WOK28/February/1998

 結局よくわからなかった食べ物、それがWOKである。今日は町中をふらふら電車に乗ったり歩いたりした。そのときに、中心部にあるデパート、"STOCKMANN"に行った・・・何回も行った。結局昼食をそこの地下にあるカフェテリアでとったのだが、そのときに食べたのが、このWOKなのだ。
 どういうものかというと、マッシュルーム、ズッキーニ、人参、牛肉(鶏肉もあった)を、そこの丸い鍋で炒め、火が通った辺りでソースを加える。そして最後に麺を入れて炒めるか、御飯の上にかけるかといった感じ。よぉく考えると、どう見ても「中華」なのだが、「中華」を表すような、フィンランド語表記がない。しかしながら、ここのカフェテリアの紙ナプキンには、一文字「笑」と記されている。やはり中華風なのか・・・?
 夜に、ホテルの地下にあるスーパー(ホテルの下はデパートになっていた)に買い出しに行ったところ、食肉コーナーに、WOK用のソースが売られていた。ちなみにここのスーパーには、アジア系調味料のコーナーが作られていた。それでも、食肉コーナーに並ぶこの調味料。実はフィンランドの名物なのだろうか。それなら私にとって、実になじみやすい食文化だ。


ヘルシンキの市内交通27/February/1998

 いやぁ、まさかFINNAIREnglish Breakfastが出るとは思わなかった。それもソーセージが「あの」歯ごたえのないまさしくイギリスソーセージ・・・。そんな驚きを隠せないうちに、私の乗った飛行機は、定刻より少々遅れ、Helsinki Vantaa空港に到着した。冬のヘルシンキ、わざわざ行く奴も少ないのだろうが、本当の厳しい「冬」(もう終わってるかもしれないが・・・)を探しに、北欧で唯一行ったことのなかった国、Suomi:フィンランドへと赴いたのだった。
 いつものようにCDで現地通貨をおろし(こういうときにCITIBANKが役に立つ)、一路市内へ向かうのだが、こういうとき、私はリムジンなど専用の交通機関を使わず、一般路線バスを使うようにしている。そのときに役に立つのが一日乗車券。ヘルシンキにも、他の北欧の都市同様、博物館や美術館、観光ツアーなどの無料・割引特典が付いている、「ヘルシンキカード」なる乗車券がある。ただ今回はいわゆる「ハコモノ」系には興味が全くなかったので、乗車券のみのTourist Ticket(Matkailijaliput)というものがあり、これだとHelsinki内で72時間で50FIM。都市圏であるHelsinki,Vantaa,Espoon全域の券で90FIMとお安くなっている。ちなみに1回の乗車(1時間以内なら、同方向の違うバス・市電・電車乗り継ぎ可)で、Helsinki市内で10FIM、市域を超えると15FMである。
 空港からだと、90FIMの奴を買えば、そのまま市内まで行ける。ということで、何とかチケットを購入するべく、Tourist Informationへと向かった。(以下の会話は、英語です。決してフィンランド語ではありません)

「すいません・・・Tourist Ticket買いたいんですけど、どこに行けば・・・」
Tourist Ticket???。ヘルシンキカードじゃぁなくって?」
「乗車券だけの奴なんですが・・・」
「・・・よくわからないけど・・・向こうのカウンターで聞いてみて。ここにはないから・・・。」

まぁ、交通局にでも行かなければとは思ってはいたのだが、そういうチケット自体よくわかってないようだ。仕方なく、Infoで聞いた別のカウンター(何だったかよく覚えていない)へと行った。

「すいません・・・Tourist Ticket買いたいんですけど、どこに行けば・・・」
Tourist Ticket???。上の階のKIOSKで聞いてみて。」

さっきよりつれなくなってしまった。仕方なくエスカレータで上に。黄色い看板のKIOSKを発見し、そこにいたおばさんに聞いてみた。

「すいません・・・Tourist Ticket買いたいんですけど・・・」
Tourist Ticket???。何それ?」
「下で聞いたら、KIOSKに行けって言われて・・・」
「・・・ここにはないから、地下に行ってそこから国内線ターミナルのインフォメーションに行ってみて。」

とうとうこのターミナルでは埒があかないようだ。仕方なく地下へ向かい、とぼとぼと国内線ターミナルへ。地下でつながっていると思いきや・・・なんと途中で「外に出ろ!」のサイン。凍てつく駐車場(屋根はある)を歩き、途中外に出て、寒風突き刺す中、何とか国内線ターミナルへ到着。そこには確かにインフォメーションがあった。

「すいません・・・Tourist Ticket買いたいんですけど、・・・」
「あぁ、それはここでは買えないよ。中央駅の交通局のオフィスに行かなきゃぁ」

早く言えぇぇぇぇ!結局行きはちゃんと15FIM買ってバスに乗らなければいけないようだ。
 結局国内線ターミナルの乗り場から、615番の路線バスに乗り、一路市内へ。40分くらいで中央駅に到着した。早速オフィスへと向かう。地下鉄への階段を下り(エスカレータがなぜか止まっていた)、スーパーの横を抜けると交通局のオフィスである。中は結構賑わっている。入口でバス・市電の路線図をもらい、番号札を取って待つ。順番は比較的早く回ってきた。

「すいません・・・Tourist Ticket買いたいんですけど(と、路線図に付いていた料金表を指さす)・・・」
「はいはい、何日分の奴?」
3日券がほしいんだけど(よかった、ここならちゃんとわかってもらえた)」
「はいはい。・・・ええとぉ、50FIMねっ」
「え゛゛。(指さしまでしたのに・・・)そうじゃぁなくて、Regionalの奴!」
「えぇぇ、あぁ、これね。・・・90FIMです」

長く辛い・・・というか、実に面倒な戦いが終わった。やっとのこと私は目的の切符を手に入れ、市電に乗ることができた。
 ちなみに、交通局のオフィスは、土日は休み。週末にヘルシンキに来て、Tourist Ticketを買おうとしても駄目だということ。もしかしたら、市内のKIOSKで買えるのかもしれないが、どこで買えるかという指示も、全く見受けられなかった(いろいろパンフレットを読んでみたが、どこにもなし)。前出のヘルシンキカードの方は、それ自体のパンフレットもあったし、ホテルでも売っているようだ。まぁヘルシンキカードの方が使いでがあるのだが、私のようなちょっと「癖のある」旅人が来た時に、せっかく設定してあるTourist Ticketが買えないというのも何だと思う。せめて、空港のTourist Informationでは、しっかりとした案内ができるようにしておいて欲しいと思った。


二重メニュー26/February/1998

 今日の昼も中華。まぁよくこれだけ中華を食べてきたものだと感心してしまう。でも美味しいし、ほかの料理より安いのだからしょうがない。今日は、いつもの店、通称「学食」へ行った。
 前から知ってはいるのだが、ここの店には茶色の表紙のメニューと、緑色の表紙のメニューと、2種類のメニューがある。前は両方持ってきたのだが、最近店員が変わってからは、茶色のメニューしか持ってこなくなってしまった。この2つには少々違いがある。

