「改正労働基準法」 平成22年4月施行
 | トップページへ戻る | 労働基準法メニューへ戻る | 実用ソフト集 |          2009年06月16日更新

労働基準法の一部を改正する法律の施行について(概要)

 厚生労働省労働基準局長は平成21年5月29日、「労働基準法の一部を改正する法律の施行について」を発出していますので、その概要を見ておきたいと思います。

  なお、改正法及び改正省令の施行期日並びに改正告示の適用日は、平成22年4月1日です。

  (2009/06/16更新)


第1  時間外労働 (法第36条第2項及び限度基準関係)
 趣旨
 長時間にわたる時間外労働の抑制を図るために厚生労働大臣が定めている限度基準においては、臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わざるを得ない特別の事情が生じた場合に限り、特別条項付き協定を締結することによって限度時間を超えて時間外労働を行うことができることとされている。

 しかしながら、時間外労働は本来臨時的なものとして必要最小限にとどめられるべきものであり、特別条項付き協定による限度時間を超える時間外労働は、その中でも特に例外的なものとして、労使の取組によって抑制されるべきものである。

 このため、労使の努力によって限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を引き上げること等により、限度時間を超える時間外労働を抑制することとしたもの。


 限度基準で定めることができる事項(法第36条第2項関係)
 使用者に対し経済的負担を課すことによって時間外労働を抑制するという割増賃金の機能を踏まえ、法第36条第2項において、限度基準で定めることができる事項として、割増賃金の率に関する事項を追加したもの。


 特別条項付き協定で定める事項
(1) 限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率の定め(限度基準第3条第1項ただし書関係)
  限度基準第3条第1項ただし書において、特別条項付き協定では、限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めなければならないこととしたもの。

則第16条第1項及び限度基準第2条の規定に基づき、労使当事者は時間外労働協定において
①一日を超え三箇月以内の期間及び②一年間について延長時間を定めなければならないこととされており、①及び②の期間の双方について特別条項付き協定を締結する場合には、それぞれについて限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めなければならない。

なお、限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率は、法第89条第2号の「賃金の決定、計算及び支払の方法」として就業規則に記載する必要がある。

(2)  限度時間を超える時間外労働の短縮(限度基準第3条第2項関係)
 限度基準第3条第2項において、労使当事者は、特別条項付き協定を締結する場合には、限度時間を超える時間外労働をできる限り短くするように努めなければならない。

(3)  限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率の引上げ(限度基準第3条第3項関係)
  限度基準第3条第3項において、労使当事者は、?により特別条項付き協定において限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めるに当たっては、時間外労働について法第37条第1項の政令で定める率(二割五分)を超える率とするように努めなければならないこと。

(4)  一年単位の変形労働時間制の場合(限度基準第4条第2項関係)
  一年単位の変形労働時間制により労働する労働者(対象期間が三箇月を超える変形労働時間制により労働する者に限る。以下同じ。)に係る限度時間については、限度基準第4条第1項に基づき、当該制度によらない労働者より短い限度時間が定められているが、同条第2項において、第3条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定を準用し、一年単位の変形労働時間制により労働する労働者についても、労使の努力によって限度時間を超える時間外労働を抑制することとしたもの。

 限度基準の遵守、助言及び指導
 法第36条第3項の規定に基づき、労使当事者は、時間外労働協定を締結する際には、その内容が限度基準に適合したものとなるようにしなければならないこととされており、法第36条第4項の規定に基づき、労働基準監督署長は、限度基準に適合しない時間外労働協定の届出がされた場合にその是正を求めるなど限度基準に関し、労使当事者に対し、必要な助言及び指導を行うことができることとされている。
 このため、特別条項付き協定において限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率が定められていないなど特別条項付き協定が限度基準に適合していない場合には、労働基準監督署長による助言及び指導の対象となるものであること。

 適用期日
  改正告示による限度基準の改正内容は、いずれも労使当事者が特別条項付き協定を締結する際に適用され、改正告示の適用日である平成22年4月1日以後に特別条項付き協定を締結する場合及び同日前に締結された特別条項付き協定を同日以後に更新する場合に適用される。


第2  法定割増賃金率(法第37条第1項ただし書及び第138条並びに改正法附則第3条第1項関係)
 法定割増賃金率の引上げ(法第37条第1項ただし書関係)
(1)  趣旨
  時間外労働に対する割増賃金の支払は、通常の勤務時間とは異なる特別の労働に対する労働者への補償を行うとともに、使用者に対し経済的負担を課すことによって時間外労働を抑制することを目的とするものである。

