メモリとハードディスク、SCSIボードの増設


1.メモリの増設

 まず、メモリが標準では16MBと少なすぎるので、少なくとも32MBは増設しましょう。ここで気を付けるのは、32MBの場合、16MBを2枚一組で増設すること、ECC対応EDO-RAMを使用すること、です。この条件さえ満たせば、おおよそのAT互換機用メモリが流用可能です。もっとも、純正品や機種を明記してあるサードパーティ製(「メルコ」とか「アイ・オー・データ」とか)のものをオススメします。

 最近はメモリもさらに値下がりしているので、一気に64MB増設した方がいいかもしれません。


2.ハードディスクの増設(内蔵 E-IDE) 01/12 更新

 メモリを増設したら、ハードディスクです。標準の1.6GBは多いようですが、MS OFFICEとか一太郎などの巨大なアプリケーションを入れれば、あっという間に一杯になります。増設方法は、外付けと内蔵が考えられますが、電源や予算、見た目から考えて、最初は内蔵 E-IDE をおすすめします(本当は、以下に述べるSCSIをすすめます)。2GB以上のものがいいと思います。また、機種名が明記してあるサードパーティ製のものがいいでしょう。AT互換機用のものを流用する場合は、E-IDEの3.5インチドライブを選びます。メーカーは、98の場合、Western Digital社製のものがいいのではないでしょうか(多くの98に搭載され、実績があります。ただし、ちょっとうるさい、という意見も)。NEC製(あたりまえですね)やIBM製もいいかもしれません。
 増設金具は、各メーカーから発売されています。AT互換機用の5インチファイルベイ用ハードディスク金具を使います(デスクトップ機のドライブベイに増設する場合は、それぞれの機種にあった金具を買ったり、金具付きのドライブを購入しましょう)。また、2GB以上のIDEハードディスクを増設したばあい、領域(パーティション)は、2GB未満で分けましょう(たとえば、3GBなら、1.9GB+1GB+100MBのように)。ただし、Windows95 OSR2.0以降のシステムでFAT32を利用しているひとは、2GB以上を1つのパーティションとして利用することができます。

# E-IDEハードディスク増設時の注意

 4.3GB以上のハードディスクは正常に認識できない可能性が強いので、避けた方が無難です。ただし、アイ・オーデータから出ているIDE-98(やUIDE-98)を利用すれば8GBまで接続できるようです。


3.ハードディスクの増設(内蔵SCSI、IDEボード)

 ハードディスクを(外付けではなく)内蔵SCSIにすると、電源と場所の確保の点で有利です。なお、E-IDEハードディスクをすべて取り外すと、DOS上からATAPI(IDE)接続のCD-ROMが認識できなくなるようで、CD-ROMからのセットアップが不可能になります。よって、あらかじめ、バックアップCD-ROMをハードディスクにコピーしておく必要があります。と、書きましたが、間違いでした。大丈夫です。Xv13/W16ではちゃんと認識します。
 ハードディスクは理想的には SCSIにしたほうがいいです。E-IDE は、特に98 のばあい、低速な方式しかサポートしておらず、CPUに負荷をかけます。
 本当は、CD-ROM も SCSI接続にしてしまうのがいいです。また、最近、アイ・オー・データからUltra-DMA33転送を98でサポートするPCIボードが発表されました(UIDE-98)。NEC98のIDEは、Cバスをコントロールするチップに制限されて低速なPIOモードしかサポートしていませんが、UIDE-98と対応するハードディスクを使用すれば高速な転送が実現されます。このボードではCD-ROMドライブもサポートしているので(IED-98でも動くが、サポートしていないし、動かないドライブも存在する)、PCIスロットが余っているのなら購入するのもいいでしょう。ただし、CPU占有率などを考慮すれば、やはりSCSIにはかないません。

