詩とイラスト[ Like A Moon ]コトバノカケラ 詩集2 ラブレター

ラブレター

月明りを頼りに君の元へ 
やさしい顔をした君の元へ 
ナイフとこの手紙をもって
透明なゴミ袋も忘れてはいけない  
君へのプレゼントは僕の手首
真っ赤な血がしたたる手首 
リボンを掛けるか 
それともラッピングするか迷っている

喜んでくれるだろうか 
僕の気持ちが届くだろうか 
不安と期待が入り交じる度に 
僕は独り言をつぶやく
月に向かって 
叫ぶように 
吠えるように 
独り言をつぶやく
ああ 今も君の元へ行く途中なのに 
頭が裂けるように痛む

だけど 僕は君に会いに 
怪しげに笑う君に会いに行く
プレゼントの他に犬の首も買って行こうか 
どうすれば君は僕を分かってくれるだろうか
君に会いにいく途中で立ち止まったまま 
考え始めてしまった

嫌なことだけが頭から離れなくなってしまい 
僕はルシアンルーレットの真似をして
ピストルで頭を吹き飛ばした   
周りの人が笑って通り過ぎる 
なんで笑うのだろう
男の人が僕に罵った 
耳元で 大きな声で  
だけど僕には何も聞こえない
君のことしか頭にないからね 
だから僕は笑ってやったさ 
なぜかって?
それは簡単さ 
君の笑顔に会えると思えば全てが許されるのだから