NOON MOON
一息ついたベンチの上で、
ボクはボクじゃなくなった夢を見た。
本当のボクを探している旅の途中で、
ボクは、途方もない幻想に足を止め、
ため息ついでに俯いた。
足元の水たまりのその中に、
なんにも飾らない、今までのボクに気付く。
汗をかき、涙を流し、下らない事で笑っている、
そのまんまのボクに。
そよ風に目を覚まし、
ふと見上げたその空に、
うっすら輝く月がいた。
白昼夢のかげりのような、銀色の月が。