2001.8.5
PSのADV・Lの季節を出したトンキンハウスの二作目。 Lの季節はかなり良い出来だったので、このソフトの制作が発表された当時からず〜っと期待しておりました。 そのくせハードがPS2だってことを発売日に知るという駄目っぷり。 まぁ初回版を買い逃さなかっただけで良しとしよう、うん。 さて、本作は基本的には学園モノ恋愛ドタバタラブコメシリアス感動癒し系ファンタジーADVです。 ……修飾詞が全然「基本的」じゃないですね。 つまりは何でもアリってこと。 スタート時点では現実に即した世界観ですが、プレイヤーが幻想的な選択肢を選んでいけば幻想的、現実的な選択肢を選んでいけば現実的なシナリオに入っていきます。 まだ三回しかエンディングまで見てないのですが、今のところはいい感じです。 Lの季節で象徴的だった「3Dマップシステム」は本作でも採用されていて、より使いやすくなっています。 ただLの季節の時も思いましたけど、分岐がやたらめったら多くて複雑。 3Dマップをグリグリ見てると、「うわー、こんなのどーやってコンプリートしろってゆーんだよぉぉぉぉ」と言いたくなっちゃいます。 何度でも遊べるADVってことではあるのですが、ガイド無しでコンプリートするのは至難の業、とゆーよりほぼ不可能です。 ガイド買って参照してても泣きたくなります。 つーかガイド無しだと狙ったキャラのシナリオに入るのさえ一苦労。 今回もやはりガイドは必携です。 ネットで攻略情報を探そうにも、多分詳細なチャート等を載せてるところなんてないでしょう。 それくらいむっずかしいですから。 まぁしかし、難点(正確には難点じゃないけど)はそれくらいなので、それ以外の面では十分楽しめそうな感触。 先が楽しみです。 ちなみに登場キャラは全てフルボイスで、なんか久しぶりに声優業をやってるのをみた気がする宮村優子嬢や、堀江由衣嬢・川澄綾子嬢と並ぶ人気トップ花形声優南央美嬢なども出演されております。 ところで、本作のメインヒロインの名前は「璃月沙夜」というのですが、この子は月姫の弓塚さつき嬢にものすっごく似てます。 その似つかわしさ(用法誤り)はハンパではなく、相似度は★★★★★★★★★☆くらい(10段階評価)。 容姿はトンキンハウスのサイトでCGを見ていただければ分かりますが、キャラとしての方向性も似ているのです。 「ありがとう。 ごめんね。 さようなら」 の月姫本編で一二を争う(とぼくが思っている)名台詞が凄く良く似合いそうなキャラです。 瑞希シナリオを見て、ぼくは勝手に確信しました。 沙夜は、月姫本編であーなってこーなってそーなっちゃったさっちんの転生なんだと。(盲信とも言う) 本編でもっとも救われないキャラであり、お祭りディスクにさえ登場しないと噂されるさっちんのあまりの不遇さに涙してやまない、全国56億7千万人のさっちんファンのアナタ。 是非本作を購入し、メインヒロインとして生まれ変わったさっちんの晴れ姿をどうか見てやって下さいませ(全然違う)。 なお余談ですが。 ADV・アドベンチャーゲームというジャンルは、もとは「オホーツクに消ゆ」とか「ファミコン探偵倶楽部」のよーなゲームを指す言葉だったんですよね。 本作もカテゴリーとしてはADVになるんだろうけれど、上記二作と同ジャンルのゲームとは思いづらいな。 誰か、この手のいわゆる一つの「ビジュアルアーツフォーマット」なADVのことを表す新しいジャンル名を作ってくれませんかねえ。 2001.8.10 プレイ時間が60時間を越えました。 にも関わらず、いまだルート達成率80%・CG達成率70%ほど。 色々細かい分岐とか潰してると、ふと気付いたらこんなにも長くプレイしてました。 うーん、やっぱりぼくはこのスタッフの手によるADVが好きなんだなぁ。 シナリオについて。 神瞳かりんのシナリオが凄く良かった。 