 一方、少子高齢化が進行し労働力人口が減少する中で、子育て世代の男性を中心に、長時間にわたり労働する労働者の割合が高い水準で推移しており、労働者が健康を保持しながら労働以外の生活のための時間を確保して働くことができるよう労働環境を整備することが重要な課題となっている。
 このため、割増賃金による使用者の経済的負担を加重することによって特に長い時間外労働を強力に抑制することを目的として、一箇月について60時間を超えて時間外労働をさせた場合には、その超えた時間の労働について、法定割増賃金率を現行の二割五分以上の率から五割以上の率に引き上げることとした。

 なお、法第138条に規定する中小事業主の事業については、当分の間、法定割増賃金率の引上げの適用が猶予される。

(2)  対象となる時間外労働
 法第37条第1項ただし書において、使用者が一箇月について60時間を超えて時間外労働をさせた場合には、その超えた時間の労働については、通常の労働 時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないこととした。

 「一箇月」とは、暦による一箇月をいうものであり、その起算日を法第89条第2号の「賃金の決定、計算及び支払の方法」として就業規則に記載する必要がある。

 一箇月の起算日については、毎月1日、賃金計算期間の初日、時間外労働協定における一定期間の起算日等とすることが考えられるが、就業規則等において起算日の定めがない場合には、労使慣行等から別意に解されない限り、賃金計算期間の初日を起算日とするものとして取り扱う。

 「その超えた時間の労働」として五割以上の率で計算した割増賃金の支払が義務付けられるのは、一箇月の起算日から時間外労働時間を累計して60時間に達した時点より後に行われた時間外労働であること。

 なお、法の施行日である平成22年4月1日を含む一箇月については、施行日から時間外労働時間を累計して60時間に達した時点より後に行われた時間外労働について、五割以上の率で計算した割増賃金の支払が必要となる。

(3)  休日労働との関係
  法第35条に規定する週一回又は四週間四日の休日(以下「法定休日」という。)以外の休日(以下「所定休日」という。)における労働は、それが法第32条から第32条の5まで又は第40条の労働時間を超えるものである場合には、時間外労働に該当するため、法第37条第1項ただし書の「一箇月について60時間」の算定の対象に含めなければならない。

 なお、労働条件を明示する観点及び割増賃金の計算を簡便にする観点から、就業規則その他これに準ずるものにより、事業場の休日について法定休日と所定休日の別を明確にしておくことが望ましい。

(4)  深夜労働との関係(則第20条第1項及び第68条関係)
  則第20条第1項の「(その時間の労働のうち、(中略)七割五分以上)」とは、深夜労働のうち、一箇月について60時間に達した時点より後に行われた時間外労働であるものについては、深夜労働の法定割増賃金率と一箇月について60時間を超える時間外労働の法定割増賃金率とが合算され、七割五分以上の率で計算した割増賃金の支払が必要となる。

 なお、法第138条に規定する中小事業主の事業については、当分の間、一箇月について60時間を超える時間外労働の法定割増賃金率の引上げの適用が猶予されていることから、則第68条において、則第20条第1項の規定を読み替え、現行どおりの割増賃金率である。

 中小事業主に対する猶予措置(法第138条及び改正法附則第3条第1項関係)
(1)  趣旨
 特に長い時間外労働を抑制することを目的として、法第37条第1項ただし書 において、一箇月について60時間を超える時間外労働について、法定割増賃金率を五割以上の率に引き上げる。

 しかしながら、経営体力が必ずしも強くない中小企業においては、時間外労働抑制のための業務処理体制の見直し、新規雇入れ、省力化投資等の速やかな対応が困難であり、やむを得ず時間外労働を行わせた場合の経済的負担も大きい。
 このため、法第138条において、同条に規定する中小事業主の事業については、当分の間、法定割増賃金率の引上げの適用を猶予することとしたものである。
 これに伴い、法第37条第3項の規定による代替休暇も適用されない。

 なお、改正法附則第3条第1項において、改正法の施行後三年を経過した場合において、中小事業主に対する猶予措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされている。

(2)  猶予措置の対象(法第138条関係)
 中小事業主の範囲
 法第138条の「中小事業主」は、資本金の額又は出資の総額及び常時使用する労働者数によって判断される。
 具体的には、次の業種の分類に応じて、それぞれに該当する場合に、中小事業主に該当することとなる。
 なお、中小事業主の判断は、事業場単位ではなく、企業単位で判断される。

 小売業資本金の額若しくは出資の総額が五千万円以下又は常時使用する労働者数が
  五十人以下である場合

 サービス業資本金の額若しくは出資の総額が五千万円以下又は常時使用する労働者
  数が百人以下である場合

 卸売業資本金の額若しくは出資の総額が一億円以下又は常時使用する労働者数が
  百人以下である場合

 その他の業種資本金の額若しくは出資の総額が三億円以下又は常時使用する労働者
  数が三百人以下である場合

 これは、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項に規定する中小企業者の定義を参考にしたものであり、資本金の額又は出資の総額及び常時使用する労働者数の少なくとも一方がこの基準を満たしていれば、中小事業主に該当する。

