水夏/Windows
 
 
2001.09.02
 
 CIRCUSというメーカーが出したエロゲです。
 ぼくは今までこのメーカーのソフトを遊んだことはなかったのですが、本作品に関しては、ぼくのセブンセンシズが
「これは見逃すな!」との信号をピピッと発していたので買ってみました。
「どーせマイナーソフトだから予約するまでもなく初回版を買えるだろう」とたかをくくっていたのですが、実際には札幌市内のエロゲ取扱店で売り切れ続出。
 結局メーカー通販を利用することで漸くゲットできました。
 実は密かに注目作だったのかもしれません。
 
 
 
 本作品は、最近ちょっとなりを潜めてきたノベルゲーです。
 常磐村というひなびた寒村を舞台に、複数の主人公とヒロインによる物語を、章仕立ての構成によって見せてくれます。
 つまり一章では一章の主人公とヒロイン、二章では二章の主人公とヒロイン、という風に。
 それぞれの章の主人公達は、基本的に他章の主人公とは何の接点もないアカの他人で、同じ常盤村の住人であるというだけです。
 でも、道端で顔を会わせたり、アパートで隣り合った部屋に住んでいたり、という程度の繋がりはあるんです。
 この辺の見せ方はなかなか面白い。
 例えば、一章で二章のヒロイン・白河さやかがちょっとだけ出てきて、その時ちょっとヘンなことやってるんですが、どうしてさやかがそんなことやっているのかは二章をプレイすればわかるようになっているんですね。
 なんとなく、チュンソフトサウンドノベル第三弾「街」を思い起こさせてくれます。
 これは上手いやり方です。
 
 
 
 ゲーム本編はまだ一章と二章しか遊んでないのですが、この時点ではシナリオの出来はかなり良い。
 一章は神社の巫女さんと幼馴染みの物語。
 この章はストーリーテリングが非常に見事でした。
 スローモーションでスタンディングオベーションをしつつ「ブラヴォー!」と叫びたくなっちゃいましたよ。
 二章は奇才画家の娘と、その画家に師事する青年の物語。
 こちらはシナリオもさることながら、ヒロインである白河さやか先輩がめちゃ可愛い先輩でした。
 例えるなら来栖川綾香の性格をした来栖川芹香先輩…って、そりゃ綾香そのものですな。
 まぁ冗談はさておき。
 CVも物凄くピッタリとマッチしてましたし、二章だけと言わず三章以降もヒロインやってくださいよ先輩、とお願いしそうになりました。
 あ、もちろんシナリオも凄く良かったです、特に後半は先の展開が全く読めなかった。
 これまた大した出来映えでした。
 現在三章プレイ中です。
 これらの物語がどういう風に繋がっていくのかとても楽しみです。
 
 
 
 余談。
 最近のエロゲには声入りのものが多くなってきましたよね。
 当然のごとくエロシーンでの喘ぎ声なんかも入ってるわけですが、こーゆー場合はやっぱり、事前に
「このゲームはアダルトゲームです。セックスシーンもあります。その場面の音声もちゃんとやってもらいます」
って通告してあるんですかねぇ。
 通告してあるんでしょうねぇ。
 そうでなきゃ色々マズイでしょうからねぇ…人によっては「経歴に傷がついた」なんて思っちゃうかもしれないし。
 でも、そういったシーンの声録りの光景ってのを想像すると、「やっぱり声優さんってのはプロなんだなぁ」と思いません?
 全くの素の状態で、何人もの人が見ている前で、艶っぽい声を出さなきゃならないわけですから。
 声優ってのは、良くも悪くも声出してナンボの商売ですよね。
 
 
 
