(1)一般書籍

 ここでは、書店で手に入る血液型性格判断の書籍を紹介します。


大村政男 1990 血液型と性格 福村出版 \1,900
 性格心理学的な立場から書かれた、比較的まじめな本。性格検査、体液心理学などとの関連を説明し、血液型と気質の関連を主張した戦前の教育学者・古川竹二について触れられています。去年あたり、新しい版が出ているようです(5/2/2000)

草野直樹 1995 「血液型性格判断」の虚実 安斎育郎(監修) 講座 超常現象を科学する2 かもがわ出版 \1,400
 大変分かりやすい本です。関心を持たれた方は、とりあえずこの本からお読みになることをオススメします。

佐藤達哉・渡辺芳之 1996 オール・ザット・血液型 血液型カルチャー・スクラップ・ブック コスモの本 \1,350
 血液型性格判断に反論する心理学者の発表媒体は論文が中心になります。一方、血液型性格判断を支持する「ポピュラー・サイコロジスト」側は、戦前の教育学者・古川竹二の「血液型気質相関説」の時と違って(このときは「心理学研究」に掲載)、学会で論争しようとしません。両者の発表媒体が違えば、いつまでたっても決着はつかないし、大多数の人は学術論文など読みませんから、「血液型性格判断」への反論があることさえ知りません。
 この本は、心理学者が心理学を専攻していない人でも分かるように、現在の「血液型ワンダーランド」を解説し、あくまで批判的な立場を守ったままで、「血液型カルチャー」を「気軽に遊ぶ本」です。「血液型と性格には関係がない、というのは夢がない」、とか「心理学者は、あんな本気で反論しちゃって大人げない」と言う方は、ぜひ一読をおすすめします。反論しても「血液型カルチャー」を楽しむことは可能です。これは、アカデミックに「血液型カルチャー」を楽しみたい大人のための本です。こんな本がたくさん出てくれば、「血液型」を巡る状況も変わってくるでしょう。

詫摩武俊・佐藤達哉(編) 1994 現代のエスプリ324号 血液型と性格 その史的展開と現在の問題点 至文堂 \1,200
 心理学分野の血液型性格判断にかんする研究がたくさん紹介されています。
論文が手に入りにくい環境の方も、この本なら書店で簡単に入手できますから、ぜひお読みください。心理学者の「生」の反論を読むことができます。

松田薫 1994 改訂第二版 「血液型と性格」の社会史 血液型人類学の起源と展開 河出書房新社 \4,500
 日本で血液型性格判断がどのように始まり、どのように広がったか、社会史として醒めた目で捉えているところが、おもしろい。特に巻末に「世界血液型頻度表」が付いていたりと、資料的に使える本です。

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