暗唱句
死とはなんぞやと深きに問うてみても
どこにも誰にも答えるものはなし
寝ても覚めてもそれに関わる欠片すら見つからず
ひねれば深く暗きところに沈み往き
迷へば長く恍惚とした悲しみに経ち逝く
ただただ捕らえ処のない時が不要に消え失せる
幾度にも切実に目の当たりに重ねど
いつの度も悲しみの声と粒が溢れおつる
また、いつの日か、それは近き日かもしれない
我にも別離の時が訪れよう
其の時までに何を築き何を残す
其の瞬間までに何を重ね何を愛し育てるか
さてさて穂先はいづこへ向けようか…