SinsAbell 〜緋昏し空の遠く〜/Windows
 
2003.06.15

 すたじおみりすの出したエロゲーで………通算何本目だろ?
 
 さして熱烈なファンじゃないからよくわかんない。
 
 まあ月陽炎の頃とは違って、いまや立派な中堅ブランドとなったみりすのゲームです。
 
 
 
 
 
 
 
 まず、お馴染みのオフィシャルサイトチェックをよろしく。
 
 体験版をDLできるようになっているので、時間があるならやってみて下さい。
 
 それが一番良く分かります。
 
 ついでにブラックジャックにもよろしく。
 
 
 
 
 
 
 
 では、ゲーム内容に関する話。
 
 体験版をやってみればわかりますが、本作品はADV+ACTの構成になっています。
 
 ADVパートは、ありふれたビジュアルアーツ系ADVシステム。
 
 既読スキップ機能が無い(全スキップのみ)けれど、それ以外はマトモ。
 
 背徳的・退廃的なシナリオ展開は、なかなかに魅せてくれます。
 
 一方、本作の目玉と言えるACTパートは、バイオハザードとデビルメイクライを足し
 
て2.5で割ったようなもの。
 
 さすがに2で割るとは言えませんが、それでもエロゲーブランドがACTの雄・CAP
 
COMと比較できるほどのACTシステムを作ったというのは凄い。
 
 二周目以降は前回クリア時のデータを引き継げるので、どんどんプレイが楽になってい
 
くのもグッド。
 
 遊んでいて苦痛になることが無いし、ACTパートでの戦闘結果でシナリオが分岐する
 
こともあるので、このACTシステムは成功と言えますね。
 
 
 
 
 このように、本ソフトはADV・ACTどちらも良く出来た良作です。
 
 これといったセールスポイントに欠ける、というのは否定できませんが、キッチリ楽し
 
めるのは間違いありません。
 
 体験版などで興味を惹かれたなら、遊んでみてもいいのではないでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 むう、なんだか簡潔にまとめすぎてしまった気がする。
 
 これだけで終わっては書き足りないので、余談で細かな感想などをツラツラと。
 
 
 
 
 
 
 
 
 余談壱。
 
 個人的に、主人公・当麻聖がいまいち好きになれなかった。
 
 その最大の理由は、ヒーロータイプ(最初っから馬鹿みたいに強く、「自分は強い」と
 
公言して憚らないタイプ)であることだろうなあ。
 
 言い換えれば、自分は特別な力がある特別な人間だから、無力な他の人間を守ってやら
 
なければならない、という傲慢な考え方をしているということ。
 
 同じヒーロータイプでも、Only Youの魔神勇二やビ・ヨンドの木下小十郎にはそういっ
 
た意識が全く無いから、素直に感情移入できたんだけどねえ。
 
 それに口調も嫌。
 
「そんなことねえよ」とか「お前のせいじゃねえ」とか。
 
 素直に「そんなことないよ」「お前のせいじゃない」と言えよ!
 
 乱暴な喋り方する必要ないと思うんだけど。
 
 この二点により、どうにも聖に感情移入できなかったので、シナリオもやや冷めた目で
 
見てしまいました。
 
 やっぱり主人公は魅力的なキャラじゃないと駄目ですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 余談弐。
 
 ノインシナリオやってみて驚いた。
 
 最初はただのヤラレ役だと思ってたノインが、こんなにいいキャラだったとは。
 
 良い意味で意表をつかれました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 余談参。
 
 ACTシーンでのHP回復アイテムが「グリーンハーブ」「レッドハーブ」だったのは
 
萎えた。
 
 アイテム名くらい変えて欲しい。
 
 本家CAPCOMも、デビルメイクライはヴァイタルスター、鬼武者は丸薬、と変えて
 
るんだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 余談詩。
 
 ACTの難易度としてEASY・NORMAL・HARDの三段階が選べるようになっ
 
ていますが、難易度による分岐やおまけ要素等の変化は全くありません。
 
 ええ、そりゃあもう呆れるくらいサッパリと。
 
 これじゃあHARDやろうって気にならないよ…。
 
 HARDモード時のみのシナリオ分岐とかおまけCGをつければ良かったのに。
 
 
 
 
 
 
 
 
 余談碁。
 
 サブタイトル『緋昏し空の遠く』の意味、ステイトトゥルーエンドを見てやっとわかり
 
ました。
 
 主題『SinsAbell』は結局わからなかったけど。
 
 ところでこの場合、オフィシャルなエンディングはステイトトゥルーエンドってことに
 
なるんですかね。
 
 まあSAD好きとして、大変美しくて気に入ったからいいけど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 余談麓。
 
 文句ばかり書いてるので、たまには褒める。
 
 中ボス戦・ラスボス戦の音楽はかなりいい。
 
 中ボスBGMはどことなくファルコムっぽいけど燃えるし、ラスボス戦はシチュエーショ
 
ンに合わせた見事な作曲。
 
 
 
 
 
 
 
 
 余談質。
 
 でもやっぱり最後も文句。
 
 シナリオ途中で『とある武器』が手に入って、以降その武器が究極の強さを持っている
 
かのように語られていくんですが、この武器実は大して強くありません。
 
 つーかぼくは一度も使わなかった、他にもっと使える武器があるから。
 
 そのくせシナリオで散々連呼されるとねえ……「なんだかなあ」って気になります。
 
 この手の『武器がシナリオキーアイテムになる』演出は、クロノトリガーが上手かった。
 
『勇者の剣』グランドリオンは、シナリオのキーアイテムであり、『勇者』カエルの最強
 
武器でした。
 
 まあそのおかげで、二周目以降、序盤から最強武器を装備している他メンバーに比べ、
 
カエルは若干見劣りしたりもしますが。
 
 ああ、クロノトリガーは良いゲームだったなあ。