家族計画/Windows
 
 
2002.1.21
 
 前頁、色々書きましたが、まだまだ「家族計画」の良さを十分の一も表現できていませ

ん。

 ぼくはもう、ホンットに自分でもどうかしたんじゃないかって思うくらいに心底入れ込

んでます。

 このゲーム貶すヤツ殺す。

 いや冗談ですけど。

 なお貶すとは「しいて悪い点ばかりを取り上げること。(三省堂新明解国語辞典)」と

いう意味なので、良い面・悪い面を公平に見た上での的確な批評であるならば、それは

「貶す」という低俗な行動からかけ離れた、正当な評価であると言えます。

 逆にいえば、良い面ばかりを見て悪い面を見ないのは単なるヨイショなので、これもま

た正当な評価とは言えません。

 この点において、多分ぼくのゲーム感想レビューは偏っています。

 だからこそ、「レビュー」とは言わず、「感想レビュー」とお茶を濁した表現にしてい

るわけです。

 ああ、実に日本的な曖昧さだ。
 
 
 
 
 
 閑話休題。

 まず、ネタバレにならない程度にキャラシナリオ別感想を書きます。
 
 
王春花シナリオ:
 スタッフがこのゲームで言いたかったことが最も具体的に描かれているシナリオ。
 物語の全てのからくりが明らかになるシナリオでもあります。
 強烈なメッセージ性を持っているという点において、春花シナリオを越えるシナリオは
ありません。
 さすがメインヒロイン級。
 
 
高屋敷青葉シナリオ:
 ストーリーテリング技術が非常に秀逸。
 おおよそハッピーエンドになんてなりそうもない、とんでもない展開なのですが、シナ
リオを進めて行くと(以下ネタバレのため略)。
 
 
河原末莉シナリオ:
 基本的には、末莉ちゃんってなんて可愛いのかしらシナリオ。
 末莉と司が少しずつ想いを積み重ねていく、その過程は素晴らしいの一語。
 春花シナリオ・青葉シナリオに比べ、劇的な展開こそありませんが、見ていて一番安心
できます。
 そしてエンディングは、このゲームを象徴する、完璧なまでの大団円。
 末莉シナリオは、「家族計画」というゲームの全てを包括するような、大きく広いシナ
リオです。
 
大河原準シナリオ:
 良いお話でした。
 結構なお手前でした。
 
 
板倉真純シナリオ:
 ま、こんなもんかな。 
 
 
 
 
 以上。
 
 シナリオの差がロコツにわかっちゃいますね。

 いや、もちろん真純シナリオも出来は良いし、準シナリオには一番感動できるシチュエー

ションがあります。

 でも春花・青葉・末莉シナリオに比べると、どうしても見劣りしてしまいます。

 オール4の通信簿でも、オール5の通信簿の前には霞んでしまう、ってところですね。

 なお付け加えると、CGの面でも末莉が一番優遇されてます。

 枚数自体は春花と同率一位ですが、クオリティが段違いなんだなあ。

 末莉が司にキスするCG、末莉が司の腕枕で寝ているCG、末莉エンディングCGの三

枚は、このゲームのベストCGトップ3。

 さらに付け加えると、末莉シナリオは危険です。

 危険すぎます。

 ロリ属性のある人間にとっては、末莉シナリオは最終宣告に等しい。

 トドメを刺されて二度と現世に帰ってこられなくなります。

 ぼくは既に涅槃におりまする、へらへら。

 ロリ属性のない人間でも、そのテの素養がある人間ならクラッと来ること間違いなし。

 末莉シナリオを終えて、一瞬たりとも転ばなかった人だけが、非ロリ人間を名乗ること

ができます。

 でもそんな人生楽しくないと思うよ、ぼくは。

 ちなみにこの「転ぶ」という言い方は、江戸時代のキリシタン改宗政策に由来するんじゃ

ないでしょうか。

 当時、キリスト教徒をやめて他宗に改宗することを「転ぶ」と言ったらしいですから。
 
 
 
 
 
 閑話休題。

 これ以上関係ない話を書き綴るのはやめます。

 最後を多少なりとも綺麗な言葉でしめて、「家族計画」の感想レビューを終わろうと思

います。
 
 
 
 
 このゲームには、号泣できるような感動はありません。

 魂が震えるような熱い展開もありません。

「家族計画」が描いているのは、泥臭い人間ドラマです。

 笑い、怒り、悲しみ、喜び、慈しみ、愛する。

 そんな珍しくも何ともない、どこにでもあるような話です。

 しかし。

 だからこそ、確かな感動があります。

 魂を揺さぶられる熱い思いがあります。

 心に残る何かがあります。

 どことなく懐かしく、不思議に心地よい。

「家族計画」は、そんなゲームです。