます)。ここでは1対1の対抗ロールを説明しますが、多数で順位を決めたり、1対多で対抗したりする場合も、同じように判定します。
 対抗ロールは、それぞれが行為ロールを行うことで判定します。高かった方(あるいは最も高い者)が勝ちです。目標値を設定することで、それに満たない者は自動的に負けとすることもできます。この場合、行為ロールに成功する者がいなければ、通常、勝負は引き分けになります。
 片方が大成功を出した場合、相手も大成功でない限りは出した方が自動的に勝ちます。同様に片方が大失敗なら、相手も大失敗でない限りは出した方が自動的に負けます。
 ロール値が同じだった場合、あるいは両者とも大成功や大失敗だった場合、解決法は3つあります。
 1つはある行為を先に働きかける能動側と、それを受けて対抗する受動側に分けられる場合です。この場合、受動側が勝ちます。
 能動側と受動側に分けられない場合は、引き分けにするか、それもできないならば行為修正値0での行為ロールを勝負がつくまで続けてください。ただし、両者が大成功か大失敗なら、その前に成功度で勝負を決められます。



技能

 技能は、キャラクターが主に後天的に身につけた様々な能力を表します。技能は〔 〕でくくられます。技能はレベルで表され、最低は1です。技能を最初にレベル1にすることを修得、それ以上に伸ばすことを向上と呼びます。

技能の分類
 技能には分類があります。分類は技能の難しさとそれがなくても技能による行為が行えるか を示したもので、AからEの5つがあります。
 分類Aの技能は、比較的修得/向上が楽で、修得していなくともその行為を行えます。
 分類Bの技能は、修得/向上は比較的楽ですが、修得していなければその行為は行えません。
 分類Cの技能は、修得/向上は難しいのですが、修得していなくともその行為を行えます。
 分類Dの技能は、修得/向上が難しく、修得していなければその行為は行えません。
 分類Eの技能はかなり特殊で、通常の方法では修得も向上もできません。また、修得していなければその行為は行えません。

知覚技能
 キャラクターの知覚能力を表現する技能を、知覚技能と呼びます。これには〔観察〕〔感熱〕〔聞き耳〕〔生命感応〕〔第六感〕などが含まれます。また、〔追跡・逃走〕は嗅覚を、〔空中機動〕は見当識を、それぞれ限定的に表現しますので、そうした感覚の技能として用いる場合は知覚技能と見做されます。
 対抗ロールで知覚技能を用いる場合、必ず受動側として判定します。
 キャラクターが知覚しているかどうかを判定する必要があるとき、GMは知覚技能ロールを要求することができます。通常はどの知覚技能を用いればよいかは自明でしょうが、GMが指定した方がよいでしょう。目標値は15〜20が適当です。
 すべての知覚技能は、状況によって修正が課せられます。例えば暗闇での〔観察〕は−10までのペナルティが課せられます(夜目が利く場合は例外です)。また、距離によっても修正があるでしょう。
 GMは、ある状況に対応するためには知覚技能の成功が必要とすることにしても構いません。例えば、不意討ちに気づくかどうかには、知覚技能の成功が必要でしょう。

技能リストの表記法
 技能は分類ごとに分けられ、その中では五十音順に並んでいます。すべての技能は、以下のような書式になっています。

 〔技能名〕 修正能力値
 説明




技能リスト:分類A

〔隠匿〕 DEX
 物を隠す技能です。隠す場所は何処でも構いません。ただし、物を一瞬で掌に隠すようなことは〔手品〕で行います。見つけようとする者は、〔観察〕で対抗します。

〔演技〕 CHA
 別の人格を演じるための技能です。見破る側は〔観察〕で対抗します。この際、〔演技〕する側は前提として目標値15をクリアしていなければなりません。

〔応急手当〕 DEX
 包帯を巻いたりすることで、負傷の出血を止める技能です。かかる時間は1部位につき1分、難易度は「中傷」で「普通」(目標値15)、「重傷」で「難しい」(目標値20)、「致命傷」では「かなり難しい」(目標値25)です。ロールを行えば、その部位の成功した値ま での傷をすべて手当できます。大成功が出ればすべての負傷が手当できます。大失敗したら手当に失敗するだけではなく、2d6の疲弊度が(負傷の出血とは別に)与えられることになります。

