住継がれていく昭和の住まい

<再生前の様子>

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 戦後の昭和30年代に建築主のお父様が建てられた住宅で、平屋の緞通(堺緞通)の工場が併設されていた。今回の計画は、老朽化の進んだ2階建ての住居部分を改修、使われていない工場部分は解体した上で居間等を増築するというものである。

 近年、建築基準法の改正があり、既存不適格の建物に対する構造部分の強化が求められるようになり、解体後に建てる増築部分と、既存改修部分とを別矩体として扱い、それぞれにおいて構造計算を行った。
 増築部分には工場に使われていた丸太の梁材3本を再利用し、水回りを新たに設けているが、既存部分との違和感が無いよう木部は古色仕上げで、床板にはカリンの無垢板を採用した。 改修部分は飴色の艶の出ている柱や建具、天井板なども可能な限り既存を生かしている。

 既存部分の持つ昭和の佇まいを大切にされながら、シンプルに生活されており、照明器具も建築主自身が買い求めたものが多数使われている。 また、キッチンは、ステンレスの業務用キッチンを住宅用に特注したシンプルかつ丈夫なつくりとなっている。

<再生後の様子>

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