立体忍者活劇 天誅 弐/PS
 
 
2000.12.3
 
 アクワイアの3D忍者ゲーム「天誅」シリーズの四作目。
 四作目なのに「弐」なのは、一作目から「天誅」、「天誅 忍凱旋」、「天誅 忍百選」となっていて、三作目まではリメイクだからです。
 この天誅シリーズ、一作目からこの「弐」まで、ゲームの基本システムは全く同じです。
 各ステージでプレイヤーに用意されているのは主人公と3Dポリゴンのフィールド、そしてステージのクリア条件だけで、
「どうやってクリア条件を満たすか」
は完全にプレイヤーの自由になっています。
 主人公は忍者なので、一応は敵に見つからないように進む、という条件はありますが、たとえ敵に見つかっても、クリア後の評価が下がるだけで、それ以外いっさいのデメリットはありません。
 すなわち、極力敵を殺さずに進むも良し、正面から敵と斬り結ぶも良し、隠密となって敵に見つからずに全滅させるも良し。
 この自由度こそ天誅シリーズの最大の魅力。
 カメラワークや主人公の動作にクセがあるので、これに慣れるまではぎこちない忍者となってしまいますが、慣れれば主人公を縦横無尽に動かせます。
 シナリオも「歴史の影の存在」として、忍者らしい実に渋い物となっています。
 とにかく「やり込み」次第のゲームで、やり込めばやり込んだだけ確実に上手くなったことが実感できるゲームです。
 3Dアクションゲームとして屈指の出来であることは間違いないので、是非遊んで欲しいソフトです。
 
 
 …と、以上が「天誅」シリーズ自体についてのざっくばらんなレビューです。
 それで、表題の「天誅弐」についてですが。
 この「弐」、どうも前作までのファン向けに作られているらしい節があります。
 平たく言えば、このゲームは難しいってことです。
 ゲーム自体のボリュームが増したのは良いけれど、1ステージ毎のフィールドが広くなり、ステージクリア後の評価も厳しくなり、敵ボスも全体的に強くなった。
 なので、天誅シリーズ初体験の人には少々垣根が高すぎるかもしれません。
 逆に前作までをやり込んでいるプレイヤーなら、歯ごたえのあるゲームとして問題なく楽しめます。
 ボス戦も、コツさえ掴めば忍具を使わなくても勝てるバランスだし。
 なので、シリーズのファンであるなら即買いですが、未体験ならベストで出ている前作「天誅 忍凱旋」をまず遊ぶ事をお薦めします。
 ゲームの面白さ自体は全く同じなので、ベストで安く買える「忍凱旋」をプレイしてみて、このゲームが肌に合っているなら「弐」を買えば良いし、どうしても楽しめないならそこでやめれば良いだけの話ですから。
 全体的に地味なので食わず嫌いで敬遠されがちなのですが、ツボにはまれば絶対面白いゲームなので、まずは挑戦してみては。