二重影/Windows
 
2002.07.19

 ケロQの出したエロゲ。

 この会社、社名からしてスゴい。

 LeafとかkeyとかエルフとかアリスソフトとかBasiLとかすたじおみりすとかねこねこソ

フトとか、普通はある程度格好のつく名前を名乗るものだと思うけど。

 それがケロQ!

 オバQに思い入れでもあるんですか? とか、『スタジオかつ丼』と張り合える名前で

すね、とか、それくらいしかフォローのしようが無い。

 社名なんてどうでもいいと言えばどうでもいいのかもしれないけどさぁ。

 もーちっと何かなかったのかなあ、なんて余計な心配したくなりますね。

 

 

 

 

 バカ話はさて置き。

 ゲームの話に移ります。

 ケロQといえば『終の空』でちょっとばかし有名で、このゲームはやたらとんでもない

狂気ゲーらしいですがぼくはやったことないんでカンケーねぇです。

 先入観ゼロで遊んだ感想としては、そこそこのエロゲでした。

 出来は悪くは無いんだけど、無条件に良いと言い切れるほどでもない。

 B級映画みたいなもの。

 一回クリアしたらそれで満足できるので、再プレイ性も低い。

 あんまりオススメできるゲームじゃないです。

 つーかこれを遊ぶくらいなら家族計画とかをやった方がずっと良いのですが、そう言っ

てしまうとあんまりにも気の毒だし、このページは二重影の感想レビューでもあるので、

もう少し二重影について書こうと思います。

 

 

 

 

 えー、ではまず、ケロQオフィシャルサイトで、二重影のページを一通り見てきてくだ

さい。

 わざわざ説明する気力ナイです。

 やたら大層なコト書いてますが、話半分に読んでおきましょう。

 エロゲ小説の『大好評の美少女ソフト!』とか『超人気ゲーム待望のノベル化!!』とか、

そーゆーのと同じです。

 イヤ貶すつもりはないのですが、ここまで大言吐いてると逆にヒネくれたくなるのが人

情。

 

 

 

 

 では、見てきていただけたものとして、話をすすめます。

 本作のシナリオは、淡炎島の謎解きがメイン。

 恋愛要素は極めて薄い。

 というより無いに等しい。

 だからソレ目当てなら他をあたるべきでしょう。

 じゃあ謎解きは良く出来てるのかと言えば、そうでもなかったりする。

 謎の設定に凝り過ぎなんですよ。

 例えるなら、素材は極上の松坂牛霜降り肉なのに、焼きすぎで焦がしてしまった上に生

クリームを十リットルくらいかけているようなもの。

 もう少しスッキリと、風通しの良い話にすれば良かったと思うんですが。

 シナリオについてさらに言えば、本作のシナリオは完全な一本道。

 ヒロインが三人しかいない上、ヒロイン決定がシナリオ終盤・ヒロインが誰であれシナ

リオに変化が無いの二点により、再プレイ性が低い。

 ……うーん、なんかマイナスなことばっかり書いてるな。

 美味しいシーンもあるんですがねえ。

 イマイチ感が強い理由の一つに、システムがヘッポコだということがあります。

 シナリオ回想機能ナシ・メッセージスキップはCTRLキーによる強制のみ。

 これじゃあ褒める気になれません。

 

 

 

 

 本作『二重影』には、見所となるシーンもいくつかあります。

 女の子CGは萌え系だし、ハッピーエンディングも結構萌えます。

 だから良いところが全く無いわけではないのですが、でもホント、このゲームより他に

遊ぶべきエロゲなんていくらでもあると思いますYO。

 

 

 

 

 さて。

 さんざん好き勝手なこと言ってきましたが、最後に一つ。

 本作には、アミューズメントソフト『二重箱』が出ているのですが、これが大変面白い。

 ゲーム本編が二流なのにアミューズメントソフトが一流、というのは皮肉な話ですが、

『二重箱』はマジで出来が良いのです。

 『二重箱』を遊ぶための前座として『二重影』を遊ぶ、という選択肢もアリ。

 ただし『二重箱』の唯一の難点は、値段が高いこと。

 いくらなんでもアミューズメントソフトで\6800は高価い。

 アミューズメントソフトの最低ラインは\4800くらいだと思うんですがね。

 嗚呼、『初音のないしょ!』が\2800だったのは本当に偉大だったんだなあ。

 

 

 

 

 余談。

 本ゲーム終了後、『かまいたちの夜2』を遊びました。

 シナリオ・テキストのレベルが天井知らずに高いのは無論のこと、見せ方やシステムも

物凄い。

 よくもまあこれほどのモノを作ったもんだ。

 これはもう、さすがチュンソフトと言うしかない。

 ノベルゲーを広めた立役者だけあって、王者の風格さえ感じさせます。

 で、そのかまいたちの夜2のシナリオの一つに、日本神話系の話があったのですね。

 だからここで余談として書いているわけですが。

 この話、スッゲー面白かった。

 シナリオの方向性は同じでも、かまいたち2の方が遥かにすっきりと話をまとめてます。

 二重影の設定の捏ね繰り回し方はほとんど病気。

 スタッフの自己満足一歩手前ですよ、ホントに。

 ギリギリでユーザーも楽しめる範囲だけどさ。