2001.5.27
エロゲーメーカーBasiLが出したエロゲー。
このソフトはまだBasiLの二本目で、しかも一本目のことは風の噂ですら聞いたことが無いので、ぼくはこのメーカーについては何にも知りません。
しかしその分、先入観を持つことなく、純粋にゲームを遊ぶことができました。
このゲームの舞台は病院であり、主人公はそこに勤務する青年医師。
彼は幼い頃に母を病で亡くし、そのために医者を目指しました。
そんな彼が勤務する病院で殺人事件が起こる、というのが大方のあらましです。
このゲーム、基本画面は他のADVと同じなのですが。
特徴的な要素として、「フローチャート」と「信頼設定」があります。
フローチャートはその名の通りフローチャートで、最初は意味わかんないのですが、何度も遊ぶうちにその利便性がわかります。
これがあるおかげで未通過のルートが一目でわかるので非常に便利。
一方の信頼設定はこのゲーム独特の要素で、これは「誰を信用して誰を信用しないか」ということを、「信頼」「平常」「疑惑」の三つから選ぶというもの。
これは主要な登場キャラ全てに対して設定することが出来る…というより、全キャラに対して必ず設定しなければならない。
ゲーム開始時点では皆「平常」となっていて、これを「信頼」にするか「疑惑」にするかは全てプレイヤーの自由。
怪しそうな男キャラだけではなく、ヒロイン全てに対してもこの信頼設定は行わねばなりません。
この信頼設定の変更はいつでも行うことが出来、この設定次第でシナリオ展開が変わる…んだと思います。
他のゲームシステムに関しても、既読スキップ・既読読み返し・CG・音楽モード・Hシーン再生・エンディング再生・クイックセーブロードなどなど、必要とされる部分をきちんと押さえていて、非常に軽快に動作してくれるため、全くストレス無くゲームを遊ぶことができます。
システム面に関しては、何か言おうものならそりゃケチ以外の何物でもないってなくらいにバッチリ整っています。
およそゲームにおいて、システム面の不備でユーザーにストレスを与えることほど愚かなことはありません。
BasiLはその辺りを良く分かっていますね。
次にシナリオ。
上でちょっと書きましたが、ADVとしての選択肢と「信頼設定」次第でシナリオが変わっていく…んだと思いますが、実際どの辺で変わってるのかはよく分かりません。
選択肢によるフラグが多く、そこに「信頼設定」なんていうよく分からない物が絡んでくるので、シナリオ変化ポイントを確実に見切るのは至難のワザ。
しかしフローチャートを見ればある程度は予測できるので、メモをとったりしなくても、何度か遊べば十分対処できるでしょう。
シナリオそのものは、本作品のテーマである「生きるということ」「不老不死とは何か?」を中心に、それぞれのヒロイン毎に個別のシナリオが描かれています。
特に泣けるとかそーゆーことはありませんし、共通部分と比べればヒロイン個別部分は少ないのですが、きっちり描いているので、これはこれで良いでしょう。
ちゃんと頑張ってると思いますよ。
書き落としていましたが、CGはかなり綺麗です。(詳しくはメーカーサイトをご覧あれ)
キャラデザに有名な人を招いてるらしーですが、ぼくは西又葵氏しか知りません。
BGMも当然CD−DAでなかなかのクオリティ。
システムセーブでは外部セーブ可能。
つまり、システムに隙が無くシナリオが面白いゲームであると言えます。
総じて見てとても出来が良いので、これはお薦めです。
個人的には、買って損をしない、というより、買わないと損をしている、というくらい気に入りましたから。
ただしH度はさほど高くありませんが。
以下は本作品に関する与太話。
ぼくがこのソフトを買った理由は、単に「店頭で見かけて限定版という言葉に惹かれた」というだけだったのですが。
家に帰ってやってみて、このソフトが実は、以前にP天を読んでいて
「お、この新作は面白そうだな、よし買おう!」と思ったソフトだったのだと気付きました。
実際やってみた結果、ぼくの直感は間違っていませんでした。
21-TwoOne-、すごく気に入りました。
発売前の雑誌の一記事で良さを感じ取り、発売日に買い逃すことなく見事に限定版をゲットした自分を、二重に褒めてあげたい気分です。
2001.05.30
ネットで攻略情報を拾ってきて全キャラクリア、全エンディング見ました。
せっかくのやり応えのあるシステムなのですが、やり込んでいる暇はないのです…ティアリングサーガだって全然やってないし。
それはともかく。
これにてCG達成度100%、イベント通過率(ルート通過率)99%。
ほぼコンプリートしました。
そういうわけなので、主にシナリオに関しての補足を書いて、21に関する感想レビューを終わります。
本作には、最近流行の仕掛けであるアレ(エンディングフラグ)とコレ(おまけしなりお)があります。
アレに関しては詳しくは言いたくないので書きませんが、遊べばピンときます。
「ああ、なるほど、そういうことか」と。(ネタバレ!)
特に紅葉エンディングはねぇ…まぁねぇ、ああするしかないよねぇ。
一応は黒幕だったんだし、あっさりさっぱりスッキリとしたハッピーエンドにはできんわなぁ。
そしてコレのおまけシナリオ。
すいません、正直に言います。
本編より面白かったです。
というか、一応は「おまけシナリオ」という体裁ではあるけれど、全然おまけなんかじゃない。
『ラストのシナリオ』として見て全然問題ないクオリティ。
本編終了後でなければ見られないために「ユーザーは全シナリオの知識がある」という前提で描けるわけで、そのために本編では見られなかったキャラクターの魅力が余すところ無く引き出されています。
個人的には原崎が実に良かった、おまけシナリオ通して面白かったけれど、中でも四日目と七日目が素晴らしく面白かった。
…っておまけシナリオのことばっかり書いていてもしょうがないんですが。
本編で値段分以上に十分楽しめるし、最後のおまけシナリオでさらにプラスアルファして楽しめる!
この作品は本当にレベルが高いです。
エロゲユーザーなら絶対遊んでおきたい一本。
誇張でも大袈裟でもなんでもない、それくらい良い出来です。 |