2000.9.1
既にお馴染みとなったガンダムゲームの第三作目。 初代の「Gジェネレーション」から第二作目の「GジェネZERO」への移行に関しては大幅なシステム改良が加えられましが、「GジェネZERO」から本作「GジェネF」への移行では、さしたるシステム変更はありません。 基幹システムであるMS開発・パイロット育成、母艦を中心としたオリジナル軍編成、MPによるテンションシステムなどは全く同じと言って差し支えないほど。 セーブロードの長さも相変わらず。 唯一の強化は「支援攻撃システム」くらいで、自軍ユニットが攻撃を仕掛ける際、該当する敵を射程範囲に含む未行動の同一グループユニットが存在した場合、そのユニットから援護攻撃を受けることが出来るというもの。 文章で説明すると難しいですが、例えば味方二機が敵一機に隣接していた場合、二機同時にビームサーベルで斬りつけることができる、というシステムです。 ダメージ期待値が大幅に上がる上、敵を倒したら二機とも経験値が入るので、Fでの基本戦術となります。 しかし改変はそれくらいで、後はMS設計・開発プランが変更されたこと、シナリオ・登場MSが大幅に増えたことくらい。 よって、システム的に見るならば全く進化のないゲームだと言えるのですが、そのかわり演出面がさらにさらに強化されています。 GジェネZEROでアニメ原作の再現度を上げましたが、それがより一層顕著になっています。 なんたって、「めぐりあい宇宙」や「終結〜水の星へ愛をこめて」までが演出曲として使われていますから。 これらの原作最終話で使われた曲が使われているゲームはこれだけです。 原作のファンなら絶対燃える展開。 逆に原作知らないと面白くも何ともないでしょうが、非ガンダマーがこのゲームを買うとは到底思えないから別に問題ないでしょう。 万人向けではなく、ファンオンリーソフトとして特化するのはある意味正しい選択です。 ガンダマーなら絶対面白いので、お薦め。 ところで。 GジェネFについて書いたついでに、ギレンの野望との対比について簡単に考えてみます。 今やガンダムゲームと言えばGジェネとギレンの双璧が決まり文句となっており、RPGがドラクエとFFであるように、ガンダムゲームはGジェネとギレンなのです。 これはどちらもバンダイのゲームですが、とても巧い作り方をしています。 まずギレンの野望シリーズですが、こちらはシステム面を極めたガンダムゲームと言えます。 「一年戦争のif」が基本であり、いわば「登場ユニットをガンダムにした大戦略」。 戦略シミュレーションゲームとして十分過ぎるほどの歯ごたえを持っているのですが、その分演出面が弱い事は否めない。 原作の名シーンや名曲を再現しようにも、それを有効に活かせるシチュエーションがそもそも作れないわけです。 せいぜいがパイロット同士の会話くらい。 これはギレンのシステムを思えばやむを得ないことであり、もし原作の名シーンを再現するなら、 「特定のキャラが特定のMSに搭乗して特定の敵パイロット搭乗の敵MSと特定の条件下で戦闘する」 くらいに面倒くさい条件になってしまいます。 一方Gジェネシリーズ。 こちらは、システム的にも面白いのですが、「原作にそった展開を見ていく」というのがゲームの基本スタンスとなっています。 だから、ギレンシリーズではほとんど使えない、原作の名シーンや名曲をこれでもかこれでもかと言わんばかりに使うことが出来る。 つまり「ギレン」がシステム的なガンダムゲームであるのに対し、「Gジェネ」は演出的なガンダムゲームだと言えると思います。 だからこそ、ギレンとGジェネシリーズはガンダマーという限られた購買層を奪い合うことなく、二巨頭として共存していけるのではないでしょうか。 GジェネFの話ではありませんでしたが、GジェネFとギレンシリーズに関してぼくの思う事を書いてみました。 最後に、このGジェネレーションFには一つだけ致命的な欠陥があります。 それは、ディスク1でなければ起動できないということです。 ディスク2で起動しても、ディスク1を入れ直すよう言われるだけ。 これは非常に不親切。 この点だけは残念です。 |