レア品、珍品、逸品など、そう言った歴史的観点に立っての品はありませんが、私が入手 し得たアイテムが幾つかあるのでそれを紹介していきましょう。
2007年、30年ぶりにF1が開催されるFISCO(富士スピードウェイ)の麓、御殿場市にでき たモータースポーツの博物館である、「レーシングパレス」に行こうと、友人を助手席に 乗せ、共に東名サーキットを走り、降りるインターをどう言う訳か乗り過ごし、一つ先の インターからヒイコラ言いながら、あちこち彷徨いながらどうにか辿り着いた。
そこには私が見た事もない、古のF1マシンがいくつも鎮座していた。ウィリアムズFW16、 マクラーレンMP4/6、ロータス99T/97T、マーチ881、ティレルP-34、下位カテゴリーのマシ ンや、GTカー等が展示してあり、冷めてる友人をよそに、一人興奮し、一人友人専用ガイ ドとなっていた。マクラーレンとウィリアムズのマシンは実物を見た事があったが、よも や写真でしか見た事のない、私にとってのF1紀元前のマシンが間近で見られようとは思っ ても見なかった。マーチに至っては、実際に乗り、その模様を写真に撮れるとあって、私 はボディに体を沈めた。「き、キツイ(汗)」。体格の良いF1ドライバーであるが、よ もやマシンがここまで狭いものであるかを身をもって体験したのであった。
興奮もそこそこに、外に出ると、何やらガレージセールをしているようだ。そこには、色々 な、マシンのパーツがあった。エンジンのエキパイや、サスペンション、カウル、ウィング。 どれも高く、手が出せるものではなかった。ところが、少し離れたところに、ホイールが 置かれている。恐る恐る、いくらか聞いてみる。すると安いではないか。ケタが一ケタ違っ ていた。十万円を軽く越えるパーツを他所に、フロントが1万5千円、リアが2万円との事。 他では(F1雑誌等に出ているパーツ販売)絶対こんな価格では出ない。サイフを覗く。 なんとか買えそうだ。フロント・リアと両方買おうかとも思って、友人に持ち合わせがある か聞いたが、少し考えたが、置く場所を考えてフロントを買うことにした。憧れの5つリ ムのスピードラインのホイール。マクラーレンに使われていたのだといいナーと思いつつ、 聞いてみると、さっき乗ったレイトンハウスで使われていたものだとの事だった。手にとっ てみる。軽い。片手で楽に持ち上げられる。タイヤも出ていたので聞いてみると、やはり タイヤはケタが上がってしまうとの事で、購入を諦めた。それでも、日本のF1業界で有 名な川井ちゃんこと、川井一仁氏のタイヤホイールテーブルにあこがれていた私にとって、 夢への第1歩となるのであった。
恵比寿と言ったらモータースポーツファンは元より、模型&フィギュア好きには堪らない 聖地とも言うべきミスタークラフトがでんと構えているが、線路を挟んで反対側の、明治 通りに店を出したF1グッズ関連のチェーン店スピードボックス。店の顔として、F1に はじめてターボチャージャーを導入した、ルノーターボの初年度エンジンが鎮座していた のに驚いた。こちらは、F1をメインに、レースの開催されたサーキットへ行かないと入 手できないであろうグッズが並んでいて、当然高い。パドックパスやらなんやら。当時、 数万円のものですら全く雲の上の存在であったから、私はピンバッジやTシャツ等、なん とか数千円内で収まる物ばかりを物色するのであった。
本物ばかりが並んでいるとは言え、購入層がある程度限られている。また、マーケティン グが大きいわけではなく、F1も少しずつブームが去り始めると、いつまでも高価なグッ ズが流れるように売れるわけもなく、残念ながら店じまいする事になった。ほとんどが半 額以下で販売されており、物によっては、7・8割引にもなっていた。そこに私は気にな るパーツを見つけた。実は、通常営業していた時から目にしていたのだが、如何せん高く て手が出せなかったエンジンピストンがあった。
その物体には、「出所は敢えて、不詳ですが(!)、キチンとした代物です」と紹介され ていた。その大きさと、5バルブと言う珍しい形状から、私はあのエンジンだろうと思っ た。仮に違うとしても、そう思う事で、嘗ての苦戦したチームに乗っていたドライバーを 偲ぶことができるからである。
(2006.10.10)