秋桜の空に/Windows
 
 
2001.08.29
 
 先日某チャットで、ネットなお友達べかやん氏に
「せりりんせりりん、こんなソフト知っちょるか?(byタイムツイスト)」
と薦められたのがこのソフトです。
 メーカー(ブランド?)はMarronという聞き慣れぬ会社。
 それもそのはずで、本作品がデビュー作なんですね。
 べかやん氏曰く
「すげー萌えるぞ。せりりんに絶対お薦めだ」
とのこと。
 べかやん氏はぼくの好みを熟知していらっしゃって、その彼が「萌えゲーだ」と自信を持って薦める以上、ギャルゲ―ガンダム四天王として買うしかないな! ということで買いました。
 …ホントに流されっぱなしの人生だな、ぼく。
 
 
 
 本作「秋桜の空に」についてですが、まずシステム回りはダメダメです。
 一応は現在のエロゲADVの基本・ADV32ですが、あんたらせめて他社のADV32システムくらいのレベルにはしてくれ、と泣いて御願いしたくなるくらいです。
 デバッグが不十分だったんじゃないかと疑うことしきりです。
 どこもかしこも全滅です。
 おお勇者よ、死んでしまうとは情けない! と王様に言われて言い返せないくらいに情けないです。
 修正パッチ当てなければバグだらけパッチファイルはやたらでかい上に実行がクソ重い苦労して当てても直るのは致命的エラーだけでシステムそのものは改善されない、と三拍子揃ってます。
 システム的には下の下です。
 それ以前に、パッチを当てなければ正常に動作しない、という時点でシステムとしては失格なんですがね。
 
 
 
 しかし、しかしですよ。
 システムには全く見るべきところはありません、むしろあまりの惨状に目を覆いたくなるのですが、そのかわりキャラとシナリオにはかなり気合入ってます。 
 とにかく非常に文章が面白くて、文章読みたさについついゲームを進めてしまいます。
 シナリオの出来も結構良いし、システムのヘボさをこっちで完全に取り戻して一気に黒字にしてくれています。
 そして特筆すべきがキャラ。
 超! 絶! 死ぬほど萌えまくり。
 ぼく内萌えゲーソフト最高位の一本となりました。
 なお参考までに、他の最高位のソフトは「Canvas」と「Bless」です。
 この二本もまた死ぬほど萌えます、特にBlessはユーザー少なそうなんでファン層を広げる意味でもオススメ。
 萌えに萌えまくって、21も買いましょう。
 さらに参考までに、ぼく内萌えゲーソフト高位は「みずいろ」などです。
 そーいえばみずいろはさつきちゃんに決まったそーで。
 みずいろの日記レビューを読んでいただければわかりますが、ぼくは前々から「さつきって感じだな〜」と思っていたので、さつき決定は嬉しいです。
 …あ、「秋桜の空に」とはまるで関係ない話だった。
 
 
 
 話が支離滅裂になってきたので、強引にシメます。
 本作品は、システムヘボ、音楽それなり、シナリオ良し、キャラクター最高! という見事な四段ピラミッドを構成しております。 方向性としてはONEやKanonに似ている(前半ギャグ・後半シリアス)ので、この二作が好きなら多分楽しめるでしょう。
 萌えゲーが好きなら文句なしで惚れること間違いなし。
 ぼくは惚れました。
 ちなみにぼくの後輩Rくんは先日、「俺泣きゲーって吐き気がするほど嫌いなんですよ」とほざいてやがりました。
 今度一回徹底的に泣かせてやろうと思いました。まる。
(暴力じゃありません。例えばKanonをノンストップ二十四時間ぶっ続けで泣くまでプレイさせ続ける、とかの至って平和で友好的な手段です)
 
 
 
 以下シナリオについてのネタバレ感想(ただし一部)。
 
佐久間春姫:
 基本的には不満はないんですが、一つだけ。
 エンディング、春姫が「初めて靖臣が水泳から逃げた理由がわかった」とモノローグで語るシーン。
 ここに、本編中で春姫が靖臣を詰ったシーンを入れて欲しかった。
 そうすればもっと良くなったと思う。
 あと春姫が靖臣を追っかけるCG、春姫がt-ウィルスに冒されてるよーな…。
 
