初期不具合回避法とWindows95/98クリーンインストール

 バグ、困った「仕様」、その他ソフトウェア上の問題


1.致命的な不具合の解消

Xv13/W16を含む多くの98には、IDEディスクを3台以上つないでいると不具合が発生するという問題があります。まず、この問題を解決しておきましょう。問題の解決方法は、a:\windows\hardware.txt に記載されていますが、ガイドブックにはなんの説明もありません。

 hardware.txtの内容を引用します。

*************************引用ここから************************

(c) Copyright Microsoft Corporation, 1995

 3 台以上の IDE ドライブ
-----------------------
3 台以上の IDE ドライブ (ハードディスク 2台+ファイルベイ用 CD-ROM ドライ
ブなど)をインストールしているコンピュータで、これらのドライブすべてに同時
にアクセスするとハングアップする場合があります。この場合は、以下のようにし
て IDEインターフェース用のドライバを置き換えてください。
- Windows 95 CD-ROM の \Drivers\Storage\NEC からファイルESDI_506.PDR を、
 Windows 95をインストールしたディレクトリの下のsystem\iosubsys ディレク
 トリににコピーする

*************************引用ここまで*************************

 harware.txtには、そのほかの問題も指摘されているので、ぜひ読みましょう。

 また、もちろん、ファイルの不具合などのアップデートは行っておきましょう。以下のURLで調べてください。Xv13/W16は、Windows95のバージョンがすでに 4.00.950aなので、サービスパックはインストールしないでください。

 http://info98db.nec.co.jp/ (NECパソコンインフォメーションセンターROBO)


2.Internet Explorer 関係の不具合

(1)IE3.0*

 標準では、インターネットエクスプローラ(以下、「IE」)2.0と、IE3.0βがインストールされていますが、最新版のIE3.02などをインストールするばあい、IE2.0はアンインストールせず、上書きインストールした方がいいようです。また、IE3.0βは、IE3.02インストール後、本体に付属してきた冊子の記述をもとに削除してください。
 IE2.0を上書きしてIE3.02にしたばあい、IE3.02のインストールされるフォルダが、a:\Program Files\Plus! 以下になります。これが気に入らなければ、IE3.02を一度アンインストールし、改めて再インストールしてください。a:\Program Files\Internet Explorer にインストールすることができます。
 なぜ、IE2.0をアンインストールしない方がいいかというと、Microsoftのフリーソフト Power Toys に含まれる TweakUIを使用したばあい、「デスクトップ」の「特別なデスクトップアイコン」の設定から、「インターネット」とか、「Internet Mail」、「Internet News」などが消えてしまうのを防ぐためです。

 また、それでも防げない不具合があります。Xv13/W16のばあい、IE3.01やIE3.02をインストールした環境で、デスクトップ上の「インターネット」アイコンを右クリックして「プロパティ」を選択し、窓を開いて、「OK」か「キャンセル」を選んで閉じた後、なにかのフォルダを開くと、Explorerのエラーでハングアップします。なお、この症状は、WindowsNT環境、ネットワークに接続された状態、では起こらないようです(この症状は、Xv20/W30でも起こるようです)。

(2)IE4.0(10/01発表の正式バージョン)

 IE4.0では、IE3.0*で起こった、右クリックプロパティからのハングアップは起こらなくなっています(IE4.0PR1から改善されています)。しかし、私の環境では他の問題が発生しています。以前、IE4.0PR2をインストールしたときにも同様の症状が起こり、その後再セットアップしても改善されなかったので、おそらく何らかのバグではないかと思われます。症状は以下の通りです。

 IE4.0をインストールすると、タスクバー上に「ブラウザの起動」、「チャンネルの表示」、「デスクトップの表示」、「Outlook Express の起動」の4つの小さなアイコンが表示されるようになります。このうち、「チャンネルの表示」アイコンが、私の環境ではWindows95の「標準アイコン」(旗)になってしまいます。おそらく、ちゃんとしたアイコンが存在するはずですが。このファイルの正体は、「A:\WINDOWS\Application Data\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\チャンネルの表示.scf」です。


3.これまでに分かった不具合回避法

 上に書いたIE関係のトラブル(IE3.0*プロパティ、IE4.0アイコン表示)は、Windows95システムのインストールに起因する可能性が強いことが判明しました。
 問題の多くは、「システムインストールディスク」を使って、システムを再セットアップしたばあい(あるいは、買ってきたばかりの状態)に起こります。これはどういうことか、といえば、「システムインストールディスク」を使わないでインストールすれば問題は回避できる、ということです。以下に方法を記述します。