かりんトゥルーエンドは、シナリオ中で張られた伏線がエピローグで全て明らかになる、という非常に素晴らしい構成。 これは見事と言うしかない出来映え。 一方のハッピールートは、バッドルートがお約束な演出だけどジーンときました。 他のキャラのシナリオもそれなりに良く出来ておりまする。 Lの季節でとった杵柄は伊達じゃないってところですね。 ただ、全体的に主人公が格好悪いのは勘弁して欲しかったけど…。 現在、トンキンハウスオフィシャルサイトにてルート達成率100%を目指す上での注意事項が発表されています。 これを守らないとルート達成率100%にはなれないので、100%を目指すなら早いうちにチェックしておくべきです。 こーゆーバグがあったとき、パッチを当てることが出来ないのがコンシューマの欠点ですよね。 PCなら修正ファイルDLで済むのに。 え、問題の本質がずれてるって? 余談その弐。 トゥルーエンドという言葉は、多分雫と痕が定着させた言葉だと思うのですね。 ハッピー・バッド・ノーマルに新たにトゥルーという概念を加えた高橋龍也氏はやはり偉大です。 でもトゥルー(True)の対義語に当たるファルス(Fales)エンドってのはないですよね。 意味としては、 True:真実の・本当の False:誤った・正しくない となるわけで…トゥルーエンドが「真実のエンディング」なら、ファルスエンドは「誤ったエンディング」。 誤ったエンディングねぇ…バッドエンドが「悪いエンディング」だから、バッドとファルスは違うんだけど。 誰かファルスエンディングってのを作りません? たとえば、FE紋章の謎第二部で二十章までに星のオーブを完成させられなかった場合のエンディングなんかはファルスエンドって呼んで良いと思うのですが。 2001.8.15 苦節85時間30分、ついにルート達成率100%。 いやぁ長かった…前作Lの季節は40時間ほどでコンプリートできたけど今回は倍だよ。 こんだけの時間があれば、たまりまくってる積みゲーが三本は消化できたと思うけど、それを思うと激しく時間を浪費した気分になってしまうから気にしないでおこう。 シナリオの総評としては、まずまずの出来、と言えます。 かりんトゥルーエンドと沙夜トゥルーエンドはちょっと泣きそうになった。 キャラ立っててCG綺麗でCV上手くて音楽・シナリオ・システム良し。 べらぼうな難易度を除けば、非の打ち所の無い良作です。 ADVの常として、シナリオ主導型のゲームとなっているため、シナリオにのめり込むことが出来ないと楽しむどころの話じゃないのでしょうが、それはADVというジャンルそのものの短所ですからね。 本作の難点には当たりません。 と、いうことで、本作「Missing Blue」はお薦めです。 でも、個人的には、まずPS「Lの季節」の方を遊んでおいて欲しいです。 新品¥2,800で売ってます。 この内容で¥2,800というのは絶対にお買い得です。 以下は隠しシナリオのネタバレ話。 隠しルート、特に20Cへ進むのはとてつもなく大変ですが、是非見ておいて欲しいです。 隠しシナリオは、22D・20C共にLの季節を遊んでるプレイヤーなら思わずニヤリとしてしまう内容でしたね。 特に20Cは、Lの季節への繋がりを直接的に明示してくれてます。 Lのキャラを見たのは久しぶりだから懐かしかったな〜。 しかしあのシナリオを見る限り、もしや鈴科流水音・舞波優希・天羽碧・星原百合の四人は、流羽奈・沙夜・瑞希・かりんなんでしょうか? うーむ、先の三人は何となく納得できる気もするが、四人目がかりんってのは…渋いっつーかツボをついてるっつーか。 そういえば書き忘れていましたが、本作ではCVの一人に歌唄いの坂本真綾嬢が出演されております。 この坂本真綾嬢が声を当てているキャラは、演出的に微妙に力が入っている上、CV声優としては唯一EDを歌っていたりします。 贔屓されてるなぁ…スタッフに坂本真綾嬢のファンでもいたんだろーか。 |