てんたま/PS
 
 
2001.1.28
 
 コンシューマ随一のギャルゲーメーカーKIDが出した、ギャルゲー以外の修飾詞が思いつかないくらいの模範的ギャルゲー。
 主人公の家に天使見習い「花梨」が居候することになっ(以下略)、という僅か30文字で設定を説明できてしまうくらいに。
 まーこーやってレビューもどきを書く分には楽でいいけど。
 このいい加減な紹介の仕方からもわかるとおり、このゲームははっきしゆって大した出来じゃありません。
 システムはメモオフなどの他のKIDのギャルゲーと全く同じなので、システム的なイライラは薄いです…メッセージスキップがいまいち遅かったりしますがまぁ許せる範囲。
 音楽も結構良いし、CGに関しても、通常の立ちCGはともかくイベントCGはかなり綺麗。
 しかし、肝心のシナリオが大した出来じゃあないのです。
 AVGでシナリオがつまらないのは致命的。
  ところどころキラリと光る部分はあるんです。
 例えばこのゲームでは頻繁に視点が変わるので、「ヒロインの側の心情描写」というものが実に素直に描けるようになっている。
 …そう、「なっている」のに、「実行できてはいない」。
 簡単にいやぁ、ラブひな的シナリオ展開なのです。
 主人公がなんもしなくても勝手に向こうから好いてくれる、という。
 時折「おっ、この辺は巧いな」と思わせてくれるシーンもありますが、全体的にセンスが良くないので、どうしてもシナリオの面白味が薄い。
 積極的に人様に薦められる出来じゃないです…つーかこれ買うくらいならメモオフ買ったほーがいい。
 
 
 …と、ネガティブな事を書きましたが。
 ぼくは個人的にはこのゲームが凄く気に入りました。
 キャラ萌えという観点で見るならば、このゲームにはかなり美味しいキャラが揃っているからです。
 主人公宅に居候する「花梨」なんか、設定は十五歳ってことですが、ゲーム中で見る限りほとんどS学生
 まじかるアンティークレベル1、って感じです。
 他にも「千夏」とか「結花」とかは萌え度数が高い(当者比)ので、キャラ萌えだけでギャルゲーを買って遊べるギャルゲー狂いならば楽しめるでしょう。
 ぼくはマジでこのゲーム好きになってますから。
 プロローグ、(ネタバレガード!)双葉が死ぬシーンを双葉の視点で描くくだりなんかはマジでズギューーンと胸にきました。
 そーゆーわけなんで、ゲーマーとしては薦められませんが、個人的には少し遊んでみて欲しいかなぁ…とゆー気もしますね。
 
 
2000.1.29
 
 今日電撃PSの記事を読んでみたところ、このゲームにはぼくが見ていないシーンがまだまだあるらしい事が判明しました。
 そぉかぁ、どうりでCGモードが歯の欠けた櫛みたいにスカスカなわけだ。<その時点で気づけ
 でも最近のゲームには珍しく、選択肢チェックが非常に厳しいみたいです。
 まともに全クリアするのはかなり難しそう。
 とりあえず攻略本かネットでの攻略情報を入手するまでは中断かな…。
 
 
 昨夜このゲームの否定的な日記レビューを書いたところ、胸が痛くて痛くてたまらない。
 ぼくはこのゲームが好きになってしまったので、貶すだけの文章を残してはおきたくないです。
 まぁ…この「てんたま」、ゲーム自体の雰囲気は悪くないですよ。
 登場キャラに悪人が一人もいないので、ほのぼのとした気分で遊べます。
 ギャルゲーマーだったら楽しめる…かもしれないです。