〔隠密行動〕 AGI−PHY
 隠れたり忍び歩きしたりする技能です。能力修正値として「AGI−PHY」を用います。また、行動阻害値がペナルティとなります。
 発見には、知覚技能での対抗ロールが必要です。

〔歌唱〕 CHA
 美しい声で歌うための技能です。必ず曲による目標値を決めますが、あくまでロール値で対抗などは行います。歌を街中で披露しておひねりをもらおうとする場合、「成功度×聴衆の数+1d6」Sもらえます。ロールに失敗すればもらえませんし、大失敗なら代わりに石が飛んできます。

〔観察〕 INT
 視覚的に異常を発見するための知覚技能です。

〔鑑定〕 INT
 ある物の価値を測るための技能です。必要なら適当な分野の〔〜知識〕との複合ロールを行ってください。

〔聞き耳〕 INT
 物音を聞き取り、その内容を把握するための知覚技能です。

〔騎乗〕 AGI
 動物に乗り、操るための技能です。行動阻害値がペナルティとなります。乗った動物を2倍速以上の速さで走らせたり、乗ったまま攻撃する場合には〔騎乗〕ロールが必要です。目標値は馴れている乗用動物なら通常は15です。手綱を片手で操る場合は−5、脚だけで操る場合は−10が、ペナルティとして課せられます。
 ロールに失敗したら、10ISかけて〔騎乗〕ロールし、成功するまで、動物のコントロールを失います。成功度が−10以下か大失敗なら落馬します。馬なら高さ2mからの落下として扱ってください。

〔閨房術〕 CHA
 性に関する全般的な腕前に関する技能です。出会いから後朝の別れまで、すべてこの技能で判定します。

〔交渉〕 INT
 会話を誘導し、自分の意志を相手に受け入れさせるための技能です。〔交渉〕を使う場合、基本的に理知的に話を持っていくことになります。感情的に意志を飲ませようとするなら〔弁論〕を使うことになります。通常は引き分けなしの対抗ロールですが、なるべくロールプレイで解決し、〔交渉〕は補助にとどめた方がよいでしょう。

〔拷問〕 INT
 情報を握っている者から、無理矢理にそれを引き出すための技能です。誘導尋問的な手法も〔拷問〕に含まれます(この場合は〔交渉〕を用いてもよいでしょう)。相手は〔鍛錬〕POWロールなどで対抗します。能動側は〔拷問〕する方です。

〔水泳〕 AGI
 首より深い水のあるところを移動するには、〔水泳〕ロールが必要です。〔水泳〕は行動阻害値がペナルティとなります。まず泳ぎ始めに1回、あとは「〔水泳〕レベル」分ごとあるいは泳ぎながら何かをするごとに〔水泳〕ロールが必要です。失敗したら、即座に溺れて窒息します。立ち直るには10ISかけて〔水泳〕ロールを行い、成功する必要があります。目標値は通常は15ですが、水面が荒れていたりする ならば上昇します。
 一般的なキャラクターは、地上の5分の1の速さで泳げます。
 なお、「泳ぎ」の移動速度を持つ生物は、〔水泳〕を持ちません。こうした生物は決して溺れません。

〔追跡逃走〕 INT
 足跡を辿るなどの方法で、すでに直接的に見えなくなった相手を追うための技能です。また、〔追跡・逃走〕から逃れるためにも使います。通常は追う側が受動の対抗ロールで判定します。追う方は逃走者が通り過ぎてからの日数などからペナルティを受けます。
 (狗族など)場合によっては、〔追跡・逃走〕は嗅覚の知覚技能として用いられることもあります。

〔天候予測〕 INT
 天気を予想するための技能です。Fate & Fortuneでは、〔天候予測〕は多分に勘と経験に頼った技能です。技能ロールは必ずGMが行い、キャラクターには結果から導き出される予想だけを伝えてください。

〔登攀〕 STR−PHY
 樹や崖などをよじ登るための技能です。技能がない場合の−5はいらないでしょう。能力修正値には「STR−PHY」を用い、また行動阻害値がペナルティとなります。高さ10mごとに技能ロールを行います。失敗したら立ち往生し、成功度が−10以下なら2d6mだけ落下し、その後に手がかりなどを掴めたことになります。これで地面まで落ちたら落下のダメージはすべて受けますが、下まで落ちきっていなければダメージは半分になります。大失敗なら落ちるところまで落下します。