同じメニューなら値段は同じなので、問題はない。まぁ昼用夜用といったことなのかと考えていた。しかしながら、最近の状況を見ると、中国系の人には緑メニューを出しているのだが、我々には昼でも茶色メニューを出す。よく行っているので、観光客と思われているわけではないのだが、やはり「お金を持っている」とでも思われているのか?まぁ今は店員が変わったばっかりなのでしょうがないが、そのうち化けの皮がはげれば、緑メニューしか持ってこなくなると思う。
 ところで、我々の行く中華料理屋では、「中国語でしか書いていないメニュー」が存在する所がある。つまり「中国人(中国語のできる人)しかその内容を知り得ないし、発音もできないから、頼めない」ということ。これも歴とした二重メニューである。しかしながら、漢字の意味を把握できれば、我々日本人でも、そのメニューの内容はわかる。あとはメニューを指さして、"This one please."と言えば済むこと。それに得てしてここに載っているメニューは、他に比べて安いことが多い。中華で頼むなら、中国語メニューが「穴」である。

予告!
 ヨーロッパ旅行シリーズも終盤に入りました。明日休みを取って、土日にかけてフィンランドに行って来ます。ちなみに今回は、航空券・ホテルの手配全てインターネット上で行いました。だから航空券はアメリカ発券。ホテルもアメリカの業者を通じて予約。さてどうなることやら・・・次の更新は日曜夜になります。


卒業旅行花盛り25/February/1998

 引っ越しの手配をしに、昼食後三越へ行った。ここにはヤマト運輸の支店があり、受付をしてくれるので便利だ。店内に入るとき、ちょうど団体さんが着いたところであった。その団体は、どうも若い人たちが多い。普通の時期なら中年以上の夫婦や、おばさんたちが多いのに・・・。よく考えれば卒業旅行シーズンなのだ。
 卒業旅行・・・私は四国バイクツーリングだった。時間が空いたから、日本で行ったことのないところに行ってみる、そういった感じで出かけた。泊まりは全てカプセルホテル。高知では雨にたたられた。でも、自分自身で旅行を作り上げるという楽しみが大きく、実に思い出に残る、実りある旅行になった。
 最近は、気軽にディスカウントチケットを購入できるようになり、パッケージも安くなったので、気軽に海外旅行できるのだろう。本当にこの時期になると、日本人の若者、それも女性の2、3人組が多く見受けられるのだ。それにしてもあの時間から三越とは・・・観光バスによるツアーの終点がそこなのだろうが、私から見れば「ロンドンまで来て、若い者が何考えてるんだよ」といった感じだ。
 この前ドイツに行ったとき、バックパッカーの日本人女性にあった。「イギリスで何とかなったから、ドイツに来てみたけど、結構大変ですね」と、さわやかな笑顔で話していた。このような一人旅も増えている。でも、そうじゃないのも多い。無茶のできる若いうち、大いに無茶して、あてのない旅でもしてみようなんて考える人、増えていかないかなぁと考える。既成のパッケージツアーでロンドン・パリ・ローマ8日間の旅なんかでぐるぐる回って、「ヨーロッパは・・・」などとうんちくたれるような人は、私の性に合わない。2年住んだって、このロンドンすらさっぱりわからないのだから。


乗車拒否24/February/1998

 朝の忙しいひととき、いつものようにPaddington Post Officeへ向かう。15番か23番のバスが来ればいいのだが・・・そういうときに限ってバスはこない。来たバスは7番。「まぁしょうがない。途中で乗り換えるか・・・」と思ったのも束の間、バスには一斉に人が乗り込み、私が乗り込む前に、車掌が入口を塞いだ。乗車拒否だ。
 乗車拒否と言っても、別に意地悪でやっているわけではない。ロンドンバスには、定員の規制があり、2階は立ち席禁止。1階は旧型(後ろ乗り)は5名、新型(前乗り)は20名まで立ち席が許される。これを越えるような場合、車掌(新型の場合運転手)は、客の乗車を拒否する。「安全のため乗せてはいけない」ということだ。
 一昨年の地下鉄ストの際には、よくこういう光景を見た。バスは満席で乗せてもらえない。最初のうちは、間引き運転しているBakerloo Lineを使った。「何で地下鉄ストになると、普段バス利用の私が地下鉄を使うのか?」と、何か不思議だった。そのうち間引き運転もなくなり、地下鉄完全ストップ。そうなるとバスはなおさら混む。私は歩けるだけバス通りを歩き、ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜と行った先で、やっとバスに乗れたという状況だった。
 今日は久々の乗車拒否。どうも最近朝の時間帯のバスが少ないような気もする・・・というのは、バスに乗れなかった者のひがみか。でも本当に少ないような気もするのだが・・・。

今日のおまけ(買ったCD

SarahMcLachlan "Fumbling Towards Ecstasy"
 先週買って気に入った、Sarah McLachlanの昔のアルバム。はっきり言ってまだ何とも言えない状態。何かおとなしすぎるような気がして・・・けど、何度か聴いているうちに、しっくり行くのかもしれない。

Shakatak"THE COLLECTION"
 まさに「いいとこどり」のアルバム。日本では「美.G.M.」とも言われたShakatak Music。今更ながら聴いても、まぁ確かに古い音だけど、実にお洒落だと思います。"Day By Day"を久々に聴いたとき(ライヴでは、Al JarreauのパートもJillが歌っていた・・・ってわかる人いるだろうか?)、おもわず固まってしまいました。短いヴァージョンが多くて少々不満な点もあるのですが、総集編としてはなかなかいい構成でした。


契約継続法23/February/1998

 新聞(日系紙)の契約をストップしなければいけないのを、すっかり忘れていた。先方からの手紙にはこうある。「契約解除日の5日前までに意志表示がない場合、自動的に契約が継続します」
 日本なら、「はい」と言わない限り、契約は継続しないはずだ。回答がないということは、契約を継続しないということ。しかし、この国では、意志表示がないということは、了承したということになるのだ。日本で言う「沈黙は金なり」などということはない。黙っていると言うことは、相手の言いなりになるということなのだ。
 私も急いで購読中止願いを出した。それにしても、日系企業とは言え、やはり商慣行はその国にあわせる。たとえその消費者が日本人であってでもだ。油断してはいけない。ここは英国なのだ。