 なお、中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者は、一定範囲の「会社及び個人」とされているが、法第138条に規定する中小事業主については、労働基準法が適用される事業主であれば、例えば、独立行政法人や協同組合等「会社及び個人」以外であっても該当し得る。

 業種の判断
 法第138条の「中小事業主」の判断における業種の分類は、日本標準産業分類(平成21年総務省告示第175号)に基づくものである。

 一の事業主が複数の業種に該当する事業活動を行っている場合には、その主要な事業活動によって判断されるものであること。主要な事業活動とは、過去一年間の収入額・販売額、労働者数・設備の多寡等によって実態に応じて判断される。

 資本金の額又は出資の総額の判断
 法第138条の「資本金の額又は出資の総額」は、法人登記、定款等の記載によって判断される。

 常時使用する労働者数の判断
 法第138条の「常時使用する労働者の数」は、当該事業主の通常の状況によって判断されるものであること。
 臨時的に労働者を雇い入れた場合、臨時的に欠員を生じた場合等については、労働者の数が変動したものとしては取り扱わない。

 労働者の数は、労働契約関係の有無によって判断されるものであること。
 例えば、出向者については、在籍出向者は出向元と出向先の両方との間に労働契約関係があるため両方の労働者数に算入され、移籍出向者(転籍者)は出向先との間に労働契約関係があるため出向先の労働者数に算入される。

 また、派遣労働者は、派遣元との間に労働契約関係があるため、派遣元の労働者数に算入される。

(3)  検討規定(改正法附則第3条第1項関係)
  法第138条に規定する中小事業主の事業については、法第37条第1項ただし書の規定による一箇月について60時間を超える時間外労働の法定割増賃金率の引上げの適用が猶予されているが、改正法附則第3条第1項において、政府は、改正法の施行後三年を経過した場合において、法第37条第1項ただし書及び第138条の規定の施行の状況、時間外労働の動向等を勘案し、これらの規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされる。


第3  代替休暇(法第37条第3項関係)
 趣旨
  特に長い時間外労働を抑制することを目的として、一箇月について60時間を超える時間外労働について、法定割増賃金率を引き上げることとされているが、臨時的な特別の事情等によってやむを得ずこれを超える時間外労働を行わざるを得ない場合も考えられる。

 このため、そのような労働者の健康を確保する観点から、特に長い時間外労働をさせた労働者に休息の機会を与えることを目的として、一箇月について60時間を超えて時間外労働を行わせた労働者について、労使協定により、法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払に代えて、有給の休暇を与えることができる。
  なお、法第138条に規定する中小事業主の事業については、当分の間、法定割増賃金率の引上げは適用しないこととされていることに伴い、法第37条第3項の規定による代替休暇も適用されない。

 代替休暇に係る労使協定の締結
  法第37条第3項の休暇(以下「代替休暇」という。)を実施する場合には、事業場において労使協定を締結する必要がある。

 この労使協定は、当該事業場において、法第37条第1項ただし書の規定による割増賃金の支払による金銭補償に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇の付与による補償を行うことができることとするものであり、個々の労働者に対して代替休暇の取得を義務付けるものではない。

 労使協定が締結されている事業場において、個々の労働者が実際に代替休暇を取得するか否かは、労働者の意思による。

 法第37条第3項の「労働者の過半数を代表する者」については、則第6条の2第1項において、①法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと及び②法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であることのいずれにも該当する者とされている。

 なお、労使協定の締結によって代替休暇を実施する場合には、代替休暇に関する事項を法第89条第1号の「休暇」として就業規則に記載する必要がある。

 代替休暇に係る労使協定で定める事項
(1)  代替休暇として与えることができる時間の時間数の算定方法(則第19条の2第1項第1号関係)
  則第19条の2第1項第1号の代替休暇として与えることができる時間の時間数の算定方法については、同条第2項において、一箇月について60時間を超えて時間外労働をさせた時間数に、労働者が代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率と、労働者が代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率との差に相当する率(以下「換算率」という。)を乗じるものとされており、労使協定では、この算定方法にしたがって具体的に定める必要がある
。(図1参照)

 労働者が代替休暇を取得しなかった場合に支払う割増賃金率は、法第37条第1項ただし書の規定により五割以上の率とする必要があり、労働者が代替休暇を取得した場合に支払う割増賃金率は、同項本文の規定により二割五分以上の率とする必要があり、いずれも法第89条第2号の「賃金の決定、計算及び支払の方法」として就業規則に記載する必要がある。

