D.C. 〜ダ・カーポ〜/Windows
 

2002.07.02

 サーカスの学園ラブコメエロゲ。

 さすがに『水夏』で著しく評価を上げたサーカスだけあって、全体的に良く出来ており、

普通に出来が良いエロゲです。

 楽しく遊べるし、萌えキャラの一人や二人はいると思うので、買いの一本ですよ。

 

 

 

 

 さて、そんな風にソツのない本作ですが、一点だけ問題があります。

 本ソフトをプレイするに当たり、同社の前作品『アルキメデスの贈り物』に収録されて

いたD.C.体験版の先行プレイが必須だということです。

 これは時系列的に説明すればわかりやすくて、体験版がクリスマス、本ソフトが翌年の

三月〜四月時期を描いています。

 図示するとこんな感じ。↓

 

劇中時間の流れ   クリスマス      3月〜4月

−−−−−−−−−−−−◎−−−−−−−−−−◎−−−−−−−→

           体験版       D.C.ソフト

 

 だから、ヒロインとのファーストコンタクトイベントとかは体験版のみに収録されてい

るわけです。

 ってーか、ソレ体験版言わへんやん。

 『第一章』とか『D.C. 前編』とか言うだがや。

 例えるなら、メデスの体験版がコアファイターで、D.C.製品版がガンダムの上半身と下
半身ってところですか。

 これで合体したら実はガンタンクだったとかいうとオチまでついたんですが、そーゆー

ことはなく、ちゃんとガンダムになってくれます。

 ぼくは体験版をキッチリ遊んでから製品版遊んだからいいけど、メデス見送った人なん

かはツラい思いしたんじゃないかなあ。

 他人事ながら、こーゆーやり方はあんま宜しくないと思いますYO。

 ゲーム自体は良いだけに、その他の部分でミソつけちゃうのは惜しい。

 

 

 

 

 本作は、シナリオに関してはあんまり言うことありません。

 サーカスらしく、きちんとまとまってます。

 音夢シナリオ終盤の展開はお約束だったけどグッときた。

 意外だったのが美春シナリオ。

 どっちかっつーとオマケ的サブヒロインだと思ってたんだけど、まさかあーゆー話にな

るとは。(ネタバレガード)

 軽々しく奇跡が起こらないのもまた良い。

『美春』は本当に死んでいったもんな。

 EDの後、純一はどうしただろうかって考えると面白い。

 美春とくっついたのかねえ…。

 って、シナリオについて結構書いてますね。

 これ以上は取り立てて書くこともないので、この辺で切り上げておきます。

 

 

 

 

 本作は、冒頭でも書いたとおり、各要素が良く出来たバランスの良い一品です。

 メデスの体験版が不可欠ということを除けば欠点らしい欠点はないし、ソフトウェアの

安定性も高い。

 狩っといて良いんじゃないですかね。

 

 

 

 

 余談壱。

 本作には、『水夏』の白河さやか先輩がゲスト出演しております。

 彼氏である上代蒼司君と共に、馬鹿ップルっぷりを遺憾なく発揮してくれます。

 まあ水夏二章の話はちょっとダーク入ってたからねえ、思わず「良かったね良かったね」

なんて言いたくなっちまうぜ。

 つーか水夏には明るい話なんてないんだけど。

 

 

 

 

 余談弐。

 本作のサブキャラクターに、『麻生恋』なる人物がいます。

 ところでF&Cの萌え萌エゲーム『Canvas』の主人公名は『麻生大輔』で、ヒロ

イン一番人気推定馬番単勝倍率1.3倍の義妹名は『桜塚恋』なのですよね。

 つまり恋と大輔がくっついたら、『麻生恋』になると思われるわけですが…ハテサテこ
れは偶然なのくわ?

 

 

 

 

 余談参。

 この手の学園恋愛ADVの場合、シナリオに『謎』風味を加味するのがお約束となって

おりますな。

 これはぼくの想像ですが、そもそも”学園恋愛ADV”というジャンルを確立させたの

はLeafの『To Heart』だと思うのですよ。

 それ以前にも学園モノのエロゲは出ておりましたが、THがその集大成であったのでは
ないですかね。

 しかしTHには『謎』はありません。

 『謎』を加えるようになったのは、一年後に出た『ONE』の影響が大きいのではないかと

見ています。

 そして、その路線を引きついだ翌年の『Kanon』により、学園恋愛モノには謎がつきもの

となったのではないかと。

 まあこの推測が当たっているかどうかはともかく、昨今の学園ラブコメにはほぼ例外な

く『謎』があります。

 謎が無いのはKIDのメモオフシリーズくらい。

 たまにはナゾの無い素直な学園モノを遊びたいデス。