逆走するな!22/February/1998

 米がなくなってしまった。ということでSuper Maz(旧YAOHAN)へ。ロンドン最後の米は、「みのり」にすることにした。〆鯖が値上がり(1枚£1.99→£2.49)していたのが残念だった。
 いつも通りの軽めの買い物を済ませ、車に戻ろうとすると、予期せぬ方向から車が走ってきた。ここの駐車場は、場内一方通行で、路面にきちんと指示がしてある。しかしこれを守らない人がちょくちょく見受けられるのだ。それも、私の贔屓目を除外しても、非日本人が多いことは明らか。日本人買い物客の率が多いこの店で、こういう感じである。
 結局、「逆走すればすぐに停められる」ところの駐車スペースが空いたからやっているのだが、その行為自体、規則を守っていない以上に「危険」なのだ。ただでさえ、車の出し入れの動きを注意して運転しなければいけない駐車場内で、本来あり得ない対向車まで注意しなければいけないとは、たまったものではない。
 そういえば、昨日行ったASDAの駐車場でも同じようなことがあった。まぁ、南イタリアなどに行けば、一般の道路でも、どっちを走ってくるかわからないと言う話を聞いたことがある。ただ、一般に「運転者のマナーがいい」などと言われるこの国で(私はこの意見は完全なる嘘だと思うが・・・)、最低限のルールを守れない人も結構いるのだ、ということなのだ。これまでも何度も書いているが、この国の運転マナー、一般道の設計は、日本に比べ遙かに悪い。


人になれすぎた白鳥21/February/1998

 用があり、同僚のJohnny氏宅まで行った。昼にNew Maldenのいつもの韓国料理店に行ったら、顔を覚えられてしまったのか、モヤシナムルとキノコ(何というかわからない)をサービスされてしまった。都心に住んでいて、New Maldenの店によく出入りしている輩は、私くらいだろう。また、今日は韓国スーパーで、49pのたい焼きアイスを発見。韓国での値段は300wなので、とても安いとは言えないはずなのだが、ロンドンの一般商品から見ればかなり安く、実にお買い得だ。
 とまぁ、自分に餌を仕入れた後、夕方ASDA(スーパー)に買い物に行ったついでに、Richmond Parkの白鳥に餌をやりに行くことになった(私とJohnny氏が鳥を見ると、餌をあげるのが常となっている)。以前、ここの白鳥はTESCO(これもスーパー)のパンには見向きもしないという、グルメぶりを発揮した(事実である)。今日はASDAの角食パン。TESCOの28pに対し、ここのは33pと、少しはグレードが上がっている。
 パンをまくと、白鳥がのこのこやってきた、ほかの水鳥もあがってきた。前回は水辺で沼に向かってパンを投げたが、今回は陸地でやった。と、来る来る・・・そのうち我々は鳥たちに囲まれてしまった。白鳥は、パンをちぎって投げても、私の持っているパン本体の方をねらって首を伸ばす。そのうち私の靴までくわえようとしてきた。黙っていると、後ろから鳥が攻めてくる・・・その映像は恐ろしいものもある・・・。
 「人間は餌を持ってやってくる」という、刷り込みがあるのだろうか。人間を怖がらない。私はおもしろ半分に首を掴んだり、背中をなでたりしたが、それでも逃げなかった。やはり餌の威力なのだろうか。
 前年の冬に来たときは、もう少し人を怖がっていたような気がした。だから沼に餌を投げなければいけなかったような気もする。この渡り鳥たちは、次の居所で餌を得ることが出来るのか・・・まぁイギリスよりは美味しいものが来そうだが・・・心配だ。
 そういえば、こういう水鳥用の餌のおこぼれをもらうために、カラスが沼の近くに来ていた。でも、水鳥がいる時は、餌まで寄ってこない。縄張りがあるのか、序列があるのか、よくはわからない。


ダイアナ切手の収益金とは?20/February/1998

 昨年8月に事故死した、Princess of Walesの記念切手が発売されていることは、世界中で報道されているようなので、ご存じのことだろう。この切手の収益金は、Memorial Fundに寄付されるそうだが、ところで切手の収益金っていったい何だろう。
 考えてみれば、切手と便箋のセットも発売されているようで、そういったたぐいの物の利益を寄付に回すのだろう。しかしながらこの切手、一般のシートで、かなりの量が発売されている。うちの職場でも、First Classの切手(26p)として、大量にある。もちろん売値も1枚26p。「コレクターが買っても使わない分、収益となるのだろう」という考え方もあるが、どの切手を使ってどの切手を使わなかったかなんて、判断できるわけはない。なんだかんだ言って、切手は有価証券。年月が過ぎても額面通りの価値があるはずだ。持っている以上、いつ使われるかわからないので、「これが利益」と特定は出来ないはずだ。
 まぁそれはそれとして、この切手には、Princess of Walesの肖像が入っているほか、他の英国の切手同様、Queen Elizabeth IIの横顔も入っている。この取り合わせって、結構怖い。ましてや、この切手で日本に郵便物を出す場合、一緒にQueenの横顔だけの切手を貼ることも・・・すごい取り合わせだ。王室はどう思っているのだろうか。


11回英国宮城県人会19/February/1998

 今年も待ちに待ったこの日が来た。宮城県人会だ。去年初参加。今年は2回目、そして最後の参加となってしまった。場所は昨年と同じ店。去年は電車で行って失敗したので、今年はバスを利用。Seattle's Best Coffeeの近くなので、わかりやすい。
 店に着くと・・・私が一番乗りだったようだ。会費を払い、幹事をしていただいている、七十七銀行さんに御挨拶(本当に毎回ありがとうございます)。会員も続々集まり、英国流にとりあえずウェルカムドリンクを飲みながら、歓談。日本のように乾杯まで飲めないというのは、もう私は馴染めないかもしれない。
 会は、仙台時間で30分遅れで開始(ちなみに名古屋時間もそのくらいの遅れ。結局どこに行っても30分遅れは○○時間と言うということ)。歓談後、新規参加者の自己紹介。前にも書いたが、宮城県人会の場合、「とっぷり仙台!」といった感じではなく、日本でも宮城県内に住んでいるといった感じの人は少ない。みんな大学で県を離れたり、就職して県を離れたりと、故郷を離れ、その上ロンドンまで来たといった人が多いと思う。おまけに今回は、宮城県内で6ヶ月間英語を教えていたという、イギリス人の方も参加。日本が、そして宮城が大好きだと言うことだ。とにかくみなさん「宮城」に対する愛着は大きい。とても大きい。話をしていると、みなさんとてもおもしろい。私にとって、宮城県人会は、年一回の心地よい空間だ。略歴からわかるように、私の宮城県民歴は短い。名古屋市民歴より短い。そういった人でも宮城県人会は暖かく迎え入れてくれる。
 中締め(なぜか私がやらされてしまった・・・若輩ながら・・・)のあと、こういう話を会員の人とした。

「自分のクニって大事にしなければいけないですよね。英国人って、自分の出身地に誇りを持って、その個性を大事に残しているんですよね。日本でもそういったところを見習わなきゃ駄目なんじゃぁないかなぁ。まぁ仙台とか宮城とかでやるのは難しいんであれば、『東北』といったくくりで、その独自の個性を出していければなぁって思うんですよね」

同感である。私は根っからの「東北系」だと思う。東北が大好きだ。東北の中にもいろいろな文化があり、一つでくくるのは無理だとは思う。でも漠然とした「東北」という言葉の持つ感覚を、大事に活かしていきたいと思う。
 ということで、宮城県に3日以上滞在したことのある方、あなたには会員資格があります。興味のある方、私宛にメールください。連絡先をお知らせいたします。(※注:この文章は1998年2月に書かれたものです。筆者は既に日本に帰国しており、問い合わせにお答えすることはできません。)


