スーパーロボット大戦α/PS
 
 
2000.7.1
 
 オタクなゲーマーなら誰しも知っているバンプレスト看板ソフト。
 GBから始まってFC、SFC、PS、SS、64、GB、WSと、おそらくこのシリーズ以上に移植されたハードが多いゲームは無いんじゃないかってくらいたくさん作られている「スーパーロボット大戦」シリーズ。
 SSとPSで出た前作「F」「F完結編」はかなり酷い出来でしたが、今回の「α」はそれとは対照的にしっかり作り込まれています。
 前作では敵が異常なまでに強く、味方パイロットが”一部のエースパイロット”と”まるで使い物にならないその他大勢”に完全に二分されたのに比べ、今回はどのパイロットもそれなりに使えるようになっています。
 さすがにキースあたりで敵ボスクラスを落とすのは不可能に近いですが、それでも敵ザコとならそれなりに戦えます。
 こうした個々のキャラクターパラメータの微調整に加え、一マップあたりの敵出現数や獲得資金、「熟練度」による難易度調整等、細かいバランス取りが子細に行われています。
 また、戦闘デモをカットすることができるようになったのも非常に大きい。
 いちいち長ったらしいアニメを見ずにマップだけで戦闘を処理できるようになったので、ゲームが非常にスピーディに進みます。 ゲームそのものの基本システムははっきり言ってしまえばまるで変わっていないのですが、それでもゲーム全体に渡ってとても丁寧に作り込んであるので、従来のシリーズとは一線を画す新作と言っても良いほどのレベルアップでしょう。
 ジャイアントロボやマクロスなどの新参入ロボットもいるし、オタクなら絶対買いです。
 
 
2000.7.5
 
 今回のスパロボは本当に面白い。
 αとFまでの相違点といえば、戦闘カット機能+クォータービューマップ+全体の微調整+演出面の強化くらいで、基本となるシステムにはほとんど変更はありません。
 なのに、たったそれだけでこんなにも面白くなるとは。
 戦闘シーン一つ取っても、ユニットのアニメパターンが大幅に増えて従来の百倍くらい動くようになり、さらに同一アニメでもシチュエーションによってBGMが変わったりする。
 アニメ原作の曲の再現度も高く、「おおっ、この曲はあのシーンの曲ではないかッ!」と唸らせられます。
 個人的に、Zガンダムとかエヴァ弐号機とかV2ガンダムとかGP-03とかの戦闘シーンの曲が追加されたのはすごく嬉しい。
 その曲を聞きたいがために出撃させて戦闘シーンを見たりするし。
 演出でも色々手が加えられていて、スタッフのこだわりを見て取ることが出来ます。
 エヴァのあの曲まで加わっているのは見事の一言。
 シナリオの分岐は、ストーリー大筋での分岐は一つしかないけれど、ちょっとしたルート選択なら何度も出てくるし、細かいイベントに関する分岐なら数え切れないほどある。
 とにかくαは力が入っている。
 いままでに出ているスパロボシリーズの中でも一・二を争う出来。
 ホントにねぇ、これだけの物を作れる力があるんだったら、Fはなんだったんだってついつい思っちゃいますねぇ。
 
 
2000.7.10
 
 ファーストプレイクリア。
 もの凄いボリュームだったから、三十時間くらいはかかりました。
 戦闘シーンの大半をカットしてもこれだけかかるわけですからねぇ…Fまでの強制戦闘デモだったらそれこそ百時間はかかるかもしれない。
 でもすごく面白かった。
 戦闘デモもそうですが、特に演出面がかなり凝ってます。
(ネタバレガード)
 シナリオ62「愛・おぼえていますか(2)」でちょっと感動して泣きそうになったし、シナリオ64・65「Air」ではエヴァ劇場版を思い出した。
 なんとなーく、演出的にエヴァを贔屓してないかい? って気はしましたが。
 シナリオ的にも今回はスッキリまとまっていた。
 前にどっかのサイトでスパロボαのシナリオを評して、
「人類補完計画、原作よりよっぽど上手く補完されている」と書いていたところがあったんですが、まさしくその通り。
 様々なアニメの設定をごちゃ混ぜにしたはずが、これほど上手く繋がるとは。
 とにかく凄い。
 あちこちで絶賛されるのも頷ける内容でした。
 そーゆーわけで、この「α」は間違いなくお薦めです。
 オタクゲーマーならこれをやらずしてどうする! というくらいの出来。
 
 それから、最後にシナリオに一言。
バンプレ内スパロボ製作スタッフの間でも、エヴァのカップリングはLASらしい。