歳月をかけた茅葺き屋根の古民家再生

<再生前の様子>

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 主屋は典型的な大和棟の建物で、建築されたのは江戸後期とされる。その他主屋とほぼ同時期と思われる土蔵が2棟、昭和30年代に増築された応接室、離れなどが付属する。 平成8年、主屋の改修から行い、その後土蔵から納屋にかけてを書斎に変更、台所、応接室を改修するなど、期間を区切り3期に分けて改修工事を行った。

 主屋は床下の構造材に一部腐蝕が認められ、不同沈下もあって全体に不陸が生じていたため、構造的な補強も含めて、瓦、内外壁、床組等は全面的に改修された。尚、大屋根の茅は吹き替えられてそれ程年月が経っておらず、また傷みも少なかったため、今回はそのまま残すこととなった。(その後平成15年に葺き替えをされ、その貴重な茅の葺替え様子を拝見させて頂いた。)

 主屋の玄関から座敷にかけての主として接客部分に関しては既存の形態を継承する内容で改修を行ったが、書斎、台所などについては機能性を重視して、生活する上でも快適に使えるような変更を行っている。
 建築主は、代々受け継いできた建物を後世に伝えていきたいとの強い意志をお持ちで、5年にわたる一連の改修を行って、伝統的空間の心地よさといったものが再生された

<再生後の様子>

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