 なお、SCSIハードディスクを増設する際には、当然SCSIボードが必要になります。以下を参考にしてください。

<システムSCSI化計画> 01/12 追加

 お金と時間のある方はWindows95システムをSCSI化することをおすすめします。まず、生SCSIハードディスクを買ってきます。そのハードディスクを内蔵ケーブルでPCIバスに接続されたSCSIボードとつないでください。DOSモードを起動し(システム転送付きフォーマットをした起動用フロッピーで起動したり、「Windows95を起動しています」が表示されている間にF8キーを押して、「コマンドプロンプトのみ」を選択)、diskinitをつないだSCSIドライブに実行し、「初期化」してください(ドライブ番号を間違えると大切なデータが消えてしまいます。注意してください)。その後、fdiskでMS-DOS領域を作成します。パーティションを好きなように区切り、全て「ブート可」にします。
 この作業が終わったら、リセット(CTRL+GRPH+DEL)し、Windows95を再起動します(今度は普通に起動する)。そして、領域を作成したドライブをマイコンピュータから右クリックし、「フォーマット」します。ここまでの手順をまとめると、diskinit(初期化)→fdisk(領域作成)→format(フォーマット)となります。前2者は、DOS上でコマンドを入力し、実行して下さい。

 なお、パーティションを区切る際、なるべくもともとのハードディスク構成と同じにして下さい。つまり、もともと、内蔵IDEドライブが、A・B・Cに区切られていたら、新たに購入したSCSIドライブも3つに、つまり、D・E・Fというようにします。これは、現在のシステムをそのまま受け継ぐための作業です(もちろん、ドライブはIDEドライブより多くても構いません。そのままコピーできる環境を整える必要があるということです)。そして、SCSIの最初のドライブ(この例ではDドライブ)は、システム付きでフォーマットしてください(IDEを切り離した後の起動ドライブになります)。

 さて、システムを完全に移行するためには、もとのIDEディスクから全てのファイルをコピーします。隠し属性のファイルや、システムファイルもちゃんと見えるように設定しておいて下さい(何かのフォルダを開いた状態から、「表示」→「オプション」で設定しておきます)。コピーは、以下の手順で行います(IDEディスクが、A〜C、SCSIディスクがD〜Fの場合)。

 マイコンピュータからAドライブを開いて「すべて選択」し、もう1つ開いたDドライブにドラッグ&ドロップでコピーする。B、Cドライブも同様に、それぞれE、Fドライブにコピー。

 これで、IDEのA〜Cドライブと、SCSIのD〜Fドライブが同じ内容になりました(容量は異なっても構いません)。電源を落として下さい。電源を落としたら、熱に十分注意して、E-IDEディスクを全てマザー(メイン)ボードからケーブルごと抜き去ってしまいます。IDEディスクが残っているとドライブ番号(ドライブ・レター)が、IDEディスクから優先して割り振られてしまうため、システムを移行するべきSCSIドライブに「A」を割り当てられなくなります。

 再起動すれば、SCSIドライブから起動できます。

 私は、SCSIディスクに、IBMのDCAS-34330というUltra-SCSI対応の4.3GBドライブを使用しました。このドライブは、静かで発熱が少なく、高速なので、人気があります。私のSCSIボードはSCSI-2までしか対応していませんが、それでもHDBENCH(ベンチマークテスト用プログラム。リンク集の「窓の杜」などにあります)で計測すれば、Read、Writeともに、7,000KB/sを越えました。E-IDEで3,000くらいでしたから、大幅なパフォーマンスアップです。この様子だと、まだまだSCSI-2で十分なようです。

#生じた不都合

 フロッピーから起動すると、IDE接続(ATAPI)のCD-ROMがDOS上から認識されない。ハードディスクから起動すれば、CD-ROMはちゃんと見えるのでそれほど大きな問題ではありません。MOがあれば、そこに緊急用のWindows95インストール用ファイル(バックアップCD-ROM:\Windows\cabsの中身など)を入れておけば万全です。
 と、書いておきながら、これは間違いでした。私が、起動ディスクに入れるドライバのファイルを間違っただけでした。ちゃんと認識します。

 また、E-IDEハードディスクが無駄になるという不利もありますが。これほどの高速化を望めるのならば、それは我慢するしかありません。そのうち、残ったIDEインターフェース(CD-ROM)も切り離し、SCSI CD-ROMにする予定です。

