久遠の絆 再臨詔/DC
 
 
2000.11.25
 
 本作品は、1998年にPSで発売され、熱狂的ファンを何人も生み出したF.O.G.の同名ゲームソフト「久遠の絆」のDC移植版です。
 PS版については以前に色々不必要なくらいにくどくどと書きましたが、基本的にはオーソドックスなサウンドノベルなので、今回はシステムについてはサラッと流し、変更点・追加点について重点的に書いてみます。
 
 
 まずPS版未プレイの方向け、ざっくばらんな総評です。
 このゲームの基本ゲームシステムは、皆様ご存じのありきたりなサウンドノベル。
 ウリはシステムではなく、シナリオ、CG、音楽といった演出面にこそあるわけで、この辺パソコンの18禁エロゲーに近い作りになっているとも言えます。
 しかし、システムに拘っていない分、ウリの出来映えは間違いなく超一流。
 膨大なテキスト量に裏打ちされた壮大な物語は、歴史絵巻を紐解くように様々な時代の悲恋を美しく見せてくれます。
 美しいCGと心地よいBGMも効果的に使われ、とにかくシナリオ的には文句無し。
 この手のADVの常として、シナリオに感情移入出来ないのであれば面白くも何ともないのでしょうが、ぼくは感情移入度120%でバッチリ楽しめました。
 非常に出来の良いサウンドノベルなので、PS版未プレイであるならば即買いをお勧めします。
 テキスト量が多いのでプレイに時間がかかりますが、それに見合った内容であることは間違いないですから。
 
 
 次に、PS版プレイ済みの方向け、DCになったことによる変更点・追加点について。
 システム的に大きいのが、キャラクター描画や剣の軌跡表示などの各種処理の実行速度がかなり向上したこと。
 メッセージスキップも同様に相当高速化しているため、PS版に比べ快適に遊べるようになっています。
 また、このゲームの要であるシナリオ面についても大幅に強化。
 新たに追加されたテキスト及び新たに描き起こされたイベントCGはかなりの数になり、特に新規追加シナリオは、ゲーム中の数え方で1000頁を軽く越えます。
 BGMまで新しい物が入っている。
 とにかくこの追加分に関しては、「凄い」の一言。
 この新シナリオを見るためだけでも「再臨詔」を買う価値が十二分にあります。
 「PS版遊んでるからDC版は見送ってもいい」というのは大間違い。
 PS版で久遠に惚れたのなら、是非DC版再臨詔の新シナリオを見た方が良いです。
 どれほど期待をしようとも、それが裏切られることは絶対にありませんから。
 
 
 …と、ゆーわけで。
 既にファンであろうとなかろうと、このDC版「久遠の絆 再臨詔」は間違いなく楽しめるので、是非是非買って下さい。