詩とイラスト[ Like A Moon ]コトバノカケラ 詩集7 世代の使命

世代の使命

夜の闇が僕たちの笑い声を吹き消すようだ
街の片隅で生温い風が頬をつたう

突きつけられた刃先を覆い隠すほど
僕たちの暮らしは満たされすぎていて
感情を表現することさえも愚行になる

全てを築き上げたつもりの大人たちは
僕たちの世代に大きな傷跡を残した
そして徘徊するキモチさえも奪い取り
自分たちのおかした罪を僕たちに着せた

僕たちの行く先は下水管の暗闇の先にある
僕たちの戯言は僕たちだけが抱える宝石さ

だけれども、ゼンマイ時計を巻き続け
何かを期待するように全てをオブラートに包み込む

僕らは人形じゃない
ましてや掃き溜めでもない

あなたたちから生まれた次世代の担い手
何かを育むべく使命を背負い、そして歩く

去勢されたイヌの遠吠えが奏でる
小さな街の静けさの中で