〔舞踏〕 AGI
 踊るための技能です。〔歌唱〕のように見世物にすることもできます。

〔弁論〕 CHA
 感情的に聴衆(通常は多数です)を導くための技能です。通常は〔弁論〕する側が能動の対抗ロールを行いますが、討論などでは引き分けなしで行います。相手はINTロールや〔交渉〕などで対抗します。

〔捕縛〕 DEX
 縄で相手を縛る技能です。いわゆるロープワークも含まれるため、船乗りには必須です。通常は〔捕縛〕する側が能動の〔縄抜け〕との対抗ロールとなります。

〔料理〕 DEX
 食材を調理するための技能です。

〔話芸〕 CHA
 物語や笑い話で相手を楽しませるための技能です。〔歌唱〕のように見世物にすることもできます。



技能リスト:分類B

〔感熱〕 INT
 限られた種族が持つ、周囲の熱分布を感知する知覚技能です。この技能は生来の能力として持つ者しか向上させられません。つまり、新たに修得することはできないのです。〔感熱〕は他の知覚技能とは別個に働きます。

〔航海術〕 INT
 帆の張り方など、船を操るための技能です。

〔錠開け〕 DEX
 錠前を不正に開けるための技能です。錠に罠がかかっているなら、〔観察〕などで発見し、別に〔罠の設置・解除〕で外す必要があります。

〔生命感応〕 INT
 限られた種族が持つ、生命の波動を感じ取る知覚技能です。また、これによって通常の視覚では見ることのできない妖精や魑魅魍魎を見ることもできますし、成功度が5以上あれば対象の健康や感情の揺らぎも解ります。働く範囲は視界(あるいはキャラクターの最も重要な感覚の知覚範囲)内です。〔生命感応〕は〔観察〕などとは完全に別個に働きます。目が見えなくても〔生命感応〕できる者はいるわけです。
 この技能は生来の能力として持つ者しか向上させられません。つまり、新たに修得することはできないのです。半エルフなどはこの技能を分類Dとして修得/向上します。
 〔生命感応〕で、他者の気配を感じ取ることもできます。

〔〜演奏〕 DEX
 ある種の楽器を演奏する技能です。楽器ごとに別の技能となります。〔歌唱〕のように見世物にすることもできます。

〔〜語会話〕 INT
 ある種の言語を聞き取り、話すための技能です。当然、言語ごとに別の技能となります。〔〜語会話〕は、その言語としての難しさによって、簡単な言語は分類B、難しい言語は分類Dに分けられます。ただし、キャラクターの母語は、元が分類Dでも分類Bとして、最初からレベル4で習得しています。
 4レベル未満の言語で〔交渉〕などをする場合、足りないレベル数の5倍がペナルティとなります。

〔〜語読み書き〕 INT
 ある種の言語の文章を読み、書くための技能です。当然、言語ごとに別の技能となります。〔〜語会話〕は、その言語や文字体系としての難しさによって、簡単な言語は分類B、難しい言語は分類Dに分けられます。〔〜語会話〕と〔〜語読み書き〕の分類が違う言語も存在しますし、いくつかの〔〜語会話〕で同じ〔〜語読み書き〕を用いている場合もあります。

〔星見〕 INT
 夜空の天体の運行に関する技能です。ある種の〔占術〕や〔水先案内〕には必須でしょう。「普通」(目標値15)の技能ロールに成功すれば、現在位置や時刻、方位などが一部は解ります。

〔水先案内〕 INT
 地図や方位磁石などにより、旅を正しく導くための技能です。分類はBですが、正しく詳しい地図があったり、目印が多かったりするなら、技能がなくとも(分類Aのように)ロールすることはできます。
 1日に1回、ロールします。目標値は15です。地図があれば通常はペナルティはありませんが、なければ〔地域知識〕との複合ロールとなり、−5されます。ロールに成功すればどこをどう移動しているのかが解りますが、失敗すれば道に迷います。

〔罠の設置・解除〕 DEX
 罠を作る能力とそれを無効化する能力を両方示す技能です。設置のロール値が、知覚技能による発見や〔罠の設置・解除〕による解除の目標値となります。つまり、設置側が能動の対抗ロールです。解除時に成功度が−10以下か大失敗なら、罠が発動します。