(1)Windows95だけをインストールする

 まず、起動ディスクを作ります。フロッピーディスクを用意し、「コントロールパネル」「アプリケーションの追加と削除」から「起動ディスク」へ進み、ディスクを作成してください。ディスクができたら、そこに以下のファイルをハードディスクからコピーします。

Emm386.exe
Himem.sys
Mscdex.exe
Neccd.sys

 そして、次のような内容のファイルをさきほどのフロッピーの中に作成します。「メモ帳」などで作成してください。

ファイル名:Autoexec.bat
@ECHO OFF
A:\MSCDEX.EXE /D:CD_101 /L:Q

ファイル名:Config.sys
FILES=30
BUFFERS=10
LASTDRIVE=Z
DEVICE=A:\HIMEM.SYS /TESTMEM:OFF
DEVICE=A:\EMM386.EXE
DEVICE=A:\NECCD.SYS /D:CD_101
DOS=HIGH,UMB

 必要なファイルのバックアップが済んだら、今作ったフロッピーをドライブに入れて、コンピュータを再起動させます。CD-ROMが認識され、DOSモードが起動すれば成功です。

 次に、ハードディスクをフォーマットします。必要なファイルはバックアップを忘れないようにしましょう。FDISKコマンドで領域の開放をしたあと(新しく買ってきたハードディスクなら、FDISKの前にDISKINITコマンドを実行させてください)、領域を作成します。このとき、いままでのパーティション(ハードディスク容量の区切り)が気にいらなかったら、区切り直すことも可能です。たとえば、1GB+500MBを、1.5GBにまとめてしまう、など。
 領域が作成されたら、format B:で(フロッピー起動の時)、ハードディスクをフォーマットしてください。

 Windows95のインストールは、「バックアップ CD-ROM」の、Q:\Windows\Options\Cabs\Setup.exe を実行して行います。インストールはCD-ROMから実行するより、ハードディスクから行った方が高速です。また、以後システムの更新の度にCD-ROMを挿入する必要がなくなり、その点でも有利です。ところで、ここではCD-ROMドライブを"Q"ドライブとして説明しています。

 したがって、Q:\Windows\Options以下を、ハードディスクの任意の場所にコピーしましょう。私は、フォーマットしたハードディスクに、Windows\Options\Cabsというフォルダを作り、対応するCD-ROMのフォルダの内容をそっくりそのままコピーしました。インストール時に、Windowsフォルダが存在するが上書きしてもいいか、と訊かれますが、そこでは上書きを選べば大丈夫です。

 さて、インストールを開始します。フロッピードライブが1台のばあい、Windows95は、Bドライブ(フロッピー起動の時。ハードディスク起動時にはAドライブになる)にインストールします。先ほどコピーした、
B:\Windows\Options\Cabs\Setup.exe
 を実行します。CD-ROMから実行する人は、BをCD-ROMのドライブ名に読み変えてください。

#なお、\Cabs\Msbatch.infというファイルの内容が分かれば、自分好みに編集したり、削除してしまったほうがいいと思われます。削除する場合にも、空のダミーMsbatch.infファイルを作って置いておきましょう。

 これで、インストールが始まるはずです。

(2)不具合対処法

 上の方法でWindows95をインストールすると、一部不具合が発生します。また、IE4.0*をインストールした際の不具合情報も掲載します。

1.使用者名と、Product ID

 使用者名が、「Pre-installed User」、会社名が、「Pre-installed Company」となり、Product ID が不正になります。これは、レジストリをいじって修正できます。
 スタートメニューの「ファイル名を指定して実行」で、「regedit」と入力し、レジストリエディタを立ち上げてください。立ち上がったら、「Pre-installed User」という文字列を検索しましょう。ヒットしたところの文字を、自分の名前や会社名、また正しいProduct IDになおします。データはポップアップメニューから「変更」で、入力し直します。

