22/February/1997 Oxford放浪記

とりあえず…
 今日は街へ買い物へ、ということで、用件を終えて帰ってきたらまだ12時。現在うちは壁の修理中で、多分業者が入っているはずだ。ということで、車でどこかへ行くことにした。あてはない。ただ帰りにヤオハンによって買い物をしたい。また、あまり遠くへ行くだけの体力はない。どうしようかと、車の中で地図を広げていたときに、ふと2日前に、Park and Rideの話をしたことを思い出した。ここから近いのはOxford。1分で高速に乗れ、45分で到着できるだろう。即決である。車をM40,Oxford方面へ走らせた。
 夏の頃は、結構使ったこの道だが、最近はあまり使っていなかった。ただ、この前Marlowへ行ったときに、高速の工事中だったことを思い出した。「終わってるだろうか」。終わっていなかった。思い切り狭い仮本線を、制限速度70mile/h(113km/h)いっぱいに走る。そうしないと後ろの車に追いつかれる。これが結構怖い。日本の高速工事の方が、車線を大きく取るはずだ。何とか工事区間を抜け、丘の中を走り抜ける。このあたりは春先は菜の花が一面に咲いていてきれいなところだが、今は枯れ草しかない。何とも言えず寂しい光景である。

バスのオヤジども
 8番の出口を出ると、間もなくPark and Rideの駐車場に到着。結構混んでいたが、うまい感じに出る車がいたため、すぐに駐車できた。早速市内までのバス乗り場へ向かう。そこにはロンドンのバスと同じ型の前乗りの二階建てバスが停まっていた。塗装はライトグリーン。バスに乗り込み、運転手のオヤジに"To City Centre please."と言うと、"Return or Single?"と訊いてくる。「バスの往復券なんて珍しいな」と思いながらも、車が置いてあるのだから、当然そこに戻ってくるのは自明の理。なるほどと思い、"Return Please."と返答した。すると、そのオヤジが次に言った言葉は"1 or 2?" はぁ、どうゆう意味、それ。何をさして1とか2とか言っているのかわからない。うーん、どうやら後ろの客を連れと勘違いしているようだ。"1 return please!"と言うと、£1.10ということ。片道110円くらいなので、かなり安い。じきにバスは発車。市内へと向かう。
 さすがに町はきれいで、車窓には古い建物が流れていく。前の席には、父親とその子供(男の子)が座っている。男の子は横を見たり後ろを見たり落ち着かない様子。そのうち父親に注意されると、"Mama!"と泣きだし、最前列にいた母親と彼の弟の所へ逃げていった。父親に哀愁が漂う。どこの国でも男親の立場は狭いようだ。車窓にOxford University Shopなどが見えてくると、そこは市街地。右折をすると……歩行者がうようよいる車道の中をバスは走っていく。一応車道なのだが、まるで歩行者天国の中を走っているようである。その道の停留所で下車。土曜日なので人通りが非常に多い。

街歩き
 とりあえず繁華街を歩いてみることにした。歩行者天国がないためか、活気が少々少ないものの、それなりの街である。途中ショッピングセンターの中を歩いたが、ロンドン郊外のそれよりも寂しい感じである。ちょっと足を伸ばし、Westgate Shopping Centreに入る。活気はいまいち。ALLDER(デパート)にトイレを借りがてら入り、3階に食堂があることを発見。昼食を取ることにする。ビュフェ形式のありきたりの所だったが、ポイントは「サラダがある」ということ。脂っこい物は食べたくなかったので、サラダとスープとパンにする。まあ、及第点をつけられる味であった。
 外に出てまた歩いていると、Covered Marketなるものを発見。行ってみると、Leedsの時に見たような、建物の中のマーケットであった。ここは何とも言えない寂しさを感じるほど人が少なかったものの、大学グッズを売る店もあるなど、業種は多彩。マーケットフリークの私にはたまらない場所である。
 そういえば地図を持っていない。まあ、適当に歩こうと、歩を進めていくと、大学の構内へ。というか、この街は、大学と共生しているので、気が付くとキャンパス内に入っている。この辺りは建物にも趣があり、なかなかいい。けど、自分が今どこにいるかわからない。Information Centreはどこかと見ていると、標識を見つけた。イギリスは結構こういう標識が充実しているので、ウォーキング派の旅行は快適である。
 じきに、iのある所へ着いた。そこは、建物で囲まれた、大きな広場の所で、よく見るとアンティークの店がある。入ってみると、置物がずらり。置時計が結構いい趣味のもので£20前後で売られており、気になる。けど、手ぶらできていたので、重くなるから買わなかった。そしてiへ。地図やガイドブックを物色し、購入。けど今更買っても、既に歩いているので遅い。まあ、歩いて疲れたので、駅に向かい、バスに乗って帰ることにする。そこで歩いていて目に入った看板が、

蒙古焼
モンゴル風焼き肉ということで、日本語のメニューもあるようだ。こんなところでこういう店があるというのがおもしろい。また、駅の近くには中華のレストランや小売店もあり、結構アジア系の物も入っているようだ。これだけの街歩きで、今日は終了。また実体のない街歩きをしてしまった。まあ、予習をしてもう一度来よう。何と言っても1時間で行けますから。


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