中庭のある和風住宅

<三重県津市 u邸>

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 建築主は職業柄大変多忙な方で、計画段階で要望されたのは休日ゆっくりくつろげる和室がほしいとのことであった。 また、京都の木造住宅にも強い関心をお持ちで、今回建築した建物も要所となるところには数寄屋的要素を採り入れながら、全体としては落ち着いたたたずまいの住宅となっている。
 北側を正面としているため、外観からの印象は多少閉鎖的に映る可能性もあるが、敷地のほぼ中央に中庭を設けたことによって、各部屋の開放性と通気性を確保している。

 平面計画としては、門から露地風のアプローチを通って玄関に至り、中庭を挟んで和室8帖とリビングとが対面する構成で、2階に寝室、子供室などのプライベートな部屋を配する。 玄関から和室8帖にかけては京都北山の丸太材等も多用し、それらが日本建築特有の視覚的な柔らかさを表現すると同時に、3方から眺める庭園からは四季を通じての季節感を享受することができる。
 建築に使っている材料は、木材をはじめ、ほとんどが自然素材のため、時間の経過と共に味わいの出てくる建物になったのではないかと思う。

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