2.システムデバイスの認識

 私の環境では、システムデバイス(「システムのプロパティ」で確認)の「PC-98 to C98 ブリッジ」がうまく認識されず、「その他のデバイス」のところに、確か「PCI ブリッジ」という名前で「!」マークがつきました。これは、「PCIブリッジ」のプロパティから、「ドライバ」を選択し、ドライバを変更してしまえば、うまく認識します。「PC-98 to C98 ブリッジ」に、変更してしまえばいいわけです。
 これができなければ、ハードウェアウィザードを手動で実行し、「PCIバス」をインストールします。そうすると、既に存在する「PCIバス」と二重登録の状態になるので、「!」マークのついたほうの「PCIバス」のドライバを、「PC-98 to C98 ブリッジ」に変更してください。

3.その他のドライバの認識

 標準装備のネットワーク機能は、「バックアップCD-ROM」の中にインストール情報があります。インストール情報は、Q:\Windows\Infにあります。「ディスクの使用」で、ここを指定してやればいいでしょう。Infフォルダは隠し属性なので、すべてのファイルが見えるように設定しておいてください。

4.ソフトウェアスイッチ

 上記の方法でWindows95をインストールすると、これまでは電源スイッチを押せば「Windowsを終了します よろしいですか?」と表示されて、ここから安全にシャットダウンできたのが、スイッチを押したとたん、突然電源が落ちるようになります。これは、ソフトウェアスイッチ(シャットダウン)のドライバをインストールすることで解決できました。
 まず、「バックアップCD-ROM」から以下のファイルを拾ってきます(ここにあるファイルがすべて必要かどうかは分かりません)。

powerchk.dll
powerthk.dll
vpowdwnd.vxd
pdown32.dll
pdown16.dll

 そして、これらのファイルを A:\Windows\System以下にコピーします。次に、A:\Windows\System.iniを以下のように変更してください。

[386Enh]
device=vpowdwnd.vxd

 [386Enh]はもともとあると思います。この下に、device〜という記述を追加するのです。これで、再起動すれば、今まで通りソフトウェアスイッチが使えるはずです。

5.PCIセットアップユーティリティの不具合

 Windows95 だけをインストールした後、別に「PCIセットアップユーティリティ」をインストールすると、ユーティリティ上でCバススロットを3つしか認識しない(本来は4つある)という不具合が生じました。これは、以下の操作で回避できます。

 a:\pcisetup以下の、pcisetup.ini内の、「Option= /C3」を、「Option= /C4」に変更し、pciset.batの「PCISETUP.EXE /C3」を「PCISETUP.EXE /C4」に書き換えてください。これで、Cバススロットがちゃんと4つ認識されるようになります。

6.98タイマー

 標準状態では、Xv13/W16には「98タイマー」というソフトがインストールされていて、コンピュータの起動や終了をタイマーで自動化できます。しかし、ここに書いてある方法でWindows95をインストールすると、このソフトは組み込めません。方法が分かったので、「続報」をご覧下さい。

7.「98タイマー」続報

 「98タイマー」のインストール方法が判明しました。東京理科大学の新井さんから教えていただいた方法です。

「バックアップCD-ROM」の\Windowsフォルダにある
autooff.exe
timerset.exe
timerset.ini
timeup.exe

\Windows\Systemフォルダにある
alarmset.dll
alarmthk.dll
powercfg.dll
powerchk.dll
powerthk.dll
vbrjp200.dll

 を現在使用中のそれぞれのフォルダにコピーします(すでに自分のコンピュータにあるファイルはコピーしなくてもいいです)。

 また、CD-ROMよりコピーしたファイルは書き込み禁止属性になっているので、timerset.iniは、書き込み禁止を解除してください。方法は、ファイルを右クリックし、プルダウンメニューから「プロパティ」を選択して、「読み取り専用」のチェックボックスを解除します。このファイルにはタイマーの時刻設定などの情報が書き込まれるので、読み込み専用では都合が悪いのです。
 「98タイマー」は、timerset.exeを実行すると開始します。

不具合
 なお、この方法でインストールしたら、私の環境では、A:\Windows\win.iniの[windows]に、「RUN=timeup.exe」が勝手に登録されてしまいました。この状態で再起動すると、Windowsの動作が異常になるので、「=timeup.exe」の部分は(もし書き込まれていたら)削除してください

