僕が海星だった頃
真夜中の海辺に立った時
波の音が体のなかに染みわたる
僕が海星だった頃の夢が
星のように輝き始める
砂を踏みしめる音と波の声が
海へ帰っておいでよと囁きかける
僕は海星だったことを後悔しない
同じように地平線を眺め
寄せる波に体を任せ
砂浜へと打ち着けられる
こんな楽な毎日はなかった
でも 人間になってからもこんな暮らしを
していたような気がする
そして 次に何かになったとき
また 僕は海星だった頃の夢を見る