SparklingWater18/February/1998

 松戸に住んでいた頃から、「水は買う物だ」という習慣がついている。当時は、冷蔵庫に必ずミネラルウォーターとウーロン茶のペットボトルが入っていた。今はウーロン茶という選択肢は難しいものとなっているが、別の選択肢ができた。それはStillか?Sparklingか?というものだ。
 ほかの言い方としては、Still"Non gas"、Sparklingは"With gas"というのがある。StillはEvianなどに代表される、いわゆる普通の水だ。それに対しSparklingは、Perrierなどに代表される、炭酸の入った水。ヨーロッパではポピュラーな飲み物である。日本にいたときには、ハイボールを作るために買ったことがあるくらいだった。しかし、今となっては結構お気に入りで、よく買っている。炭酸になれてしまうと、Stillより美味しく感じる。
 ただ、Sparklingを買うときには、早く飲みきらないと、炭酸が抜けて、最後の方は何か間抜けな味になってしまう。だから普通は、ちょっと値が張るが、330ml缶で買うようにしている。しかし今日は何となく1.5lペットボトルを買ってしまった。さぁどうやって飲みきろうか・・・。

今日のおまけ(買ったCD

SarahMcLachlan "Surfacing"
 今日の読売新聞で「日本で人気」と書いてあったのを見て、思わず買ってしまいました。何気なくパソコンにCDを入れてみると・・・いつもの自動演奏にはならず、ファイルが表示された・・・。そう、このCDにはそういう仕掛けがあったのですねぇ。おかげで今までのCDのダイジェストを聴くことが出来ました。
 感想は、以前の
Tina Arenaのような、猛烈な感激はなかったのですが、例えばAngelの静かな曲調など、私好みな音。ちょっと集めてみようかなぁなんて感じました・・・が、これってアメリカからの輸入品になるんで高いんだよなぁ。

MariaMcKee "LIFE IS SWEET"
 前出のSarah McLachlanのコーナーに行ったついでに、もう一枚、気になっていたMaria MckeeCDを買ってしまいました。何が気になっていたって・・・ジャケ写がかわいかったから・・・。しかしながら、そのかわいいジャケ写は、1989年のアルバムのもの。そこで、1996年のアルバムを買った次第。おまけに£9.99とお安くなっていたし・・・。
 内容は・・・はっきり言ってちょっと印象に薄い感じではあります。もう少し聴き込まないと駄目なのかなぁ。


煙草17/February/1998

 私は煙草を全く吸わない。はっきり言って嫌いである。いっそのことこの世からなくなってもらってもいいほどだ。今の職場は、事務所内完全禁煙・・・というか、建物内が禁煙であるので、実に嬉しい限りである。
 この国では煙草の値段が高い。税金によるものだが、1箱3ポンドを越える。これを考えると、「よくまぁこんな金を出して吸うもんだ」とも思う。じゃぁ煙草を吸う人が少ないのか?、そんなことはない。おまけにはっきり言って喫煙者のマナーも悪い。
 路上で吸っている人は、日本でも同じような問題があるように、道ばたに吸い殻を捨てている。駅ではホームに灰皿がないためか、線路上に捨てる人も多い。また、多少込み合っていても、平気で吸っている人も結構いる。吸うのはかまわないが、他の人の迷惑にならないようにしてほしい。
 あと気づいたのが、見た目の上だが、女性の喫煙率が日本より高いと言うこと。ただあくまでこれは見た目。日本では女性があまり人前で煙草を吸う姿を見ないだけのことかもしれない。この国の方が自由度が高いと言うことか・・・。


Wiesbaden16/February/1998

 最終日、ミュンヘンから列車を乗り継ぎ、フランクフルトの近くの温泉町、ウィスバーデンへ行って来た。目的は温泉にはいること。ちゃんと海水パンツも持ってきていた。今日は13時からの混浴の日。12時半に駅に着き、歩いて温泉へ。ちょうど始まった頃に到着した。
 入口で説明を受ける。

「タオルは持ってきてますか?」
「(しまった、忘れた!)いいえ」
「じゃぁタオル料金が6DM、入場料が20DMです」
「はい」
「で、温泉内は基本的に未着衣でお願いします」
「(えぇぇ?)はい」

これじゃぁまるで日本の温泉だ。ヨーロッパでは水着を着て温泉にはいると聞いていたが、今回はびっくりである。まぁどうでもいい。早速温泉にはいることにした。
 中は、大きな冷水のプール、小さめな浴槽、ミストサウナ、サウナ、休憩コーナー(デッキチェア)、有料休憩スペース(カーテン仕切付ベッド)など盛りだくさん。浴槽が小さいのは少々不満であったが、一応日本式に温泉に浸かることができる。客層は、平日と言うこともあってか、湯治といった感じの老人がほとんどであった。結局我々も規定の3時間ビッチリ利用して、ゆっくりと温泉気分を味わうことができた。
 フランクフルトに泊まる機会があるなら、ちょっと足を延ばして、この温泉町に泊まるのもいいかもしれない。しかいこの共同浴場ともいえる施設は、夏と冬で営業時間が変わる上に、日によって男、女、混浴と変わるので、利用したい場合は、事前に確認しておく必要がある。
 温泉の後は、スーパーで買いだし。ソーセージ、マヨネーズ、マスタード。イギリスの住人から見れば、大陸のスーパーは、食材の宝庫である。


Löwenbräu15/February/1998

 ミュンヘンといったら、レーベンブロイだ。私のお気に入りのビール。日曜とはいえ工場見学くらいやっているだろうということで、とりあえず住所を頼りに行って来た。
 中央駅から、地下鉄で一駅(実際は反対から行ったのだが・・・)、レーベンブロイの工場はあった。角にはビアホール。しかし、どうも工場への入口がない。歩けど歩けど入口はない。一周したが、見学者用の入口などない。どうやら工場見学など、一般向けにはやってないようなのだ(真偽のほどは定かではないが・・・)。「やっぱり右に競馬場が見えないと駄目ですよね」などと、使い古されたギャグをかましながら、結局ビアホールで出来立てのビールを堪能することにした。
 何気なく頼んだビール、それはなんと「黒」だった。あれ?と思いながら、よくよくドイツ語を見ると、「黒」という意味の単語だそうだ(同行者談。私はドイツ語はからっきしだめです)。まぁしょうがない、でもGuinessみたいな味だったら、ドイツで飲む意味はないよなぁとか思いながら一口・・・うまい、スカッとした味で、イギリスのスタウトとは大違いだ。とにかくうまいのだ。
 後で店を探したが、売られていない。飲食店用の限定品なのか?わからない。でも美味しいものは美味しい。やはりところ変わればビールも変わる。なぜにこんなにイギリスとソーセージとビールの質が違うのか?考えてしまった一日だった。


