継続雇用制度
    | TOPページへ戻る  | 改正高年齢者雇用安定法 |        (平成24年07月16日更新)

 「改正高年齢者雇用安定法」が平成18年4月から施行されましたので「継続雇用制度」の導入について考えてみます。

(1) 「継続雇用制度」の概要
(2) 年金の支給開始年齢
(3) 従業員の収入や働き方について
(4) 厚年・雇用保険の適用基準について
(5) 在職老齢年金
(6) 高年齢雇用継続基本給付金
(7) 在職老齢年金と高年齢雇用継続基本給付金を併給調整
(8) 計算例
(9) 報酬の範囲に含まれるもの
(10) まとめ

 継続雇用制度関連計算ソフト
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在職老齢年金・高年齢雇用継続給付金・給与一覧形式
60歳からの賃金設計
雇用継続給付金 と 在職老齢年金の計算



(1)「継続雇用制度」の概要
 2004年6月に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律」が成立しました。
 これにより、すべての企業に平成18年4月1日から段階的に65歳までの雇用を確保する義務が課せられます。
 この改正は、雇用と年金との間に収入の空白期間が生じないよう、企業に定年の段階的「引き上げ」や「定年の廃止」「継続雇用制度」の導入のいずれかの措置を義務付ける内容となっています。
 それぞれ企業によって事情が異なると思われますので、どのような継続雇用制度にしたらよいかを研究してみて下さい。

こちら「改正高年齢者雇用安定法」につて

  ここでは、雇用確保義務と年金支給開始年齢等との関連性、賃金と高年齢継続雇用給付金との関係など、どのような高年齢者の雇用確保の方法があるのかを考えてみたいと思います。

改正高年齢雇用安定法による雇用確保義務
 改正法の雇用確保義務は、平成18年4月1日から段階的に雇用義務年齢を引き上げることがその内容です。

[雇用確保義務の年齢]
 ・平成18年度から:62歳まで雇用義務
 ・平成19年度から:63歳まで雇用義務
 ・平成22年度から:64歳まで雇用義務
 ・平成25年度から:65歳まで雇用義務



[雇用確保の方法]
 企業は、次の雇用確保の方法のうち、いずれかの方法によって雇用を確保する必要があります。
(1)定年制の廃止
(2)定年年齢の引上げ
(3)継続雇用制度の導入

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(2)年金の支給開始年齢
[老齢厚生年金の支給開始年齢]
 昭和28年4月1日までに生まれた人(男)は、60歳から報酬比例部分が支給されます。
 昭和33年4月1日までに生まれた人(女)は、60歳から報酬比例部分が支給されます。
 60歳から報酬比例部分が支給され、さらに定額部分が支給されるようになると満額支給となります。
 改正法は、ここでの定額部分が支給開始されるまでの間、雇用確保義務が生じるわけです。
その定額部分が支給開始される年齢は次のようになります。
[定額部分支給開始年齢]
昭和21年4月2日以後生まれ 63歳から
昭和22年4月2日以後生まれ 64歳から
昭和24年4月2日以後生まれ 65歳から

こちら 老齢厚生年金の支給開始年齢早見表
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(3)従業員の収入や働き方について
 継続雇用制度を導入する場合、従業員の収入には次のような組み合わせがあります。
[60歳からの収入の組み合わせ]
(1)賃金のみ
(2)賃金+年金
(3)賃金+年金+高年齢雇用継続給付金
(4)賃金+高年齢雇用継続給付金

60歳からの継続雇用には次のようなスタイルがあります。
[継続雇用スタイル]
(1)勤務延長
 定年年齢はそのままで、その年齢に達した者を退職させることなく引き続き雇用する制度。
(2)再雇用制度
  定年年齢に達した者を一旦退職させた後、再び雇用する制度。
(3)勤務延長後再雇用
  (1)+(2)
(4)定年延長

[勤務スタイル]
・60歳前と同じように勤務する。
・1日の労働時間を短くする。
・隔日等の勤務とする。

こちら 高年齢者雇用安定法

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(4)厚年・雇用保険の適用基準について
 厚生年金の被保険者となると在職老齢年金の仕組みにより年金の一部また全部が支給停止されることがありす。でも、被保険者でなくなったときには、年金額が再計算されて年金額が少し増えます。
 逆に、厚生年金の被保険者とならない場合は、在職老齢年金の仕組みによる年金の支給停止はありません。
 厚生年金の被保険者にならないと、配偶者が60歳未満(専業主婦など)の場合、国民年金第3号被保険者にもなりませんから、ご自分で国民年金の保険料を支払うことになります。
 さらに、厚生年金の被保険者にならないということは、健康保険の被保険者にもならないことになりますので、この場合、健康保険の任意継続被保険者になるか、または、国民健康保険に加入することになります。

