詩とイラスト[ Like A Moon ]コトバノカケラ 詩集1 月とボク

月とボク

月が夜を包むとき ボクの中で時が止まる。
砂浜で真上に見えた ボクの光。
何かを思い出すように ゆっくりと輝く。
波の音が静かに頭のなかで流れ出す。
何故だろう 月の光が懐かしい。
それは まるで生まれたときの記憶が
明確なものとして 存在しないように。
どこかで感じた 優しいまなざし。
時がボクをとてもゆっくりと追いかける。
せかされることなく波の音が瞬間になる。
青く光る暗闇に月とボクの関係が
一対の形となって ボクのなかに残る