 
 
 余談。
 昨今のギャルゲ・エロゲでは、「色んな趣味の人に対応できるように」と、バラエティに富んだ女の子たちがいらっしゃいます。
 しかしそのために、大抵のユーザーの場合、それぞれのゲームであんまりクリアする気の起きない萌え度の低いキャラが生まれてしまうのもまた事実であります。
 さて、そんなゲームでも、一本数千円もする高い買い物。
 中古でも\3,000くらいなら安い方です。
 それだけ出して買った以上、ゲームを完全に遊び尽くしたいと思うのがゲーマーのサガ。
 ではそんな場合に気をつけるべきことは?
 それは、

全キャラクリアを目指すなら、最初は一番萌え度の低いキャラをクリアすべし!

ということです。
 好きなキャラからクリアしていって最後に萌え度低いキャラ残したりなんかしたらもう最悪で、よっぽどのこと
(全キャラクリアしないとおまけルートが開かない)等の理由でもない限りまずクリアしませんね。
 たとえクリアしたとしても、それは半ば作業になってしまうでしょう。
 間違いありません、だって経験者が言うんだから。
 しかし、逆に萌え度の低いキャラからクリアしていったなら。
 後になればなるほど楽しみが増していって、最後のシナリオを後味良くスッキリ爽やかママレモンって感じで終わらせることが出来るのです。
 美味しい物は最後に食べた方が美味いのです。
 だからピーマンやにんじんは最初に食べてしまいましょう。
 
 
 
 
 なお最後に。
 べかやん氏は本作品の感想として、
「気を抜くとすずねえとカナ坊のシナリオに行きそうになってしまう」という名言を遺されました。
 萌えを否定し煙硝と血痕の世界に生き続けたべかやん氏でさえ、本作品の前には銃を抜けなかったのです。
 みなさま、我らが偉大なるべかやん氏の尊い犠牲を無駄にすることなく、皆で本作品を買ってMarronを応援しましょう。
 またこんなとてつもない萌えゲーを出してくれるように。
 

(べかや〜ん、この辺読んでも怒んないでね〜。笑)
 
 
 
 
2002.09.20

 KSSノベルズから、本作の小説が出ました。
 エロゲノベルといえばフツーは本編のシナリオの焼き直しに留まるものですが、本作の場合はシナリオライター竹井10日氏による完全オリジナルストーリーなのですね。
 秋桜ファンとして読むしかないな! とゆーことで、店頭で見かけて即買いしてきました。
 相変わらずの秋桜テイスト満載で大変面白かったのですが、とりあえず三つ言いたい。
 
 
1. すずねえにスク水は似合わない!
(↑『銀河戦国群雄伝ライ』の狼刃の遺言調で読むこと)
 
2. カナ坊はダブリどころかトリプラー(≒ジェットストリームアタック)をも超えている。
 
3. 竹井10日氏、もしかして『家族計画』遊びましたか?
 いや文中、カナ坊に対しやたらペドという単語が出てくるのですよ。
 『秋桜の空に』本編ではペドという単語一度も出てこなかったはずだし、今現在この言葉がメジャーになっているのはひとえに家族計画の功労。
 だから家族計画遊んでるんじゃないかなあ、とか思ったり。
 
 
 ま、それはともかく。
 小説版はすずねえエンド後という設定で、本編以上にトンデモな展開が続くし、すずねえシナリオの空白部分が明らかになったり、とファンなら絶対楽しめます。
 秋桜ファンなら購入は義務ですYO。
 
 
 
 
 余談。
 小説のみ登場の『練馬かすが』さん、良いですねえ。
 鞠音や小鹿に並ぶナイスなサブキャラですねえ。
 竹井10日氏はこーゆーキャラを作るのが本当に上手いなあ。
 でも地味に一年以上新作出してないんだよね…「おねーちゃんの3乗」はいつ出るのやら。
 全然関係ないが、「おねーちゃん参上」とか「おねーちゃん惨状」は誤変換だがなんとなくすずねえっぽい誤変換だと思う。