 貴重な情報を寄せていただいた新井さんに感謝いたします。ありがとうございました。

8.パスワードの保存ができない 01/18 更新

 ダイヤルアップ接続の際のパスワード保存のチェックボックスが灰色になって選択できない人がいると思います。

 これは、最初のWindowsログインパスワードの入力画面でキャンセルをすると起きます。これを解消するには,デスクトップの「ネットワークコンピュータ」を右クリック→「プロパティ」→「優先的にログオンする」を「Windowsログオン」にする(なっていたらそのままでよい)→\windows\なんちゃら.PWLを削除(「なんちゃら」には、あなたのユーザネームが入っていると思います)→ログオンしなおす(IE4.0*のばあい,「スタート」→「なんちゃらのログオフ」;IE4.0*未インストールのばあい,「スタート」→「Windowsの終了」→1番下のチェックボックスに合わせて「OK」)

 これで、再起動後、パスワードを訊いてくると思うので、ユーザネームはあなたのお名前(すでに入っていると思います)、パスワードは、毎回入力するのが面倒であれば何も入力せずに、リターンします。確認のダイアログボックスもそのままリターンしてください。ここで「キャンセル」してはいけません。

9.コントロールパネルの「98環境」が起動できない 01/18 更新

 これの解決方法は、山北さんから教えていただきました。ありがとうございます。

方法1 コントロールパネルのシステム・グラフィクス・ハードウェアアクセレータをなしにしてみる。
方法2 256色にしてみる。
方法3 常駐をはずす。

 私は、方法3で解決できました。私は常駐プログラムは原則として使わない主義ですが、Micro$oft Mouseに付属している「IntelliPoint」というマウス用ユーティリティをインストールしているのがよくなかったようです。CTRL+GRPF(ALT)+DELで確認すると「Point32」というモジュールが動作していましたが、これが原因でした。また、フリーソフトの「TClock」などを使っていてもこの問題が発生します。これは、IE4.0*の問題です。

10.「PCIセットアップユーティリティ」が実行できない 01/18

 「スタート」→「プログラム」→「PCIセットアップユーティリティ」→「PCIセットアップユーティリティ」を実行すると、無言の「!」警告ダイアログボックスが出て、実行できない不具合です。なお、上の9.の問題を解決していなければ、「Windowsを終了してPCIセットアップユーティリティを起動します」で、「OK」しようが「キャンセル」しようが、ハングアップします。でも、それを解決しても、ハングアップはしないものの、実行はできませんでした。これは、「PCIセットアップユーティリティ実行用FD」を作ってそこから起動したり、MS-DOSモードに移行して、そこからコマンドを打ち込んで実行させることはできます。IE4.0*に不具合か?

11.「PCIセットアップユーティリティ」が実行できない 続報 01/31

 この問題は、知らないうちに解決してしまいました。理由ははっきりとは分かりませんが、解決するまでにやったことといえば、Quick Time 2.1.2(32ビット版;これの代わりに3.0のβ日本語版をインストール)をアンインストールしたり、Netscape Communicator 4.04を上書きインストールしたことくらいです。一部のソフトとの相性問題と思われます。

12.NO SYSTEM? 10/19

 ハードディスクを交換したり、パーティションを変更したりして再起動すると、フロッピードライブにディスクが入っていないにも関わらず、「NO SYSTEM」などと表示されて、起動できないことがあります。これは、自動的に起動させるドライブを適切に選んでいないことが原因であったりします。こういうときは、TABキーを押しながらコンピュータを起動させ、適切なドライブから起動させてください。この情報は、TAKEIさんからいただきました。ありがとうございます。


4.Windows98のインストール 09/17

 Windows98をインストールする際には、2つの方法があります。既存のOS(Windows95など)に上書きする方法と、フォーマットしたハードディスクにインストールする方法(クリーンインストール)です。
 後者のほうが、きれいで問題の少ないシステムを構築することができます。私は、Windows98のアップグレード版ではなく、製品版の方を買い、クリーンインストールを行っています。クリーンインストールを行った後は、上にも述べたソフトウェアスイッチや、ネットワークドライバ、「98タイマー」などは、自分で組み込む必要があります。なお、これらの機能は、Windows98用にアップデートする必要がありますので、ここにあるモジュールを組み込んでください。組み込まなければならないのは、「ソフトウェアパワーOFF機能」「100BASE-TXインターフェースボード (PC-9821X-B06)」の2つです。

 なお、製品版Windows98付属のインストールディスクからは、SCSIのCD-ROMドライブ(NEC純正品を純正SCSIボードで使用する場合を除く)が認識できないので、標準装備のIDE CD-ROMドライブを付けておくのがいいと思います。


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