技能リスト:分類C

〔軽業〕 AGI
 とんぼ返りをうったり、敵の股を潜り抜けたりといった、アクロバティックな動きをするための技能です。技を決めるごとに技能ロールをしてください。また、落下の際のダメージを軽減することもできます。

〔偽造〕 INT
 偽物を作るための技能です。通常は適当な技能との複合ロールで判定します。

〔ギャンブル〕 INT
 賭博やゲームなどで勝つための技能です。通常は対抗ロールで判定します。

〔空中機動〕 AGI
 空中や水中での三次元的認識能力と見当識とを表現する技能です。鳥や魚はこうした技能を高レベルで持ち、分類Aとして修得/向上できます(フェイは分類Cとして向上します)。〈飛翔〉呪文や飛行生物などで空を飛んでいる場合、技能ロールに失敗すると墜落するかもしれません。
 落下の際のダメージは、〔空中機動〕でも軽減できます。
 飛行生物に騎乗している場合、〔騎乗〕と〔空中機動〕の複合ロールで騎乗の判定を行います。

〔逆腕習熟〕 特殊
 通常、ある行動を利き腕以外の腕(逆腕)で行う場合、−6のペナルティが課せられます。これは、〔逆腕習熟〕の1レベルごとに1ずつ軽減できます。従って、〔逆腕習熟〕がレベル6になっていれば完全な両手利きが実現します。当然ながら、〔逆腕習熟〕は6レベルまでしか成長しません。〔逆腕習熟〕では、通常の技能ロールは行われません。

〔生存〕 INT
 自然の中で生きていくための能力を表します。技能ロールの成功により、水を見つけ、食料を手に入れ、安全なねぐらを確保できるでしょう。

〔戦術〕 INT
 規模を問わず、戦闘において相手の裏を読み、最も適した行動を取るための技能です。合戦ではロール値に応じてGMがヒントを与えるようにすればよいでしょう。
 Fate & Fortuneの戦闘ルールで扱うような個人戦闘でも、〔戦術〕は役立ちます。行動発表フェイズに「難しい」(目標値20)〔戦術〕ロールを行い、成功すれば、そのラウンドのISに成功度を加えた順番に行動を発表できるのです。戦闘の詳細については戦闘の章の戦闘の流れの項をご覧ください。なお、こちらの用い方は、〔戦術〕を修得していなければ行えません。

〔戦闘〕 INT
 武器または肉体により、相手に物理的ダメージを与えるための技能です。実際には、戦闘を修得/向上するごとに選択して修得/向上する副次技能で判定します。〔戦闘〕の副次技能は[ ]でくくられます。詳しくは戦闘の章をご覧ください。
 また、〔戦闘〕INTロールによって、他者の戦いの技量が相対的に解ります。目標値は15で、成功度が高ければ自身と比べてどのくらいの差があるのかも解ります。ただし、あくまでロールしたキャラクターとの相対的な評価であり、また、具体的な数値までは解りません。

〔戦略〕 INT
 兵力の運用など、戦争の全般的デザインを行うための技能です。ロール値に応じてGMがヒントを与えるようにすればよいでしょう。

〔鍛錬〕 VIT/POW
 身体や精神の抵抗力を表す技能です。〔鍛錬〕VITロールは、「〔鍛錬〕レベル+VIT修正値」が技能修正値となります(レベルを2倍しません)。
 第一に、〔鍛錬〕VITロールは、病気、あるいは負傷による苦痛にどの程度耐えられるかを判定するのに用いられます。
 第二に、〔鍛錬〕POWロールは、恐怖や強い悲しみ、あるいは精神的苦痛などに耐える際に行われます。
 第三に、〔鍛錬〕は魔術抵抗の際にも役立ちます。AMEを算出するときには、魔術技能及び〔鍛錬〕の内、最も高いレベルの技能のPOWを修正能力値とする技能修正値を用いるのです。
 第四に、〔鍛錬〕を修得/向上するごとに、疲弊度限界値1d6ポイントずつ上昇します。

〔調教〕 INT
 知性のない動物(Fate & Fortuneでは、INTが5以下であることを意味します)を馴らし、命令に対する特定の反応を仕込むための技能です。