(図1)
 代替休暇として
 与えることができる
 時間の時間数
一箇月の時間
外労働時間数
60 × 換算率


 換算率  労働者が代替休暇を取得
 しなかった場合に支払うこ
 ととされている割増賃金率
  (五割以上)
 労働者が代替休暇を取得
 した場合に支払うことと
 されている割増賃金率
  (二割五分以上)


(2)  代替休暇の単位(則第19条の2第1項第2号関係)
 代替休暇の単位については、まとまった単位で与えられることによって労働者の休息の機会とする観点から、則第19条の2第1項第2号において、一日又は半日とされており、労使協定では、その一方又は両方を代替休暇の単位として定める必要がある。

 「一日」とは労働者の一日の所定労働時間をいい、「半日」とはその二分の一をいうものであること。
 「半日」については、必ずしも厳密に一日の所定労働時間の二分の一とする必要はないが、その場合には労使協定で当該事業場における「半日」の定義を定めておくこと。

 また、代替休暇として与えることができる時間の時間数が労使協定で定めた代替休暇の単位(一日又は半日)に達しない場合であっても、則第19条の2第1項第2号において、「代替休暇以外の通常の労働時間の賃金が支払われる休暇」と合わせて与えることができる旨を労使協定で定めたときは、当該休暇と代替休暇とを合わせて一日又は半日の休暇を与えることができる。
 
 「代替休暇以外の通常の労働時間の賃金が支払われる休暇」としては、代替休暇の実施に伴って任意に創設される休暇を想定しているものであるが、事業場の既存の休暇制度や、法第39条第4項の労使協定が締結されている事業場において労働者が請求した場合に同項の時間単位年休を活用することも差し支えない。

 なお、「代替休暇以外の通常の労働時間の賃金が支払われる休暇」と代替休暇とを合わせて与えた場合においても、法第37条第1項ただし書の規定による法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払に代えることができるのは、代替休暇の部分に限られるものである。

(3)  代替休暇を与えることができる期間(則第19条の2第1項第3号関係)
 代替休暇を与えることができる期間については、特に長い時間外労働が行われた月から一定の近接した期間に与えられることによって労働者の休息の機会とする観点から、則第19条の2第1項第3号において、時間外労働が一箇月について60時間を超えた当該一箇月の末日の翌日から二箇月以内とされており、労使 協定では、この範囲内で定める必要がある。

 なお、代替休暇を与えることができる期間として労使協定で一箇月を超える期間が定められている場合には、前々月の時間外労働に対応する代替休暇と前月の時間外労働に対応する代替休暇とを合わせて一日又は半日の代替休暇として取得することも可能である。

(4)  代替休暇の取得日及び割増賃金の支払日
 代替休暇については、賃金の支払額を早期に確定させる観点から、(1)から(2)までの事項以外の事項として労使協定で定められるべきものとして、次のものが考えられる。

 労働者の意向を踏まえた代替休暇の取得日の決定方法
 労働者の代替休暇取得の意向については、一箇月について60時間を超えて時間外労働をさせた当該一箇月の末日からできる限り短い期間内において、確認されるものとすること。
 代替休暇を取得するかどうかは、労働者の判断による(法第37条第3項)ため、代替休暇が実際に与えられる日は、当然、労働者の意向を踏まえたものとなる。

 一箇月について60時間を超える時間外労働に係る割増賃金の支払日
 一箇月について60時間を超える時間外労働に係る割増賃金の支払日については、労働者の代替休暇取得の意向に応じて、次のようになるものであること。
 (図2参照)

 労働者に代替休暇取得の意向がある場合には、現行でも支払義務がある割増賃金(法第37条第1項本文の規定により二割五分以上の率で計算した割増賃金)について、当該割増賃金が発生した賃金計算期間に係る賃金支払日に支払うこと。

 なお、代替休暇取得の意向があった労働者が実際には代替休暇を取得できなかったときには、法第37条第1項ただし書の規定による法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金について、労働者が代替休暇を取得できないことが確定した賃金計算期間に係る賃金支払日に支払う必要があること。(下記4参照)

 a以外の場合(労働者に代替休暇取得の意向がない場合、労働者の意向が確認できない場合等)には、法定割増賃金率の引上げ分も含めた割増賃金(法第37条第1項ただし書の規定により五割以上の率で計算した割増賃金)について、当該割増賃金が発生した賃金計算期間に係る賃金支払日に支払うこと。

 なお、法定割増賃金率の引上げ分も含めた割増賃金が支払われた後に、労働者から代替休暇取得の意向があった場合には、代替休暇を与えることができる期間として労使協定で定めた期間内であっても、労働者は代替休暇を取得できないこととすることを労使協定で定めても差し支えない。

