ZEONIC FRONT/PS2
 
 
2001.09.08

 バンダイがPS2で出す二本目のガンダムゲーム。
 最近のバンダイのガンダムゲームは、傾向として「非ガンダマーお断り」な雰囲気があるものですが、本作はそれが特に顕著です。
 ターゲットとしている購買層は完全にガンダマーのみ。
「非ガンダマーがプレイする」などという状況はハナから頭にありません。
 もちろんそれは決して悪いことではなく、ユーザーを限定することでゲーム内容を特化することが出来、一部のユーザーにとっては素晴らしく面白いゲームとすることができます。
 この場合、その一部のユーザーが「ガンダマー」なわけで、ガンダマー人口はオタク比率で見てかなり高いと考えられるため、十分採算が取れると踏んだのでしょう。
 そういうわけですので、本作をプレイするためには、
 
「MS-06ザクIIのバリエーション機を五種類以上挙げよ」
 
と問われて即答できる程度の予備知識が必要とされます。
 答えに詰まってしまう人は、残念ですが本作とは縁がなかったと思って諦めてください。
 その方がお互いのためです。
 
 
 
 本作は、ガンダムモノの主流である「今まで描かれていなかったシーンを描く」タイプです。
 プレイヤーは一年戦争時のジオン軍特殊部隊「フェンリル隊」となり、フェンリル隊が転戦していく様子を見ていくわけです。
 しかし、ゲームが始まって早々いきなり、「我々は、第二次地球降下作戦の一環として、キャリフォルニアベース攻略の任にあたることになった…」とナレーションが入ります。
 第二次地球降下作戦ってどんな作戦? とか、キャリフォルニアベースって何? という説明はありません。
 マニュアルにも書いてません。
 この程度の事、ユーザーは当然知っていなきゃならないのです。
 しかしガンダマーならこれくらいは常識なので何の問題もありません。
 実際の作戦任務としては、まずマップを見て作戦達成のためのルートを設定し、実際のミッションではルートにそって自軍MSを進撃させ、連邦軍を打ち破る、という構成になっています。
 MSの操縦は基本的にL3・R3のスティックだけで行い、その他の十字キー・○△□×L1L2R1R2ボタンは完全に独立して他の動作(攻撃や仲間への指令など)を行えるようになっています。
 つまり歩きながら敵を攻撃し、さらに仲間へ指令を出す、などということが出来るわけです。
 つーかそうしないと敵に勝てません。
 ただ、この辺の操作方法はゲーム中でもシミュレーターで練習できるので、すぐ慣れることが出来ます。
 そして実に渋いのが、フェンリル隊に配備されるMSは全て量産機であるという点。
 ザクI、ザクII-F型、ザクII-J型、グフA型などなどですが、試作機はありません。
 全て量産型MS。
 渋いッ!
 
 
 
 本作「ジオニックフロント」は、とっつきこそ少々悪いですが、ゲーム内容は非常に面白いです。
 ミッション前のルート設定で戦略的な勝ち方を考え、ミッション中はACTとして敵の攻撃をかわしつつこちらの攻撃をヒットさせて落とす。
 戦略シミュレーションと3D戦術アクションゲームを上手く融合させた素晴らしいシステムです。
 ガンダマーなら絶対遊んでおきたい一本ですよ。
 
 
 
 ところで。
 本作をやっていてひしひしと痛感するのは、「連邦のMSは化け物か?!」ということ。
 ガンダムは言うに及ばず、ガンキャノンやガンタンクでさえ侮れません。
 こいつらのキャノン砲を一発喰らうと、それだけで即死。
 弾の速さは遅いから、注意していれば見てから避けることもできるけれど、他の敵を攻撃している時にロックされて撃たれたらもうお終い。
 そしてガンダムはビームライフルが激強。
 ロックされたと思った瞬間ライフルに撃ち抜かれて死亡。
 まさしく「白い悪魔」。
 でも、原作だとビームライフルやキャノンを喰らったザクは一撃で爆発してたから、そのバランスを見事に再現しています。
 こうして散っていった幾多の英霊の無念は、ガトー少佐に晴らしていただくしかありませんな。