詩とイラスト[ Like A Moon ]コトバノカケラ 詩集4 明日、君に

明日、君に

君に出会うのは これで何回目だろうか...

初めて君を見たのは月夜の晩の滑り台の上。
寂しそうに砂場に作られたお城を見つめ、
口笛を風にのせ、誰かを呼んでいた時だった。

次に君に会ったのは、そうあれは偶然だったと思う。
線路に掛かった横断歩道の上で大事そうにバックを抱え、
足早に夕暮れの中を走っていた。

三度目からは、目を合わせる度に君の小さな手と
ソフトクリームを持ったボクの手を振り合って、
奇妙な挨拶を交わす様になった。
でも、時折見せるうつ向き加減の瞳と
小さな唇からささやく様にこぼれ落ちる
ため息が気にかかっていた。

ボクが君の体を抱きしめたあの朝は、
太陽がキラキラとボク達の体を通り抜けた。
風が二人の間をより近付かせてくれたから、
君の冷えきった体を強く壊れてしまうぐらいに、
抱く事が出来たのかも知れない。

56回目に君に会った時には、君はボクの彼女になっていて、
暑いのにも拘わらず手を繋いでいた。
ボクが指で合図を送ると、君が返事を返す。
ボクが強く握ったら、キスの合図。

今度は、
優しく2度振ったら、ボク達は...

そんな事が起きれば良いと思い描く、ボクの夜の楽しみ。

明日は、272回目の君に会いに行く。