詩とイラスト[ Like A Moon ]コトバノカケラ 詩集4 NOON MOON

NOON MOON

一息ついたベンチの上で、
ボクはボクじゃなくなった夢を見た。

 本当のボクを探している旅の途中で、
 ボクは、途方もない幻想に足を止め、
 ため息ついでに俯いた。
 足元の水たまりのその中に、
 なんにも飾らない、今までのボクに気付く。

 汗をかき、涙を流し、下らない事で笑っている、
 そのまんまのボクに。

そよ風に目を覚まし、
ふと見上げたその空に、
うっすら輝く月がいた。

白昼夢のかげりのような、銀色の月が。