 このような、法定割増賃金率の引上げ分も含めた割増賃金が支払われた後に労働者から代替休暇取得の意向があった場合について、代替休暇を与えることができる期間として労使協定で定めた期間内であれば労働者は代替休暇を取得 できることとし、労働者が実際に代替休暇を取得したときは既に支払われた法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金について精算することとすることを労使協定で定めることも妨げられるものではない。

 

 (図2)
・賃金締切日が月末 ・代替休暇を取得しなかった場合の割増賃金率50%
・賃金支払日が翌月15日 ・代替休暇を取得した場合の割増賃金率25%
・代替休暇は2か月以内に取得
とされている事業場の場合の例


           a 労働者に代替休暇取得の意向がある場合

                   意向確認
                     ↓            賃金支払日
                 取得の意向あり    25%の割増賃金の支払い
                      \      /
           ┣━━━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━┫
            4月         5月    15日    6月          7月
             | ←-------------→|←-------------------------------------→|
                  ↑                ↑
            月60時間を超える        代替休暇の取得
            時間外労働
 



           b a以外の場合(労働者に代替休暇取得の意向がない場合、
            労働者の意向が確認できない場合等)


                  意向確認
                    ↓            賃金支払日
                取得の意向なし     50%の割増賃金の支払い
                      \      /
           ┣━━━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━┫
           4月          5月    15日    6月          7月  
            | ←---------------→|
                ↑
           月60時間を超える
           時間外労働




 法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払が不要となる時間(則第19条の2第3項関係)
 代替休暇は、法第37条第1項ただし書の規定による法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払に代えて与えられるものであることから、法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払が不要となる時間は、法第37条第3項において、一箇月について60時間を超える時間外労働のうち労働者が取得した代替休暇に対応する時間の労働とされており、具体的には、則第19条の2第3項において、労働者が取 得した代替休暇の時間数を換算率で除して得た時間数の時間とされているものであること。したがって、代替休暇取得の意向があった労働者が実際には代替休暇を取得できなかったときには、取得できなかった代替休暇に対応する時間の労働については、法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払が必要となる。

 なお、労働者が実際に代替休暇を取得した場合であっても、現行でも支払義務がある割増賃金(第37条第1項本文の規定により二割五分以上の率で計算した割増賃金)の支払が必要であることは、いうまでもない。 

 代替休暇と年次有給休暇との関係
  代替休暇は、法第37条第3項において「(第39条の規定による有給休暇を除く。)」と確認的に規定されており、年次有給休暇とは異なるものである。

 なお、法第39条第1項は、六箇月継続勤務に対する年次有給休暇の付与を規定し、その際の当該期間における全労働日の八割出勤を要件としているが、労働者が代替休暇を取得して終日出勤しなかった日については、正当な手続により労働者が労働義務を免除された日であることから、年次有給休暇の算定基礎となる全労働日に含まないものとして取り扱うこと。


第4  時間単位年休(法第39条第4項及び第7項関係)
 趣旨
  法第39条は、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るとともに、ゆとりある生活の実現にも資するという趣旨から、毎年一定日数の有給休暇を与えることを規定している。

 この年次有給休暇については、取得率が五割を下回る水準で推移しており、その取得の促進が課題となっている一方、現行の日単位による取得のほかに、時間単位による取得の希望もみられるところである。

 このため、まとまった日数の休暇を取得するという年次有給休暇制度本来の趣旨を踏まえつつ、仕事と生活の調和を図る観点から、年次有給休暇を有効に活用できるようにすることを目的として、労使協定により、年次有給休暇について五日の範囲内で時間を単位として与えることができることとした。

 時間単位年休に係る労使協定の締結
  法第39条第4項の時間を単位として与える年次有給休暇(以下「時間単位年休」という。)を実施する場合には、事業場において労使協定を締結する必要がある。

 この労使協定は、当該事業場において、労働者が時間単位による取得を請求した場合において、労働者が請求した時季に時間単位により年次有給休暇を与えることができることとするものであり、個々の労働者に対して時間単位による取得を義務付けるものではない。

 労使協定が締結されている事業場において、個々の労働者が時間単位により取得するか日単位により取得するかは、労働者の意思によるものである。

 法第39条第4項の「労働者の過半数を代表する者」については、則第6条の2第1項において、①法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと及び②法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であることのいずれにも該当する者(①に該当する労働者がいない場合には、②に該当する者)とされていること。

 なお、労使協定の締結によって時間単位年休を実施する場合には、法第89条第1号の「休暇」として時間単位年休に関する事項を就業規則に記載する必要がある。

 時間単位年休に係る労使協定で定める事項
(1)  時間単位年休の対象労働者の範囲(法第39条第4項第1号関係)
 年次有給休暇の権利は、法定要件を充たした場合法律上当然に労働者に生ずる権利であるが、その取得に際しては、事業の正常な運営との調整が考慮されるものである。

