Memories Off 2nd/DC
 
 
2001.10.05
 
 KID代表作「メモリーズオフ」の続編。
 同社のドル箱であるメモオフシリーズの完全な新作ということで、これでもか! というくらいに気合入ってます。
 前作「メモリーズオフ」を出した後、「インフィニティ」「夢のつばさ」「てんたま」「Close to」などのオリジナルギャルゲーをたくさんリリースしてきましたが、それらで培った技術を全て注ぎ込み、総力を結集して作り上げたのが本作「メモリーズオフセカンド」ですね。
 それくらいに良い出来です。
 
 
 本作は、とにかくシナリオが上手い。
「ちょっとほたる(スタート時の彼女)と主人公がギクシャクする過程が強引かな?」と思うシナリオもありますが、その点を差し引いても十分レベルが高い。
 特に気に入ったのは、「南つばめ」先生のシナリオ。
 エンディングのやり取りなんてセンス良すぎです。
 ぢつは裏ヒロインでしょ? と勘ぐりたくなるくらい。
 さらに、「夢のつばさ」や「Close to」などのコンテンツもちょびっとだけ混ざっていて、KIDファンをニヤリとさせてくれます。
 BGM・CG・システム等もバッチリ整っていて、およそ問題らしい問題はありません。 
 これは買いですよ。
 
 
 なお、本作には稲穂信くんが再登場しているのですが、彼は澄空高校を中退しています。
 彼に一体何があったのかは劇中では明らかにされません。
 ラジオドラマで放送されていたそうです。
 詳しくはこちらをどうぞ。
 ドラマがテキスト化されています。
 そーかあ、信にもこんなことがあったんだ。 
 
 
 
 
 余談。
 もうみんな忘れてるかもしれないけど、KIDはONEのPS移植を敢行したメーカーなんですよね。
 これがあまりにもヘタレな移植だったために大ミソをつけて、ほとんどのエロゲーマーからソッポを向かれかけたけれど、次に出したオリジナルギャルゲ「メモリーズオフ」が素晴らしく出来の良い物だったので、どうにか首を繋ぐことが出来ました。
 KIDがオリジナルギャルゲを出すようになったのもこの頃から。
 移植より自前で作った方が良いって思ったのかどうかはわからないけれど、KIDオリジナル物はどれもそれなりのレベルなので、ギャルゲーマーとしては純粋に嬉しい。
 
 
 
 余談2。
 本作のシステム充実度はそりゃあもう大したものです。
 AVG32という大元は変わっていませんが、よりプレイしやすくなるように、という細やかな配慮が随所に感じられます。
 ところで、ぼくは前々からAVG32システムのゲームに追加して欲しいと思っている機能があります。
 ディレクターズカットモードです。
 これは、ぼくの知る限り「勝手に桃天使!」シリーズでのみ採用されているシステムで、特定のキャラのベストシナリオを読み進むことが出来るという機能です。
 つまり、一度エンディングを見たヒロインのシナリオに関しては、一日目から選択肢無しで再プレイすることが出来ると便利なんじゃないかと思うんですね。
 これなら、選択肢に頭を悩ませることなく、純粋にシナリオだけを追っていけます。
 プログラム的にも大して難しくないと思うし、どーでしょKIDさん。
「メモリーズオフ アドヴァンストサード」あたりからこの機能入れてみませんか?
 それにしても、全然関係ないけどワイルドアームズ3が凄く楽しみだ。
 WAの新作が出るって知ったときは本気で狂喜乱舞しましたよ。
 早く出ないかな。
 
 
 
 余談3。
 本作では、主人公・伊波健をはじめとして、何人もが携帯電話を持っています。
 ここで注目すべきは、彼らのうち何人かが「メモリーズオフ」の着メロを使用している、という事実。
 eternityやMemories Offの着メロはほとんど反則です、それくらいジーンときます。
 もともとピアノソロの曲だから着メロに向いてるんだよなぁ。
 これらの曲は実はKIDオフィシャルサイトからDLできるのですが、タダではもらえません。
「KIDミックスセレクション」のエンディングで表示されるIDとパスワードが必要です。
 しかもIDはソフト毎に異なっているという凝りよう。
 KIDめえ、アコギな商売しおってからにぃ〜。
 そーゆーわけなんで、メモオフの着メロが欲しかったらKIDミックスセレクションを新品で買うしかないです。
 ちなみにファンじゃないと面白くありません。
 ファンならそこそこ楽しめますが。
 
 
 
 余談4。
 本作の主人公・伊波健の一人称は「ぼく」です。
 モノローグでも口語でも変わりません。
 同じ一人称を使っている者として、健は非常に親しみやすい主人公でした。
 でもぼくが言うのも何ですが、これって凄く変わった一人称だと思うんですよね。
 普通日本男子の一人称は「俺」で、たまに違っても「僕」「私」。
 ひらがなで「ぼく」とはしません。
 カタカナの「ボク」ならいくらでもいるんですけど。
 
 
 
 余談5。
「eternity」「Memories Off」などは燦然と輝く名曲ですが、セカンドでも新たな名曲が生まれました。
「with memories」。
 ピアノソロでこそないものの、ピアノの音色を主旋律とする感動的な一曲です。
 地味ですが、KIDにも腕の良い作曲家はいらっしゃいますね。
 
 
 
 余談6。
 KIDのゲームって、なぜか中古市場に出回りにくいと思いませんか。
 ぼくはよく中古ゲームショップに行きますが、KIDのゲームなんてまず見かけません。
 メモリーズオフはむろん、インフィニティ、夢のつばさ、てんたまなどなど。
 KIDのユーザーはゲームを手放したがらないんですかねぇ。
 ちなみにぼくはKIDのゲームを売りに出す気は全くありません。
 たとえやらなくても、何となく手元に置いておきたいんです。
 …うむ、みんなこーなんだろーか。
 
 
 
 
 余談が思いっきり長くなりましたが、メモオフセカンドはホンッッッッッッッッッッッッッッッッッッッットに面白い。
 ギャルゲーマーならこれを遊んでおかなきゃ嘘です。
 1を未プレイの方はこの機会にシンプル1500版と併せて購入しちゃいましょう。
 ギャルゲーの「お手本」と言っていいくらいに良く出来ていますから。
 なお、DCあるならアペンドシナリオが楽しめるDC版の方をオススメします。