〔第六感〕 LUC
 危険を漠然と予感したり、勘を働かせたりする能力を示す知覚技能です。あくまで勘であり、漠然としたことしか解りません。

〔手品〕
 一般的にいう手品の他、スリなどを行う能力を示します。知覚技能と対抗させます。

〔〜知識〕 EDU
 ある特定の事柄に関する知識で、技能ロールの成功は「知っていた」ではなく「思い出せた」ことを示します。よほど特殊な事柄でない限り、技能がない場合はEDUの能力値ロールで代用できるでしょう。分野ごとに別の技能となり、以下のようなものがあります。

〔騎士道知識〕〔作法〕〔種族知識(種族ごとに別種)〕〔植物知識〕〔神話知識(神話体系ごとに別種)〕〔地理知識(地域ごとに別種)〕〔動物知識〕〔病理学〕〔法律知識(法体系ごとに別種)〕〔物語知識(文化圏ごとに別種)〕〔紋章学(家紋や盾の紋章など、文化ごとに別種。〔紋章魔術〕とは関係ない)〕〔薬学〕

〔縄抜け〕 DEX
 縛られた状態から脱出するための技能です。STRロールでも代用できます。



技能リスト:分類D

元素魔術技能 POW/INT
 独立した技能の名称ではなく、〔地精魔術〕〔水精魔術〕〔火精魔術〕〔風精魔術〕の総称です。詳しくは魔術の章の元素魔術技能の項をご覧ください。

〔呪歌〕 DEX/CHA
 歌や楽器の演奏で、神秘の能力を発揮するための技能です。〔歌唱〕または〔〜演奏〕がレベル5以上でなければ修得できません。〔呪歌〕は〔歌唱〕または〔〜演奏〕との複合ロールで判定します。修正能力値は前者ならCHA、後者ならDEXとなります。
 〔呪歌〕は、20IS以上歌うか演奏することで効果を発揮します。聞こえている限りは〔呪歌〕の影響を受け続けることになりますが、〔呪歌〕を能動とする〔鍛錬〕POWロールに成功することで、影響を免れます。
 具体的な〔呪歌〕の効果についてはプレイヤーとGMとの協議の上で決めて下さい。例としては、以下のようなものがあります。
〔呪舞〕 AGI
 踊りによって、〔呪歌〕と似たような効果を起こすための技能です。〔舞踏〕がレベル5以上でなければ修得できません。また、〔舞踏〕との複合ロールで判定します。
 基本的な効果は〔呪歌〕と同じですが、影響を与えられるのは〔呪舞〕を見ている者だけです。通常、対抗ロールに負けた者は呪舞から目を離せなくなります(少なくとも視界に入れようとします)。また、以下の効果も出せます。
〔召喚魔術〕 POW/INT
 次元界の相互作用を用いる魔術技能です。詳しくは魔術の章の〔召喚魔術〕の項をご覧ください。

〔精神魔術〕 POW/INT
 キャラクターの精神の力を利用する魔術技能です。詳しくは魔術の章の〔精神魔術〕の項をご覧ください。

〔占術/〜〕 INT
 占いをするための技能です。方法ごとに別の技能となります。

〔〜語会話〕 INT
 分類Dの〔〜語会話〕は難しい構造の言語に当てはまります。詳しくは分類Bの〔〜語会話〕をご覧ください。

〔〜語読み書き〕 INT
 分類Dの〔〜語読み書き〕は難しい構造の言語に当てはまります。詳しくは分類Bの〔〜語読み書き〕をご覧ください。

〔〜制作〕 DEX
 物を作るための技能です。分野ごとに別の技能となります。

〔紋章魔術〕 POW/INT
 文様などの図形や象形文字などの持つ魔術的な力を利用する魔術技能です。詳しくは魔術の章の〔紋章魔術〕の項をご覧ください。

〔錬金術〕 INT
 物質を変成させるための神秘的な術法に関わる知識を表す技能です。〔錬金術〕により、魔道器(マジックアイテム)を作成することができます(この版では扱いません)。
 また、〔錬金術〕ロールに成功すれば、魔道器の能力を知ることができます。ただし、魔道器にパスワードや能力制限がある場合、それを知るには、先程のロール値がその魔道器を作った際の〔錬金術〕ロール値以上でなければなりません。



技能リスト:分類E

〔神性魔術〕 POW
 神の力を借りて魔術的事象を起こすための魔術技能です。神(と場合によっては教義)ごとに別の技能となります。詳しくは魔術の章の〔神性魔術〕の項をご覧ください。