[厚生年金の適用基準]
 厚生年金の適用は、次の2つの基準の両方満たす場合に被保険者となります。
(1)「1日の所定労働時間が一般従業員のおおむね4分の3以上」
(2)「1か月の所定労働日数が一般従業員のおおむね4分の3以上」
この基準は目安ですから、少し余裕を持って設定しましょう。
 雇用保険の被保険者にならないと高年齢雇用継続給付金は支給されません。

[雇用保険の適用基準]
(1)1年以上の雇用が見込まれること。
(2)週所定労働時間が20時間以上。
※週所定労働時間が20時間以上30時間未満は、短時間労働被保険者となります。

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(5)在職老齢年金
 60歳から支給される「特別支給の老齢厚生年金」は、60歳以後厚生年金の被保険者になった場合「在職老齢年金」仕組みにより、一部または全部が支給停止される場合があります。
年金支給月額の計算は次のように行います。
基本月額が28万円以下であって、
総報酬月額相当額が47万円(平成22年度)以下の場合。
年金支給月額=基本月額−(総報酬月額相当額+基本月額−28万円)÷2
※総報酬月額相当額=標準報酬月額+年間標準賞与/12
  年間標準賞与=受給月から遡って1年間の賞与。
  1回の賞与の上限150万円、1,000円未満切り捨て。


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(6)高年齢雇用継続基本給付金
 高年齢雇用継続基本給付金は、60歳到達時賃金に対して再雇用時の賃金が75%未満に低下した場合に支給されます。
(1)支給対象者
・雇用保険の加入期間が5年以上
・60歳以上65歳未満の一般被保険者(短時間労働被保険者含む)
・60歳到達時賃金の賃金に比べ75%未満で就労していること
(2)給付内容
・支払われる賃金額が61%未満に低下した場合は、賃金の15%相当額を支給。
・61%以上75%未満に低下した場合は、賃金の15%から一定の割合で減じた率を乗じた額。

高年齢雇用継続基本給付金の計算時の上限額額
(平成21年8月1日〜22年7月31日)
※60歳到達時賃金上限月額  446,700円
※高年齢雇用継続給付上限額 335,316円



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(7)在職老齢年金と高年齢雇用継続基本給付金を併給調整
 在職老齢年金と高年齢雇用継続基本給付金を併給すると、在職老齢年金の一部が支給停止されます。
 年金から最大、標準報酬月額の6%が支給停止されます。

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(8)計算
 60歳からの収入をみる場合、賃金、年金、高年齢雇用継続給付金などを検討することが考えられます。賃金、標準報酬相当額によっては、年金、高年齢雇用継続給付金の額が増減します。
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(9)報酬の範囲に含まれるもの
 在職老齢年金の計算には、標準報酬月額の額が影響しますので、その報酬の範囲に含まれるものを確認しておきたいと思います。
 報酬とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働の対償として受けるすべてのものをいいます。
 ただし、臨時に受けるものや3か月を超える期間ごとに受けるものは除かれます。

■報酬の範囲に含まれるもの
基本給、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、役職手当、
物価手当、調整手当、特別勤務手当、技能手当、
通勤手当(非課税分も含む)、住宅手当、別居手当、早出残業手当、
日直手当、宿直手当、家族手当、生産手当、食事手当、
技術手当、皆勤手当、休業手当、年4回以上支給の賞与
現物で支給される通勤定期券、食事、住宅、衣服

■報酬から除かれるもの
(1)労務の対償でないもの
 結婚祝金、災害見舞金、病気見舞金、出産祝金、退職手当、解雇予告手当等
(2)事業主以外から受けるもの
 恩給、年休、傷病手当金、休業補償費、出産手当金、家賃、地代、内職収入、預貯金利息、株主配当金等
(3)その他
 大入り袋、社内行事の賞金、出張旅費、出張手当、功労金、年3回まで支給の賞与、決算手当、期末手当、一時金等

不明な点は社会保険事務所へお問い合わせ下さい。

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(10)まとめ
 この「雇用継続制度」は、事業所ごとにそれぞれ異なり、事業所の人件費等企業に及ぼす影響、従業員の過不足、知識や技術の継承などを検討することになると思われます。
 また、従業員の収入の希望、年金受給額の多少、働き方(短時間、隔日勤務)、健康状態などを検討することになると思います。
 そして、これらを総合的に検討することになると思われます。
 特に賃金等が焦点となると思われますので、高年齢雇用継続給付金の最も大きくなる賃金額を軸に調整していくのも一つの方法と思います。

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