 この点において、時間単位による取得は、例えば一斉に作業を行うことが必要とされる業務に従事する労働者等にはなじまないことが考えられる。

 このため、事業の正常な運営との調整を図る観点から、法第39条第4項第1号において、労使協定では、時間単位年休の対象労働者の範囲を定めることとされていること。

 なお、年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは労働者の自由であることから、利用目的によって時間単位年休の対象労働者の範囲を定めることはできない。

(2)  時間単位年休の日数(法第39条第4項第2号関係)
  時間を単位として与えることができる年次有給休暇の日数については、まとまった日数の休暇を取得するという年次有給休暇制度本来の趣旨にかんがみ、法第39条第4項第2号において、五日以内とされており、労使協定では、この範囲内で定める必要がある。

 「五日以内」とは、法第39条第1項から第3項までの規定により労働者に与えられる一年間の年次有給休暇の日数のうち五日以内をいう。

 法第39条第3項の規定により五日に満たない日数の年次有給休暇が比例付与される労働者については、労使協定では、当該比例付与される日数の範囲内で定めること。

 当該年度に取得されなかった年次有給休暇の残日数・時間数は、次年度に繰り越されることとなるが、当該次年度の時間単位年休の日数は、前年度からの繰越分も含めて五日の範囲内となるものであること。

(3)  時間単位年休一日の時間数(則第24条の4第1号関係)
 一日分の年次有給休暇が何時間分の時間単位年休に相当するかについては、当該労働者の所定労働時間数を基に定めることとなるが、所定労働時間数に一時間に満たない時間数がある労働者にとって不利益とならないようにする観点から、 則第24条の4第1号において、一日の所定労働時間数を下回らないものとされており、労使協定では、これに沿って定める必要がある。
 具体的には、一時間に満たない時間数については、時間単位に切り上げる必要があること。

 「一日の所定労働時間数」については、日によって所定労働時間数が異なる場合には一年間における一日平均所定労働時間数となり、一年間における総所定労働時間数が決まっていない場合には所定労働時間数が決まっている期間における一日平均所定労働時間数となるものであること。

 労使協定では、当該労働者の時間単位年休一日の時間数が特定されるように定める必要があるが、これが特定される限りにおいて、労働者の所定労働時間数ごとにグループ化して定めること(例えば、所定労働時間6時間以下の者は6時間、同6時間超7時間以下の者は7時間、同7時間超の者は8時間等)も差し支えない。

(4)  一時間以外の時間を単位とする場合の時間数(則第24条の4第2号関係)
  二時間や三時間といったように、一時間以外の時間を単位として時間単位年休を与えることとする場合には、則第24条の4第2号の規定に基づき、労使協定で、その時間数を定める必要がある。
 
 「一日の所定労働時間数に満たないものとする」とは、一日の所定労働時間数と同じ又はこれを上回る時間数を時間単位年休の単位とすることは、時間単位年休の取得を事実上不可能にするものであることから、そのような労使協定の定めはできないことを確認的に規定しているものである。

 時季変更権との関係
  時間単位年休についても、法第39条第5項の規定により、使用者の時季変更権の対象となるものであるが、労働者が時間単位による取得を請求した場合に日単位に変更することや、日単位による取得を請求した場合に時間単位に変更することは、時季変更に当たらず、認められない。

 また、事業の正常な運営を妨げるか否かは、労働者からの具体的な請求について個別的、具体的に客観的に判断されるべきものであり、あらかじめ労使協定において時間単位年休を取得することができない時間帯を定めておくこと、所定労働時間の中途に時間単位年休を取得することを制限すること、一日において取得することができる時間単位年休の時間数を制限すること等は認められない。

 計画的付与との関係
 時間単位年休は、労働者が時間単位による取得を請求した場合において、労働者が請求した時季に時間単位により年次有給休暇を与えることができるものであり、法第39条第6項の規定による計画的付与として時間単位年休を与えることは認められない。

 時間単位年休に対して支払われる賃金(則第25条第2項及び第3 項)
  則第25条第2項及び第3項において、使用者は、時間単位年休として与えた時間については、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の額をその日の所定労働時間数で除して得た額の賃金又は標準報酬日額をその日の所定労働時間数で除して得た金額を、当該時間に応じ支払わなければならない。