 ところで、今ぼくは死ぬほどの衝撃を受けています。
 マザー2で3000くらいのダメージを受けてドラムロール回転中って感じです。
 こんな美味しいイベントがあったらしいんです。
 何が悔しいって、その日ぼくはYES札幌インターネット館に行ったんですよ、10:30の開店と同時に飛び込んでエロゲコーナーでDVD初回版買ったんですよですよ!!
 それで満足して帰っちゃったんですよですよ…。
 ううっ、三日前にこの情報を知ってたら、絶対に15:00まで残ってたのに…。
 グッズとか買いまくったのに……。
 ちくしょう、CD初回版をもっと早く、せめて一週間前にプレイすべきだった………。
 こーゆー時、「知らぬが仏」とか、「この世には、知らないほうが良い情報ってのもあるんだよ、シンジ君」というコトバの意味が心底理解できます。
 知らなきゃ良かった、こんなコト。
 知らなきゃ心安らかでいられたのによぉ、今のぼくは慙愧と悔恨の念で一杯です………シクシクシク。
 嗚呼神様、ぼくってこんな酷い目に遭わなきゃならないほど悪いことをしたんでしょうか?
 
 
 
2001.09.06
 
 ファーストプレイ終えました。
 一応はエンディングまで見たことになります。
 そんな感じはゼンゼンしてないんですが。(理由は後述)
 
 
 
 本作品は前述したとおり、システム的には何ら珍しいものはありません。
 文章スキップ機能が『CTRLキー押しっぱなし』に割り当てられているのが少々不便ですが、その他は極々オーソドックスなノベルゲーです。
「あらすじモード」とかあるのは面白いけど。
 
 
 
「水夏」のメインはあくまでシナリオにあります。
 前回書いた一章・二章に続き、三章・四章も非常に素晴らしい出来映えでした。
 四章のラストに関してはいくつか思うところもあるのですが、まだ何ともいえません。
 というのも、本作はセカンドプレイ時には、ファーストプレイ時にはなかった選択肢が現れるらしいです。
 さらに物語の最後の真相を見ることも出来るようになるとか。
 それを見ないことにはシナリオを語れませんからね。
 早速セカンドプレイを開始します。
 …と思ったけどふと気付くとジオニックフロントやってたり…。
 
 
 
 ところで、本作は地味でマイナーなソフトだと思ってたんですが、どうもそうじゃないらしいですね。
 かなりの人気作品みたいです。
 前々から目をつけていて初回版をキッチリゲットしたぼくの目に誤りはありませんでした。
 でもそうなると、余計に札幌でのイベントを逃したことが悔やまれる…。
 ああぼくのバカバカバカバカ。
 
 
 
2001.09.08
 
 ジオニックフロントとかジオニックフロントとかジオニックフロントとか(つまりジオニックフロント一本)ばっかりやってて水夏セカンドプレイの方は自体は全然進めてないんですが、今サーカスオフィシャルサイトでDVD版に関する凄い情報を知ってしまいました。
 販売本数がCD版の五分の一!
 なるほどなぁ…実はDVD初回版を買った店、そこでも初回版は二本しか入荷してなかったんですよね。
 開店と同時に飛び込んだからギリギリで一本ゲットできたわけなんですけど。
 その時も「やたら初回版の本数が少ないんだなぁ」と思ったんですけど、この事情を知って納得しました。
 うーむ…改めて我が手中の初回版の価値を思い知った気分。
 つーかDVDドライブないのにDVD版を平然と買っているってのも我ながらどうかと思うけど。
 
 
 
 こーゆー無駄話だけで一回分の更新を名乗るのもおこがましいので、水夏の優れた点を一つ挙げておきます。
 本作品は「夏の田舎」を舞台としているのですが、虫の鳴き声のSEが非常に上手い。
 昼間のセミのジージーという鳴き声、夜のりーりーりーという名前を知らない虫の鳴き声など。
 このSEだけで「ああ、田舎だなぁ」という雰囲気にさせてくれます。
 よくもここまで再現することが出来たものです。
 小さなことですが、こういった事にも手を抜かない辺り、本当にしっかり作りこんだんだなぁと実感できます。
 スタッフもいい仕事してますね。