パワーハラスメントについて
  厚生労働省が運営するサイトによれば、パワハラ=パワーハラスメントとは、
「職権などの“パワー”(=力)を背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えること」…と定義され、一般的に、上司・管理職よりの嫌がらせ等の攻撃をさします。
 
また、上記は一般的な考え方ですが、同僚同士であっても内容によってはパワーハラスメントに該当する場合もあります。

パワハラかどうかの判断基準は、
「その言動なり圧力をその受けた方が、不快感を抱いた」かどうかで成立します。

昔から、このような事は、やってたんじゃないか?今更なぜ、パワハラ?っていう疑問があると思いますが、昨今の労使関係では、実力主義、能力主義が主流になっており、やはり、管理職のやり方も傲慢になってきている傾向があり、
結果、部下への圧力が強まってきている背景があります。(プラスは、自分。マイナスは部下に)

パワハラを受けた人は、孤立し、鬱病になったり、出社できなくなったり、会社を辞めたり、最悪の場合、自殺する人も年々増えてきています。
そういうことがあると、戦力を失っていることになり、会社としてのマイナスは計り知れないものであります。

■一般的なパワハラ事例
@自分の仕事量が激増し、また、ハードルの高い開発案件やクレーム対応などを押し付けられ、それが、クリアできなければ、
「君の能力が不足している、それができなければ、君に与える仕事はない!」とサポートなしで突き放された。

A仕事自体を奪った上で、「仕事をちゃんとしてるのか?」などと執拗に密室にて個別に迫ったあげく、考課査定も低いものにされた。

B上司の指示内容が理解できず、要点を尋ねたところ「うるさい!お前みたいな無能なやつに、いちいち答えている暇はない!
自分で調べろ!」とデスクを強く叩かれながら言われた。

Cちょっとしたミスでも容赦のない、叱責、暴行、無視、冷遇など、必要以上の執拗な説教をしたり、反省文の提出を強制したりする。

D「お前はホントにダメな人間だな」「お前は才能が無いよ」「お前は三流大学出だからな」などと人格を攻撃する。

E「会社のやり方に合わなければやめろ」等の発言を直接または間接的に言われた。

F汚い言葉(あほ、ばか等)で叱責された。

■会社・社会に対する影響
パワハラは、セクハラ同様に、他の従業員の士気の低下、会社の業績悪化や社会的信用の低下といった問題も生じることになります。とくに一部上場企業であれば、その社会的責任は各段に大きくなります。

■パワハラに対する法的責任
1.加害者の責任
 @民事責任として、不法行為に基づく損害賠償責任が発生します(慰謝料など)。
 A場合によっては刑事責任を負う事にもなります。具体的には、傷害罪、暴行罪、名誉毀損罪、侮辱罪などが考えられます。刑事責任を追及するには、告訴・告発をすることになります。

2.会社の責任
 @使用者たる会社に対しては、不法行為責任(民法709条)、使用者責任(民法715条)、共同不法行為責任(民法719条)、債務不履行責任(民法415条)を追及される事になります。

A会社には、安全配慮義務(雇い入れている従業員が安全に業務に従事できるようにするべき義務)があります。また、社員が快適な環境で働けるようにするための職場環境配慮義務があります。これらを怠ると、債務不履行責任(民法415条)を問われることになります。

出典
パワーハラスメント関連判例
「パワー・ハラスメント」の基準は?
判例からみたパワハラのリスクを防ぐ方法
WIKI

■対処
・まずは、ひとりで解決しないこと。
身の回りの同僚や、家族などにまず相談する。
・まわりの方でパワハラを受けている人を見たら、まずは、話しかけてみる。
※パワハラを受け続け、ストレス耐性の限界値を超え、自己制御力や理性等の、セルフコントロールが効かなくなってしまうことがあり、自分が受けている酷い状況がわからなくなってしまうと、パワハラ攻撃が際限なく続き、結果、取り返しのつかないことになってしまいます。
・パワハラとは何か?パワハラを行うとどんな、マイナス面を生むか?ということを会社一丸となり考えていく。
パワハラ研修の実施など会社とし考えていなねばならないと思います。


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