InterCity Night14/February/1998

 今日はベルリン市内を歩き回った。とはえい、ベルリン自体かなり大きな街なので、全部とは行かない。ある程度絞って街を回り、夕食。これがまた美味しい(しつこい・・・だっておいしいんだから・・・)。しかしながら、今日のメインはそれだけではない。「走るホテル」とも言われる"Inter City Night"に乗ることもだ。始発駅であるBerlin Charlottenberg駅に夜10時入線、10時半発で、翌朝7時14分に、München Ost駅に着くというこの列車、到着後も2時間は寝台が使える。いったいどんな感じなのだろうか。
 中心駅であるZoo駅周辺が、フットボールの試合があった関係か、人手が多い上に、警官もたくさん配備され、物々しい雰囲気であったため、10時より早めに始発駅に着き、ホームでぼーっとしていた。入線時間になった。しかし列車はこない。反対ホームには、10分前にZoo駅を出る、チューリッヒ行きのEuro Nightがなぜか止まっている。何かおかしい。と、我々と同じように待っていたドイツ人のおじさんが、英語は話せるかと聞いてくる。おじさんが言うには、「DB(Deuches Bahn:ドイツ鉄道)のどこかで故障か何かがあって、いつICNが入線するかわからない。ただ、ドイツ語でしかアナウンスが入ってなかったものだから・・・」とのこと。おじさん、ありがとう。もし教えてくれなかったら、何があったか状況すら判断できなかった。
 それにしてもいつくるかわからないとは・・・どうすればよいのやら、と思っていたら、若い日本人女性バックパッカーが話しかけてきた。

「ケルン行きのICNどこですかねぇ?」
「たぶん向こうのホームだと思うけど、何かダイヤが乱れているようで・・・」
「え゛」
「って、おじさんに教えてもらったんだけど・・・」
「そうなんですかぁ」
「まぁ、そのうち出るとは思うんだけど・・・」

まぁそんな感じで、なんだかんだと言ったところでどうしようもないので、とりあえず待つことにした。まぁ、他の人がどのように動くかを見れば何とかなるだろう。
 発車予定時刻をすぎた。と、何かアナウンスが入り、人が動き出した。しかしアナウンスはドイツ語だからわからない。どうしようかと思っているとさっきのおじさんが来て、「地下道使って乗り換えろ」とのこと。待てよ、Subwayと言ったから、地下道だと理解したけど、もし彼が米語のつもりで言ったなら、U-Bahn(地下鉄)ということにもなるな?・・・まっ、着いていくかということで、階段を下り地下道へ。と、みんなS-Bahn(近郊列車)のホームへと行く。えっ、S-Bahnの線路で運転?それともどこかで乗り換え?。結局みんなポツダム行きのS-Bahnに乗り込んだ。我々も乗車。謎は解けた。どうやら、ICNの最初の停車駅(ベルリン市内)に行けと言うことなのだ。途中、なぜか乗った電車が運転打ち切りになり、向かいのホームの電車に乗り換え、やっとこさ目的駅に到着。駅員の誘導もなく、ほかの客について、ホームへと向かった。さっきのおじさん曰く、「よくあること」だそうだ。
 まぁそんなこんなあったICNなのだが、中は豪華である。今回は1等のGermanRail Passを持っていたので、個室寝台を150DM(約10,000円)で取ることができたのだが、なんとこの個室、トイレとシャワーも各室毎に着いている。部屋にはいると、エビアンの瓶1本と、ウェルカムフルーツの籠が・・・これじゃぁ高級ホテル。とにかくすごい。その上なんと、朝食付なのだ。
 その日はシャワーを浴びてぐっすりと寝た。実に快適である。そして朝、電話の音で起きた。終点への到着予定時刻だ。しかし列車は走っている。どうやら遅れたらしい。身支度をし、食堂車へ向かう。前夜に車掌に預けていた切符を受け取り、朝食バフェへ。安ホテルの朝食よりはいい内容だ。皿を持って席に着くと、車窓には朝靄の風景が広がる。これぞ汽車旅の醍醐味だと思う。車窓とクロワッサンのうまさに感激しながら、朝食を終えた。ちなみに同行者は寝坊をして、終点に着いてから食事をしていた。
 ちなみにこの列車には、座席車も、オープン型の寝台車も着いている。それにしても個室は狭いなりにも豪華である。利用率は高かったようだが、採算がとれるのか心配である。何とか成り立っていけるのは、やはり時間帯の良さなのかもしれない。日本でもこういったサービスを望むのは難しいだろうが、「あったらいいなぁ」といった漠然とした希望ならある。


ドイツはおいしい13/February/1998

 ドイツに駐在している人がよく、「ドイツの飯はまずい」というが、それはイギリスに住む我々から見れば、非常に贅沢な発言だと思う。安いものがおいしい!、これがドイツの印象である。
 今日は7時発と、朝早いフライトであったため、機内では熟睡。結局機内食を食べ損ねた。しょうがないので、フランクフルト空港から、フランクフルト中央駅まで行き、駅の中のスタンドで、何か食べることした。フランクフルトは初めてだが、今まで行ったドイツの駅の感じからして、何もないわけはない。
 案の定駅の中にはソーセージやパンのスタンドがある。私は定番のソーセージを頼んだ。イギリスのソーセージを知っている人ならわかるだろうが、イギリスでは歯ごたえのない、形容できないような味のソーセージが主流である。外食でパリッとしたソーセージなどとは出会えない。ところがドイツに来れば、そういったものが当たり前のように手にはいるのだ。それがパン付きで3.50DM(約250円)とは・・・イギリスでは夢のような食生活だ。
 同行者も納得。大陸に行くと食生活が豊かになるという結論に達した。とにかくドイツはおいしい
 ちなみに今日は、InterCity Expressで、フランクフルトからベルリンに入り泊。ベルリンの飯屋も美味しかった。


気が早いこと・・・12/February/1998

 最近少しは暖かくなってきた。東北人の私にとっては、十分な気温である。出勤時はまだコートを着て歩いている人がほとんどだが、私は最近コートは着ていない。必要がないのだ。まぁそれでも気が早いと言うことなのだろうが・・・。
 さて、今朝職場に向かって、Trafalger Squareの辺りを歩いていた。南アフリカ大使館の前から、Dillonsの前を抜け、交差点で信号待ちをしていると、前を見てびっくり。半袖のTシャツ姿のおねえさんが、立っていたのだ。確かに少し暖かくなったが、それはちょっと・・・。しかしながら、別に気にすることはない。
 こんな格好していたら、日本では数奇な目で見られることだろう。しかしここはロンドン、他人は他人である。別に驚いて見ている感じではない。無関心と言うことではない。みんな自分の考えを持って、赴くままに生きている。それがたまに、他人の迷惑になることもしばしばで、そういうときは腹が立つのだが、そうでなければ、基本的にこういう生き方の方が好きだ。真冬に半袖で薄着になろうが、真夏にコート着て歩こうが、それは個人の選択。自由にさせておけばいいことなのだ。