 「その日の所定労働時間数」とは、時間単位年休を取得した日の所定労働時間数をいう。

 「平均賃金」「通常の賃金」「標準報酬日額」のいずれを基準とするかについては、日単位による取得の場合と同様としなければならない。

 時間単位年休に関するその他の取扱い
(1)  一日の年次有給休暇を取得する場合の取扱い
  時間単位年休は、年次有給休暇を有効に活用できるようにすることを目的として、原則となる取得方法である日単位による取得の例外として認められるものであり、一日の年次有給休暇を取得する場合には、原則として時間単位ではなく日単位により取得するものである。

(2)  半日単位年休の取扱い
 年次有給休暇の半日単位による付与については、年次有給休暇の取得促進の観点から、労働者がその取得を希望して時季を指定し、これに使用者が同意した場合であって、本来の取得方法による休暇取得の阻害とならない範囲で適切に運用される限りにおいて、問題がないものとして取り扱うこととしているところであるが、この取扱いに変更はない。


第5  その他(法附則第1条及び第4条関係)
 施行期日等
 改正法及び改正省令の施行期日並びに改正告示の適用日は、平成22年4月1日。

 地方公務員に係る法の適用関係
  法第37条第3項の規定は、改正法による改正後の地方公務員法(昭和25年法律第261号)第58条第3項の規定により、一般職に属する地方公務員に対しては適用されない。

 法第39条第4項の時間単位年休は、改正法による改正後の地方公務員法第58条第4項において、一般職に属する地方公務員に関しては労使協定を締結する必要はなく、特に必要があると認められるときに取得することができる。



        | トップページへ戻る | 労働基準法メニューへ戻る | このページの最初に戻る | 実用ソフト集 |






 60時間超の残業代割増率50%等、労働基準法改正

 長時間労働を抑制し、労働者の健康確保や、仕事と生活の調和を図ることを目的とする「労働基準法の一部を改正する法律」が、平成22年4月1日から施行されます。

 改正労働基準法は2008年12月5日の参院本会議で可決、成立しました。


こちら、労働基準法の一部を改正する法律(平成二十年法律第八十九号)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/dl/tp1216-1b.pdf


こちら、労働基準法の一部を改正する法律(平成二十年法律第八十九号) 新旧対照条文
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/dl/tp1216-1c.pdf


  (2008年12月29日)



 労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱(2009年3月5日)
                                                   (2009年03月12日)
 厚生労働省は2009年3月5日、「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱」等を労働政策審議会に諮問しました。

 労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱
第1  代替休暇
 使用者は、従来の2割5分以上の率に代えて5割以上の率で計算することによる割増賃金の引上げ分の支払に代わる通常の労働時間の賃金が支払われる休暇 (以下 「代替休暇」 という。) に係る労使協定をする場合には、次に掲げる事項について、協定しなければならないものとすること。

(1)  代替休暇として与えることができる時間の時間数の算定方法

(2)  代替休暇の単位(一日又は半日(代替休暇以外の通常の労働時間の賃金が支払われる休暇と合わせて与えることができる旨を定めた場合においては、当該休暇と合わせた一日又は半日を含む。)とする。)

(3)  代替休暇を与えることができる期間(時間外労働が一箇月について60時間を超えた当該一箇月の末日の翌日から二箇月以内とする。)


 1の(1)の算定方法は、一箇月について60時間を超えて時間外労働をさせた時間数に、労働者が代替 休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率と、労働者が代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率との差に相当する率 ((3)において 「換算率」 という。) を乗じるものとすること。

 1の割増賃金の引上げ分の支払が不要となる時間は、労働者が取得した代替休暇の時間数を換算率で除して得た時間数の時間とするものとすること。


第2  時間単位年休
 時間を単位として与える年次有給休暇(以下「時間単位年休」 という。)に係る労使協定で定める事項は、次に掲げるものとすること。

(1)  時間を単位として与えることができることとされる有給休暇一日の時間数(一日の所定労働時間数(日によって所定労働時間数が異なる場合には、一年間における一日平均所定労働時間数。(2)において同じ。)を下回らないものとする。)

(2)  一時間以外の時間を単位として時間単位年休を与えることとする場合には、その時間数(一日の所定労働時間数に満たないものとする。)


 使用者は、時間単位年休として与えた時間については、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の額をその日の所定労働時間数で除して得た額の賃金又は標準報酬日額をその日の所定労働時間数で除して得た金額を、当該時間に応じ支払うものとすること。


第3  施行期日等
 この省令は、平成22年4月1日から施行するものとすること。

 その他所要の整備を行うものとすること。





 労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準の一部を改正する告示案要綱
第1  特別条項付き時間外労働協定
 労使当事者は、特別条項付き時間外労働協定を締結する場合には、限度時間を超える時間外労働をできる限り短くするように努めなければならないものとすること。

