| 第4 |
時間単位年休(法第39条第4項及び第7項関係) |
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趣旨 |
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法第39条は、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るとともに、ゆとりある生活の実現にも資するという趣旨から、毎年一定日数の有給休暇を与えることを規定している。
この年次有給休暇については、取得率が五割を下回る水準で推移しており、その取得の促進が課題となっている一方、現行の日単位による取得のほかに、時間単位による取得の希望もみられるところである。
このため、まとまった日数の休暇を取得するという年次有給休暇制度本来の趣旨を踏まえつつ、仕事と生活の調和を図る観点から、年次有給休暇を有効に活用できるようにすることを目的として、労使協定により、年次有給休暇について五日の範囲内で時間を単位として与えることができることとした。
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時間単位年休に係る労使協定の締結 |
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法第39条第4項の時間を単位として与える年次有給休暇(以下「時間単位年休」という。)を実施する場合には、事業場において労使協定を締結する必要がある。
この労使協定は、当該事業場において、労働者が時間単位による取得を請求した場合において、労働者が請求した時季に時間単位により年次有給休暇を与えることができることとするものであり、個々の労働者に対して時間単位による取得を義務付けるものではない。
労使協定が締結されている事業場において、個々の労働者が時間単位により取得するか日単位により取得するかは、労働者の意思によるものである。
法第39条第4項の「労働者の過半数を代表する者」については、則第6条の2第1項において、①法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと及び②法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であることのいずれにも該当する者(①に該当する労働者がいない場合には、②に該当する者)とされていること。
なお、労使協定の締結によって時間単位年休を実施する場合には、法第89条第1号の「休暇」として時間単位年休に関する事項を就業規則に記載する必要がある。
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時間単位年休に係る労使協定で定める事項 |
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(1) |
時間単位年休の対象労働者の範囲(法第39条第4項第1号関係) |
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年次有給休暇の権利は、法定要件を充たした場合法律上当然に労働者に生ずる権利であるが、その取得に際しては、事業の正常な運営との調整が考慮されるものである。
この点において、時間単位による取得は、例えば一斉に作業を行うことが必要とされる業務に従事する労働者等にはなじまないことが考えられる。
このため、事業の正常な運営との調整を図る観点から、法第39条第4項第1号において、労使協定では、時間単位年休の対象労働者の範囲を定めることとされていること。
なお、年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは労働者の自由であることから、利用目的によって時間単位年休の対象労働者の範囲を定めることはできない。
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(2) |
時間単位年休の日数(法第39条第4項第2号関係) |
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時間を単位として与えることができる年次有給休暇の日数については、まとまった日数の休暇を取得するという年次有給休暇制度本来の趣旨にかんがみ、法第39条第4項第2号において、五日以内とされており、労使協定では、この範囲内で定める必要がある。
「五日以内」とは、法第39条第1項から第3項までの規定により労働者に与えられる一年間の年次有給休暇の日数のうち五日以内をいう。
法第39条第3項の規定により五日に満たない日数の年次有給休暇が比例付与される労働者については、労使協定では、当該比例付与される日数の範囲内で定めること。
当該年度に取得されなかった年次有給休暇の残日数・時間数は、次年度に繰り越されることとなるが、当該次年度の時間単位年休の日数は、前年度からの繰越分も含めて五日の範囲内となるものであること。
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(3) |
時間単位年休一日の時間数(則第24条の4第1号関係) |
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一日分の年次有給休暇が何時間分の時間単位年休に相当するかについては、当該労働者の所定労働時間数を基に定めることとなるが、所定労働時間数に一時間に満たない時間数がある労働者にとって不利益とならないようにする観点から、
則第24条の4第1号において、一日の所定労働時間数を下回らないものとされており、労使協定では、これに沿って定める必要がある。
具体的には、一時間に満たない時間数については、時間単位に切り上げる必要があること。
「一日の所定労働時間数」については、日によって所定労働時間数が異なる場合には一年間における一日平均所定労働時間数となり、一年間における総所定労働時間数が決まっていない場合には所定労働時間数が決まっている期間における一日平均所定労働時間数となるものであること。
労使協定では、当該労働者の時間単位年休一日の時間数が特定されるように定める必要があるが、これが特定される限りにおいて、労働者の所定労働時間数ごとにグループ化して定めること(例えば、所定労働時間6時間以下の者は6時間、同6時間超7時間以下の者は7時間、同7時間超の者は8時間等)も差し支えない。
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(4) |
一時間以外の時間を単位とする場合の時間数(則第24条の4第2号関係) |
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二時間や三時間といったように、一時間以外の時間を単位として時間単位年休を与えることとする場合には、則第24条の4第2号の規定に基づき、労使協定で、その時間数を定める必要がある。
「一日の所定労働時間数に満たないものとする」とは、一日の所定労働時間数と同じ又はこれを上回る時間数を時間単位年休の単位とすることは、時間単位年休の取得を事実上不可能にするものであることから、そのような労使協定の定めはできないことを確認的に規定しているものである。
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4 |
時季変更権との関係 |
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時間単位年休についても、法第39条第5項の規定により、使用者の時季変更権の対象となるものであるが、労働者が時間単位による取得を請求した場合に日単位に変更することや、日単位による取得を請求した場合に時間単位に変更することは、時季変更に当たらず、認められない。
また、事業の正常な運営を妨げるか否かは、労働者からの具体的な請求について個別的、具体的に客観的に判断されるべきものであり、あらかじめ労使協定において時間単位年休を取得することができない時間帯を定めておくこと、所定労働時間の中途に時間単位年休を取得することを制限すること、一日において取得することができる時間単位年休の時間数を制限すること等は認められない。
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5 |
計画的付与との関係 |
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時間単位年休は、労働者が時間単位による取得を請求した場合において、労働者が請求した時季に時間単位により年次有給休暇を与えることができるものであり、法第39条第6項の規定による計画的付与として時間単位年休を与えることは認められない。
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6 |
時間単位年休に対して支払われる賃金(則第25条第2項及び第3 項) |
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則第25条第2項及び第3項において、使用者は、時間単位年休として与えた時間については、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の額をその日の所定労働時間数で除して得た額の賃金又は標準報酬日額をその日の所定労働時間数で除して得た金額を、当該時間に応じ支払わなければならない。
「その日の所定労働時間数」とは、時間単位年休を取得した日の所定労働時間数をいう。
「平均賃金」「通常の賃金」「標準報酬日額」のいずれを基準とするかについては、日単位による取得の場合と同様としなければならない。
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7 |
時間単位年休に関するその他の取扱い |
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(1) |
一日の年次有給休暇を取得する場合の取扱い |
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時間単位年休は、年次有給休暇を有効に活用できるようにすることを目的として、原則となる取得方法である日単位による取得の例外として認められるものであり、一日の年次有給休暇を取得する場合には、原則として時間単位ではなく日単位により取得するものである。
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(2) |
半日単位年休の取扱い |
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年次有給休暇の半日単位による付与については、年次有給休暇の取得促進の観点から、労働者がその取得を希望して時季を指定し、これに使用者が同意した場合であって、本来の取得方法による休暇取得の阻害とならない範囲で適切に運用される限りにおいて、問題がないものとして取り扱うこととしているところであるが、この取扱いに変更はない。
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