さてっ!昨日も書きましたが、明日からドイツ列車の旅!。私の土日は旅行で消える・・・。次の更新は来週月曜日になります。


ビールの値段11/February/1998

 仕事の後、パブへ行った。ここのパブは、レーベンブロイがあるから大好きだ。遅かったこともあり、1杯だけということで、私がまとめて注文にいった。すると・・・なんとレーベンブロイのサーバーだけが壊れているようで、今日は駄目だという。「けっ!」怒りながらも、同行者の意向を聞くと、やはりレーベンブロイがいいという。むろん私もそうだ。ということで、瓶入りのPilsを注文した。
 パブでのビールのお値段、1pt(568ml)で市内で£2.20、うちの辺りだと£2.00である。ところが、瓶で買うと、だいたい1/2ptで、£2.00はする。サーバーから注がれるビールは、まぁ樽かなんかで大ロットで買っているものだから、少しはお安くなるのはわかるような気もするのだが、それにしてもこの価格差は大きい。瓶ビールも、なかなか味があってよいのだが、価格が倍となると、やはりパイントで買った方が安くあがる。
 どっちが得か?まぁそれは何を求めているかによって違うとは思う。まぁそれはいいとして、今週末はドイツに旅行である。ミュンヘンで本場のレーベンブロイを飲みながら、ソーセージを食べるのが楽しみである。ちなみにイギリスで同じようなことをしようものなら、「あの」ビールに「あの」ソーセージ。身の毛もよだつ。


LesMiserable10/February/1998

 こうなることはわかっていた。しかしながら、あれだけ展開の早いミュージカルだと、事前にあらすじを理解しておかないと、さっぱりわからない・・・。今日はなぜかLes Miserableを見に行ってきた。ミュージカルなど全く興味がない私が行ったのは、職場のメンバーと見に行く機会があり、チケットを取ってくれるということだったからだ。まぁそれにしてもきちんと筋くらい理解しておくんだった。BuddyとかBeauty and the Beastみたいに単純じゃぁないんだから・・・。
 ということで、今回もよくわからない人が見た、ひねくれた感想を。今回の収穫は、

  1. 木琴の音は、コミカルだ
  2. アコースティックギターの音はもの悲しい
  3. 回転する舞台は、その装置効果が高い
  4. 必ず笑いを取る役が出てくるもんだ
  5. 劇場は、入口は狭いが、どこからでも出ることができるよう、効率的に設計されている

 まず12だが、オーケストラの演奏で、これらの楽器が出てくるのが嬉しかったのだが、それにしてもギターは悲しい音だ。ギターと言えば、チリアーノの「私だけの十字架(特捜最前線エンディングテーマ)」でも実証されている(ちょっと大げさだが)。木琴は聴けば聴くほど、那智黒(紀州の黒飴)のCMを思い出してしまった。
 3だが、Palace Teathreは、舞台の奥行きがあり、そこが回転する。歩くシーンや、門の内外でのシーンなどでは、その効果を発揮していた。
 4は、今回は酒場の夫婦。娘(?)をジャンバルジャンに売ってしまった奴ら。最後には銀の食器を盗もうとしていた。ちなみに夫婦以外に、酒場で何かと殴られる若いあんちゃんが結構好きだった。
 5については、いつも感心するが、気がつくとすぐ外に出ることができる構造になっている。出口での混乱がない。フットボールスタジアムでもそうだったし、こういうことに関しては、英国流は見習うべきだと思う。
 と、今回も結局よくわからなかった。まぁ、興味がなければ、話題作でも見てもこんなものなのかもしれない。


迂回指示9/February/1998

 昼休みに、コーヒー豆を買いに行った。店は、St. Paul近くにあるSeattle's Best Coffee。イギリス系の店では満足できなくなった私の最後の選択である。その際、バスに乗っていったのだが、Aldwichの先で大渋滞。何かと思えば、道路一車線を塞いでの工事が行われ、片側交互通行になっていたからだ。
 いつもいつも思うが、こういう時にこの国では事前の迂回指示をしない。もししてあれば、渋滞も少しは緩和されるのにと思うのだが、絶対にしない。直前になって工事の看板が出ても、既に横道には入れない状況ということが多い。別にその道を通らなくてもという車も多いと思うし、もし指示が出れば、そういった車は迂回指示に従って走るはずだ。私も自分の車で、直前に出た迂回指示や工事表示などで、泣かされたことが多い。「もし知っていれば、こんな道通らないのに・・・」。いい加減この程度のことはやってもらいたいものだ。
 駐車違反の摘発をあれだけの人員を使って行う予算があるなら、適切な交通規制を行う必要があると思う。この国の道路政策は、私の満足行くものではない。


道路番号8/February/1998

 ロンドン周辺の道路番号には、一定の法則性がある。これはたまたま日本から遊びに来ていた私の知人が気付いたものである。
 英国の主要道には、アルファベット1文字に数字が続く形で、道路番号がついている。高速道路であるMotorwayにはM、A級道路にはA、B級道路にはBとついている。Mはかなりの高規格道路となるが、AとBでは、確かにAの方がいい道である場合が多いのだが、たまにA、Bの区別のつかないような道もある。
 数字なのだが、ロンドンから放射状に出ている高速道の番号を見てみると、M1、M2M3、M4M10、M11M20、M23M40。これだけ見てもわからない。それでは分類してみると、M1、M10M11は北、北東、M2、M20M23は南東、M3は南西、M4,M40は、西、北西。このように、4方向に大別して、頭の1桁目でそれを表しているのだ。そしてA、Bの方まで見ていくと、例えばA4という道路がある。同じ区分に入る道路にA41というものがある。そのA41の沿線には、A411がある。つまり、頭が方向を表し、1桁及び2桁の道路が、まぁ基幹道と考えられるところ。3桁4桁は、その基幹道に関わる道路で、例で言えば、4、41411と、数字が後ろに伸びていく。まぁ、道路は必ずしもロンドンから放射状にはなっていないので、若干法則に当てはまりがたい道もあるが、基本的にはこうなっているようだ。
 これが頭に入っていると、道路番号だけで、大体どの辺りを走る道なのかがわかる。まぁ、あくまで大体なので、それほどの意味をなさないとは思うが、道に迷ったときなど、こういうことを知っていると助かるかも知れない。


オリンピック開幕7/February/1998

 長野オリンピックが開幕した・・・というか、開幕したようだ。ここにいると、実感は全くない。ただ、Eurosportで様々な種目の中継をやっているので、今、それを見ながらこのページを打っている。中継しているのは、アイスホッケの日本対ドイツ戦である。
 アトランタオリンピックの時は、まだケーブルテレビに加入していなかったので、BBCの中継を見ていた。そうすると、自ずと中継するのは英国の強い種目。日本が出てきたのはほとんどなかった。ハンドボールやホッケーのテレビ中継を見たのはあのときが最初で最後だろう。
 今見ているのは、ヨーロッパ中で多言語でスポーツ放送をしている衛星放送局だ。それだけに英国以外の試合もやる。きょうはたまたま相手が日本。日本にいれば普通な番組構成だが、ここで見れたのは奇跡であると思う。
 ところで実況は当然英語。慣れたとはいえ、日本戦なのに不思議な感じだ。放送では、会場内から日本語が聞こえてくる。メディアから日本語が出てくるのはめずらしい。ただ、今BBCでも日本を特集した番組を連日放送しているようで、これで英国人も「日本」により興味を持ってくれることを期待したい。
 ところで試合は・・・3-1でドイツの勝ち。まぁそんなもんだ。次に始まった放送はフランス対ベラルス・・・。やはりヨーロッパの放送局だ。