IDE排除による、システム全SCSI化計画 02/16 追加

 さて、予告通り、CD-ROMもSCSIにし、IDEデバイスを全て切り離しました。購入したドライブは、TEAC CD-532Sで、32倍速の内蔵型のものです。回転時の音が標準搭載のものと比べてうるさいものの、たいへん速く、満足しています(標準は6倍速IDE)。
 このドライブをDOSモードで認識させたい場合、TEACのサポートページ から98用のドライバを持ってきて、それを使います。機種名は違いますが、問題なく使えます。CD-1600S用のドライバを使って下さい。

 なお、IDEデバイスを全て切り離した場合、HELPを押しながら起動して立ち上げる「システムセットアップメニュー」で、内蔵固定ディスクを切り離して下さい。さらに、Windows95上の「システムのプロパティ」「デバイスマネージャ」からハードディスクコントローラを削除してしまいましょう。もちろん、IDEケーブルは物理的にも切り離します。

 これで、IDEは全て排除し、ドライブを総SCSIとしました。98のIDEは遅く、システムの足を引っ張るので、これは非常に有効なパワーアップ方法だと思われます。


4.SCSIボード

 SCSIボードは、周辺機器の増設を語る際にはなくてはならない存在ですが、ここでは、Cバス用ではなく、PCIバス用のものをオススメします。PCIバス接続の利点は、以下の通りです。

  1. 高速
  2. 内部増設コネクタの存在
  3. CD-Rへの対応が有利

 なお、私は Melco の IFC-DPを使っていますが、これは、本来できるはずのIRQのシェアリング(同じIRQ を2つ以上のデバイスで利用すること。Cバスでは基本的にできない)ができません。おそらく、ドライバの問題だと思われます。私は、SCSI2ならば、アイ・オー・データのSC-PCIをオススメします。もちろん、Adaptec 製品を買えば一ばん安心できるのかもしれませんが、高いです。
 私のばあい、SCSI 機器はMOしか使っていないので(註:当時)、SCSI2で十分ですが、高速なハードディスクを載せる方は、Ultra SCSI とか Ultra WIDE SCSI などの高速なボードを載せた方がいいでしょう。前者はSCSI2 の2倍、後者は4倍の転送速度です。ただし、Ultra WIDE SCSIはドライブがものすごく高価なので、現実的ではありません。今のところはSCSI-2で十分と思われます。Ultra SCSIは、ケーブル長の制限がかなり厳しくなっています。


5.あの空き地は何?

 XV13/W16には、5インチファイルベイが3つ存在します(内1つはCD-ROMドライブで占有済み)。それ以外に、3.5インチフロッピーディスクドライブ、3.5インチハードディスクドライブ(標準装備)がそれぞれ装備されています。ところで、ハードディスクを内蔵するためには通常、5インチファイルベイを利用します。私もここにIDEハードディスクを1台増設しています。

 しかし、本体を開けてよく見てみると、標準装備のハードディスクの下になにやらあやしげな「空き地」があるとこが分かります。これは何? 3.5インチハードディスクを入れてみると、ぴったりです。どうやらこれは標準ハードディスクを入れているのと同じ「3.5インチベイ」のようです。ところが、ここにハードディスクを固定するためには、標準ハードディスクの下についているのと同じ「HDプレート」が必要になります。この金具は特殊なもので、店では滅多に入手できないようです。そこで、「NECパソコンサービスルーム Bit-INN」に問い合わせたところ、補修部品の販売を、「お客様の責任のもとで利用する」という条件で行っているとのことで、この「HDプレート」(写真1)を購入することにしました。価格は\130+消費税+送料です。ここにハードディスクを内蔵すれば、「5インチファイルベイ」を節約できます。なお、フロッピーディスクもこの「HDプレート」で固定されています。「HDプレート」は、コンピュータ前面より挿入し、2本のねじで固定します(写真2)。

 ただし、このベイ、電源ユニットとの距離が結構あるので、IDEドライブを増設する際には電源ケーブルを延長しなければ届きません。SCSIの場合、PCIスロットが近いので信号ケーブルは短くてもいいのですが、やはり電源ケーブルは延長する必要があります(延長ケーブルはパソコンショップで購入できます)。

HDプレート 写真1 HDプレート

HDプレート挿入 写真2 「空き地」への「HDプレート」挿入


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