 労使当事者は、特別条項付き時間外労働協定を締結する場合には、限度時間を超える時間外労働をできる限り短くするように努めなければならないものとすること。

 労使当事者は、1により限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めるに当たっては、時間外労働について法第37条第1項の政令で定める率(2割5分)を超える率とするように努めなければならないものとすること。

第2  その他
この告示は、平成22年4月1日から適用するものとすること。




      | トップページへ戻る | 労働基準法メニューへ戻る | このページの最初に戻る | 実用ソフト集 |




 改正労働基準法の概要 (平成22年4月1日施行)
                                                   (2008年12月29日)
60時間超の残業代割増率50%以上 (改正法第37条第1項)
 (第37条第1項に次のただし書を加える)

 ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

時間外労働の割増賃金率が引き上げ (改正法第37条第1項)

 1か月60時間を超える時間外労働については、法定割増賃金率が、現行の25%から50%に引き上げられます。
 割増賃金率の引上げは、時間外労働が対象です。
 休日労働(35%)と深夜労働(25%)の割増賃金率は、変更ありません。



 中小企業については、当分の間、適用が猶予されます(改正法第138条)
 中小企業の割増賃金率については、施行から3年経過後に改めて検討することとされています。

 中小企業については、事業場単位ではなく、企業(法人または個人事業主)単位で判断します。

①資本金の額または出資の総額
 小売業    5,000万円以下
 サービス業  5,000万円以下
 卸売業   1億円以下
 上記以外  3億円以下

②常時使用する労働者数が
 小売業    50人以下
 サービス業 100人以下
 卸売業   100人以下
 上記以外  300人以下




 割増賃金の支払に代えた有給の休暇の仕組み(改正法第37条第3項)
 事業場で労使協定を締結すれば、1か月に60時間を超える時間外労働を行った労働者に対して、改正法による引上げ分(25%から50%に引き上げた差の25%分)の割増賃金の支払に代えて、有給の休暇を付与することができます。

 この有給の休暇は、長時間の時間外労働を行ったときから一定の近接した期間内に、半日単位などまとまった単位で付与することが考えられますが、詳細は改正法の施行までに、労働政策審議会で議論の上 、厚生労働省令で定められます。

 労働者がこの有給の休暇を取得した場合でも、現行の25%の割増賃金の支払は必要です。
 労働者が実際に有給の休暇を取得しなかった場合には、50%の割増賃金の支払が必要です。

【具体例】

時間外労働を月80時間行った場合
→ 月60時間を超える20時間分の割増賃金の引上げ分25%(50%-25%)の支払に代えて、有給の休暇付与が可能です。

有給の休暇を付与 → 20時間×0.25=5時間分の有給の休暇を付与。

有給の休暇を付与しても「80時間×1.25」の賃金の支払は必要です。


限度時間(1か月45時間)を超える時間外労働を行う場合は25%を超える率
 割増賃金引上げなどの努力義務が労使に課されます。
 なお、企業規模にかかわらず、適用されます。

  「時間外労働の限度基準」(平成10年労働省告示第154号:限度基準告示)により、1か月に45時間を超えて時間外労働を行う場合には、あらかじめ労使で特別条項付きの時間外労働協定を締結する必要がありますが、新たに、

(1) 特別条項付きの時間外労働協定では、月45時間を超える時間外労働に対する割増賃
  金率も定めること。

(2) (1)の率は法定割増賃金率(25%)を超える率とするように努めること。

(3) 月45時間を超える時間外労働をできる限り短くするように努めることが必要となり
  ます。

※注1  労使は、時間外労働協定の内容が限度基準告示に適合したものとなるようにし
     なければなりません。(労働基準法第36条第3項)

※注2  今後、改正法の施行までに、労働政策審議会で議論の上、限度基準告示が改正
     される予定です。



 有給休暇について、1時間単位での取得を可能とする (改正法第39条第4項)
 企業規模にかかわらず、適用されます。
 現行では、年次有給休暇は日単位で取得することとされていますが、事業場で労使協定を締結すれば、1年に5日分を限度として時間単位で取得できるようになります。

 所定労働日数が少ないパートタイム労働者の方なども、事業場で労使協定を締結すれば、時間単位で取得できるようになります。

 1日分の年次有給休暇が何時間分の年次有給休暇に当たるかは、労働者の所定労働時間をもとに決めることになりますが、詳細は改正法の施行までに、労働政策審議会で議論の上、厚生労働省令で定められるとしています。


 年次有給休暇を日単位で取得するか、時間単位で取得するかは、労働者が自由に選択することができます。
 例えば、労働者が日単位で取得することを希望した場合に、使用者が時間単位に変更することはできません。

 施行期日
 平成22年4月1日。



  | トップページへ戻る | 労働基準法メニューへ戻る | このページの最初に戻る | 実用ソフト集 |


 社会保険労務士 小島 博