いい加減6/February/1998

 今回の出張先はスペインだ。今日は朝9時からアポイントがあった。こっちは時間通り出かけていった。しかし・・・結局先方が30分遅れた。アバウトなお国柄なのは知っているが、いきなり朝からやられたと言った感じだ。
 はっきり言って私は南欧は嫌いだ。北欧が大好きである。だからこういうことがあると余計に過剰反応してしまうのだが、どうも南の方は信用できない。私が北欧が好きな理由は、

  1. 安全(これにつきる)
  2. 信用できる(いい加減ではない)
  3. 伝統は守るがそれだけで生きているわけではない

ということ。これを裏返すと、私が南欧が好きではない理由となる。

  1. 危険度120%
  2. いい加減で信用ができない
  3. 過去の伝統・文化・栄光だけで生きている感じが、北欧と比較して強く感じる

ということ。どれを取っても私の性格には合わない。
 まぁ仕事だからしょうがないのだが、多分観光では一生行くことはないような、そんな感じがした。(わかってはいるとは思いますが、あくまでこれは私の独断と偏見です。「そんなことはない」とか言われても、私の性格が起因していることですし、何度か出かけてこういう判断になりましたので、この文章に対する苦情は送らないで下さい。とにかく嫌いなんですから・・・あぁ、ストックホルムに行きたい・・・)


免税は高い?5/February/1998

 朝7時半の飛行機で出張。Fast Trainができたので、Heathrowまで行くのは楽にはなったが、しかしながら5時起きをしなければいけないのは辛い。でも、いつ来るかわからない地下鉄の電車を待つよりは楽である。
 さて、そんなこんなで空港に着き、同行者と一緒に搭乗を待つ間、免税店に行ったのだが、思うにここの免税品は、他より高いのではと思うことが多い。
 Scotich Whiskeyなど、他の空港で買った方が安いこともある。どう考えたって英国製。おまけに税金関係ないのに何故??元々の市価が高いのかどうかわからないが、どうも腑に落ちない。
 おまけに、市中と同じ商品が、市中価格より高いこともしばしば。これは食品にVAT(Value Add Tax 17.5%の消費税)がかからないので、免税のメリットが無く、そのうえ免税店として入っている店はたいてい高級店なので、市中のスーパーより価格設定が高いと言うこともある。
 免税店は確かに便利。Heathrowのそれは規模(というか、入店数)も大きく実にいい。でもそれが絶対安いとは限らない。結局私が買ったのは、市中価格より絶対に安いことがわかっているフィルムと電池。でも日本に比べればベラボーに高いのは言うまでもない。


ガムテープ4/February/1998

 どういう訳か知らないが、この国のガムテープの質は悪い。うちの職場にあるのも、ビニール製の薄っぺらい弱い奴と、紙製のノリ面を濡らさないと粘着しないものしかなく、日本のような強度の強いやつなど皆無。それこそ布テープなんてあまりお目にかからない。
 学生時代に運送会社でバイトしていた身としては、こういったものの質が悪いのはどうも気に入らない。それこそこれからの引越荷物の詰め込み作業の時など、過酷な空輸に耐え得るように梱包するのは、いまの資材では難しいと思う。どうもこういった類のものは、ここでは質が悪い上に高いといいことがない。日本製品の品質の良さ、安さが懐かしい。

明日から出張で家を空けます。5時起きはつらい!。次の更新は土曜日になります。


鳩おどし3/February/1998

 職場のプリンタが壊れた。紙の巻き込みが悪いようで、1/2位の確率で、紙がくしゃくしゃになって出てくる。修理に出すことになり、前に使っていたインクジェットプリンタの出番となったのだが、何とインクが切れており、OA担当の私が、近くの電気屋までカートリッジを買いに行くことになった。外は寒さの山を越えたようで、確かに寒いものの、一時のような刺すような寒さではない。
 カートリッジが見つかり、買って帰る途中、Charing Cross駅を過ぎ、Trafalger Squareにさしかかった辺りで、急に

ドン!

という大きな音がした。一瞬「テロか?」と思った。しかし周りは平静を保っている。そう、これはTrafalger Squareの鳩を散らすための空砲だったのだ。
 Trafalgerといえば、何百羽もの鳩で有名。ネルソン提督も、ライオンも、フンまみれになるほど、鳩がいる。夜になると消えるようだが、昼間は辺り一面鳩だらけ。鳥嫌いの人なら、気絶するほどである。その鳩を散らすために、たまに空砲をならしている。今日もやっていたようなのだが、どうも鳩の逃げが鈍い。もう空砲の音になれてしまったのだろうか。しかしながら、だからといってあの音はないだろう。IRA騒ぎが多かった頃なら、あの音を聞いただけで、「まずいっ!逃げろ!」という気になっていただろう。
 そういえば、一昨年Trafalgerの鳩が一斉にいなくなったことがあった。「ギリシャ料理屋が持っていった」など、いろいろな噂が立ったが、真相ははっきりとしていない。全くいなくなるのもなんだが、居すぎるのも困る。名物の鳩を生かさぬよう殺さぬよう、「ドン」以外の戦術が必要だと思う。


