北斗の拳 世紀末救世主伝説/PS
 
 
2000.11.17
 
 今や伝説となっている漫画・北斗の拳を、原作に極めて忠実にゲーム化したもの。
 制作したメーカーはバンダイ、最近ガンダムを中心に良質なソフトをたくさん出しているところです。
 
 
 まず最初に断っておきますが、このゲームを純粋にゲームの部分だけで見るならば、はっきり言って大した出来のソフトではありません。
 ポリゴンキャラは作りが粗いしアクションシーンは難易度が低いし、ポリゴンドラマ(とてもムービーとは言えない)も長い。
 演出も全て原作のファン向けに作られているので、それに関心のないプレイヤーでは何ら興味を引かれることはないでしょう。
 しかし、北斗の拳のファン向けゲームとして見るならば、それらの短所がすべて長所に一変します。
 まずOPムービー、ここで流れるのは当然「愛を取り戻せ!」。
 「You は Shock!」のシャウトを聞くだけで燃えられます。
 ドラマシーンも当然フルボイスで、ぼくは詳しくは知りませんが、TV版の頃の声優さんがそのまま演じているんだと思います。 神谷明節のケンシロウの雄叫びや「お前はもう、死んでいる」も健在。
 驚くべきはレイで、声を聞いてる限り塩沢兼人さんだとしか思えないんですよねぇ。
 CVの収録は塩沢さんが亡くなる前に終わっていたんだろうか…。
 そして肝心のアクションシーン。
 このシーン、難易度はかなり低く、何も考えずにケンシロウを操っていてもたいてい勝てます。
 しかしそれだからこそ良いのです!
 北斗神拳の使い手・ケンシロウは強くて当然!
 雑魚など物の数ではない!
 ってゆーか、実はボスクラスも大して苦戦しなかったりするのですが、それでも良いのです!
 だってケンシロウなんだから!
 
 
 ちょっと極端かもしれませんが、でもぼくは、この手の原作付きゲームは「いかに原作の雰囲気を再現できたか」が肝だと思っています。
 そもそも原作のファン以外が買うとは思えませんからね。
 その点で言えば、このゲームは非常に良くわかってます。
 戦闘が楽勝なのでケンシロウ気分にたっぷり浸れるし、ドラマシーンも原作の熱さをかなり再現しています。
 バットの養母が死ぬシーンではちょっと泣きそうになりました。
 ポリゴンが粗いのも、かえって「北斗の拳らしさ」を表すのに一役買ってます。
 このゲーム、北斗の拳が好きなら絶対に面白い。
 ファン限定ですが、これは買いです。