BENSON& HEDGE MASTERS2/February/1998

 今夜はBENSON & HEDGEMASTERSを見てきた。それって何?、Snookerの選手権である。Snookerとは・・・snookという英語は、親指を鼻にあて、他の4本の指を開いて見せる、軽蔑の動作のこと。snookerとは人をだます、負かすと言った意味。そのほかに、玉突きのスヌーカーという意味がある。玉突きのスヌーカーについてよくわからない人は、日本語でスヌーカーの解説をしてある、Moggyさんのホームページを参照のこと。実に詳しく解説してある。
 さて、今回の選手権は、名前の通りBENSON & HEDGEというタバコメーカーがスポンサーをしているもの。場所は何とWembly Conference Centreである。ここはZone 4にあり、結構遠い。Johnny氏と職場を出たのが18時40分。Bakerloo LineからMetropolitan Lineへと乗り継ぎ、19時15分にはWembly Park駅に到着。そこから一路寂しい道を歩く歩く歩く・・・。「本当にこっちかぁ」と心配になりながら、歩いていくと、黄色い看板。ここである。Ticket Officeで、前に電話で予約していたチケットを受け取る。今日は全席£7である。中にはいると、あと5分で開始とのこと。試合が始まれば、1フレームが終わるまで出入りできない。我々はさっさと中へ入った。
 席から台がよく見える。それほど大きくない会場なので、どの席でも、それなりに観戦できるようだ。時間になり、選手の紹介。今日はKen Doherty VS Tony Dragoである。テレビでしかお目にかかったことのない選手が、目の前に出てきた。結構感激である。
 程なく試合開始。6フレーム先取の11フレームの試合である。それにしてもプロの技は違う。特にKen Dohertyが、赤玉をバウンドさせ、「とりあえず当てて、相手が打ちにくいところに出したか・・・」とみんなに思わせ、アナウンスさえ、"Ken Doherty......."と、彼のラウンドが終わったかのように言っていた(点数が入ったときに、そのラウンドでの累積点数を言うのだが、ラウンドが終わるときは、選手の名前と、そのラウンドでの総累積点数を言う)のに、赤玉が吸い込まれるように穴に入っていったときは、会場内は拍手と声援の嵐になった。やはりプロは違う(当たり前か・・・)。
 試合は、44のタイから、Ken Dohertyが1フレーム取り、リーチがかかった。第10フレームもKenが好調で、Tonyに点差を付けていた。赤玉を全て落とし、あと3玉というところで、25点の差があった。ここでTonyにラウンドが回ってきた。ルールがわかる人なら、残りは青玉の5点、桃玉の6点、黒玉の7点で、玉を全て落としても18点にしかならないことがわかるだろう。しかし、それでもTonyは試合を続けた。勝てる方法があるのか・・・あるのだ。相手のファールやミスショットを誘うのだ。相手のミスは、自分の得点になるのだ。Tonyは実に難しいところに白玉を寄せ、Kenのファールを引き出すことに成功。しかしそれも1回だけで、それからは緊迫したラウンドが続いた。Tonyはミスを誘い出すように、打ちにくいところに白玉を流す。Kenは落とそうとはするが、なかなか上手く行かない。そのうちTonyが青玉を落としてしまった。残る玉は2つ。ミスショットも出にくい。そしてついに、Kenが桃玉を落とした。Kenの勝利である。これぞSnookerをいう言葉を的確に表すような試合運びだったのだろう。
 「相手を負かそうとする」「相手を陥れようとする」といったこのスポーツのルール、いかにもイギリス人が好きそうな気がする。しかしながら、日本人もこういった感じの戦略的なゲームが好きなのかもしれないと思う。イギリスに行って機会があったら、テレビでスヌーカーを見よう!。ルールがわからなくても、結構楽しめる。わかってくると尚更楽しい。また、今日のようにライヴで見ると、それ以上に楽しい。ちなみに水曜の夜は、Stephen Hendry MBEが出る模様。水曜のチケットは£9也。行きたい人は、0181-900-1234に電話すべし。


やられたっ1/February/1998

 キプロスでの最終日、まずはレース(と言ってもオートレースとかのレースじゃぁなくて、布地のレース)で有名なレフからという町に行った。そこは多くのレースの店があるようなのだが、日曜の朝ということで、店が開いているか少々心配であった。駐車場に車を入れ、中心部に向かうと、店先にはレースがはためいている。開いていた。
 ゆっくりと歩きながら店先の商品を見ていると、どの店の前でも中からおばさんが出てきて、声を掛けてくる。どうやら、我々は客が少ないこの時期のいい「カモ」なのかもしれない。まぁ、お金もないので、相手にせずてくてくと歩いていった。
、町の中程で、標識を見つけ、「教会にでも行こうか」などと言っていると、一人のおばさんが話しかけてきた。

「日本からですか?何時間かかるんですか?」
「いやぁ、我々ロンドンからですから・・・日本からだと直行便がないから・・・」
「そうそう、このレースの実演やってるから見ていかない!」
「いやぁ・・・あのぉ・・・」
「ほら、入った入った!」

やられた。業者の口車に乗ってしまった。しかしまぁレースの敷物でも買っていこうと思ってはいたのでいい機会。一枚買ったら何も言わないだろうし、他の店でも買わないいいわけができると勝手に解釈し、同行者と一緒に中に入ることにした。
 中では、他のおばさんが商品説明をした。おばさんはここのレースの特徴を蕩々と話し、表示価格から割り引きすることを言った。それにしても我々、現金をあまり持っていなかった。3人合わせても40(=¥4,500)も持っていなかった。また、あまり出費もしたくなかったので、小さいものを買おうとしたのだが、このおばさんがまた「小さい奴だと、ものを乗せたときに模様が見えなくなるから・・・」とか言って、大きいものを買わせようとする。しかしながら我々はそれを遮り、小さめの敷物を購入した。お陰で財布はスッカラカンである。
 まぁいいかということで、とりあえず店を出、他の店のショーウィンドーを見ていた。そこには大きめのレースが飾ってあった。模様が小さめな分、大きさの割に割安な感じだ。と、さっき話しかけてきたおばさんがまたきた。「この模様の説明しようか?」我々はもう既にその店でものを買っているし、お金もないことだし・・・ということで、冷やかしにまた入ることにした。今度はそのおばさんが説明をしてくれた。大きなレースを出し、いろいろと言っている。そのうち、妙なことを口走り始めた。「全部買ってくれてありがとう」・・・はっ?どうもおかしい。そして、レースを畳むと、包装紙を取りに行くではないか。おい、俺たち一度も「買う」とは言ってないぞ!。

「ちょっと待て!買うとは言ってないよ」
「えっ何?」
「大体にしてお金持ってないから」
「そんなことないでしょう」
「みんな合わせても1〜2ポンド位しかないよ」

そこまで言って、私と同行者一人は出てきた。もう一人の同行者は、中に取り残されて何か言っている。程なく外に出てきた。聞いてみると、こういう会話になったそうだ。

「クレジットカードくらい持ってるでしょ?」
「いいえ、持ってません(これは嘘)」
「じゃぁ、・・・正直なところいくら持ってるの?」
「ええとぉ・・・ゼロ(これは本当)」

この瞬間、おばさんは外に出て、他の客をさがし始めたそうだ。日本人だからって金持っているとは限らないのだ。それにしても田舎町だからって甘く見ていたが、やはり観光地はこういった感じで必要以上にものを買わせる、カモ狙いの商店があるもんだ。
 やられたっ!と言えば、空港にはやられてしまった。結構小さい空港だったので、出国手続きをしてしまったら何もないだろうと、空港2階の食堂でちんたらとしていたのだが、いざ中に入ってみると、結構綺麗なカフェと、かなり大きな免税店があったのだ。時既に遅し、既に搭乗のお時間、何も買えず飛行機に乗ることに・・・。これはダブリン以来の大失態。小さい空港だからと言って甘く見てはいけない。
 こう悪いこと(それほど悪くはないが)があると、先行きが不安になるが、飛行機は難なくHeathrowに到着。帰りのFast Trainは、故障か何かでHeathrow Junctionまで電車が来れないようで、接続駅を変えての特別運転。不便をかけたということで、何と「無料」になってしまった。やはり1回位はいいことがあるもんだ。


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