更新日記&徒然草。 →トップページはこちら


■9/15(日)「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」&「アマデウス・ディレクターズ・カット」。
 新宿武蔵野館でウェス・アンダーソン監督「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」見る。やっぱ世の中見るもの不足なのか?立ち見でした。
 ジーン・ハックマンがとってもイイ歳しながら全然老成してないガキのようなオヤジを演じてなんとも微笑ましい。 ハックマンの妻(アンジェリカ・ヒューストン)は出入りの会計士ダニー・グローバーに愛の告白を受け心が揺れる。家に何年も帰らず遊び暮らしていたハックマンは、それを目撃したインド人の執事からの「奥さんが黒んぼにプロポーズされてますゼ!」というタレコミを受け、なんとか婚約の阻止を行わんが為に家に舞い戻ろうとするのだが、「オレは癌でもう余命長くないんだ」などとウソをつく。ところが思った以上に妻に動揺されてビビりが入り、「実は死なないんだ・・
 「どっちよ!」と妻にマジギレされるや、「・・やっぱ死ぬんだ」と実にアホとしか言い様がない男ぶり。しかしこの映画のおもしろいところは、アホをアホ的に撮ることなく、あくまでも映像の様式とトーンを先行させることで、"オカしくてやがて哀しい"独特の人間観察コメディともいうべき劇空間を作り上げていることだろう。アディダスのジャージにはじまって着衣ひとつひとつにも徹底的にこだわるセンスとキレ味いっぱいのフイルム繋ぎ(「ブギーナイツ」「マグノリア」の編集者)!目に快楽です。
 テアトル・タイムズスクエアには初めて参りましたが、ミロシュ・フォアマン監督「アマデウス・ディレクターズ・カット」見る。思えばそう遠くない以前にヴィデオ二回つづけて見返した映画だったので、けっこう鮮明に覚えている。んで、確かにコレは見覚えないな??というシーンについても比較的明確に分かったのだが、これはやっぱり切った方が良かったように思う。別に悪いシーンでもなく、というかけっこうイイシーンではあるがやはり全体が長くなりすぎる。その結果、全編見終わった時のお腹いっぱい度がイマ2って感じ。初見時のラストシーンは鬼感動だッたがなァ・・。それにしても劇場のゴージャスな音響装置によるモーツァルトの音楽の数々は圧巻です。「後宮からの逃走」がとっても聞きたくなる・・!初見時も爆笑だった音楽ネタ大バカ・シーン、眼をひん剥いたババァのかん高い声でがなりたてる説教がどんどん加速していき、「魔笛」の"夜の女王のアリア"につながってしまうくだり、やっぱりここは何度見ても笑える。
 パンフについて一言言いたいが、1,000円も出させといて何だこのゴミは!!主要な曲の曲解説くらい入れたらどうなのだ!?そこへもってきて敢えて入れるか文楽マスターのコメント見開き。この金で「後宮からの逃走」ハイライト盤でも買うっつーのー!!と思いながらタカシマヤのHMVに入ったらマイナー曲ゆえか全曲盤しかありませんでした。ゴメン。(←誰に?)


■9/14(土)「ハッシュ!」。
 新宿武蔵野館のレイトショーで橋口亮輔監督「ハッシュ!」見る。「ダメ、ダメ〜ッ」と騒いで高橋和也に「いやダメなの君だからさぁ」と言われるイタイ役柄のつぐみだが、やはりカワイイ!しかし「月光の囁き」といい、ヤバい役ばっかだな。しかしながらそういうのがウマい美少女(ex.菅野美穂)は好感度高いです。とは言うもののこの映画で最も良いのはまた別の部分なんですが・・。役者ではやはり高橋和也が一本。こういうディティールがイイ映画について一つ一つ指摘を始めると際限がなくなるのでやめておきますが、富士真奈美の堂々たるオバさんぶりには眼からウロコの思いがする。こんなにウマ面白くオバサンを描いた映画はなかなか類を見ないと思いますな。
 中野の明屋書店で「グロースドイッチュランド師団写真史」買う。リンク先のAMAZONの説明を引用すると「ドイツ軍最強のエリート師団をあらゆる面から検証した決定版写真資料集」ってなことになる。タミヤの戦車プラモを組み立てていた経験のある人なら、グロスドイッチュランド装甲摘弾兵師団マークのデカールを眼にしたことがあるハズ。この種の書物を買うのは実に高校生以来かもしれないが、多分こないだ読んだ「泥まみれの虎:宮崎駿の妄想ノート」(←面白い)による影響かと思う。戦線で生きのびる術=戦術というものを考えさせられる。

 なかなか読ませる本だが、持ち歩きながら読むにはデカくて重いから困る。


■9/12(木)27th Birthday。
 27になってしまった。一体、1年間で自分はどう変わることができたのか?などという事を思うと、少し恥ずかしくなる。一方で「テロ後の世界」は変容しつつある。いや、実際のところは見え方が変わってきたというだけのことなのかもしれない。自分たちは超大国の暴力に対して、どのようにふるまうべきなのか?いや、そもそも自分たち自身は暴力的ではないのか?
 生き延びるためには暴力的になることは許されるのか?
 ・・といったような事を今後は考えていかざるを得ないだろう。この世界が戦線だらけだという事があからさまになってしまったのがこの1年だと言えるからだ。

■9/11(水)「セプテンバー11」。
 これから毎年、誕生日前夜には「テロ何周年」を記憶することになるのだろう。スター・チャンネル/TBSでオムニバス映画「セプテンバー11を見る。世界11ヶ国11映画監督が11分9秒2フレームの短編映画を寄せるという企画。中でもサミラ・マフマルバフ、ユセフ・シャヒーン、ケン・ローチ、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの作品が印象深い。ケン・ローチは同じ9.11という日付けを、キッシンジャーの指示による米国のチリ/アジェンデ政権へのテロ支援行為になぞらえ、復讐戦争に燃える米国を指弾する。「自由に対する攻撃が行われた」と叫ぶブッシュの映像が、チリをミサイル攻撃するジェット爆撃機の映像につなげられるシーンは実に辛口だ。ストレートなプロパガンダ映画といえるローチのものにくらべ、イニャリトゥの作品は画面はひたすら真っ黒で、音声トラックではテロに関連する放送音源や効果音、人々の叫びなどの音声情報が充満しているという圧巻の作品。時に挿入される、WTCから飛び降りていく人影の映像が凄まじい。しかしこの作品で考えさせられたのはむしろTBSでの放送のやり方だ。ブラックアウトした画面の上に、ほぼ全編にわたって白い文字で書かれた作品名と、「この映画はほとんどが音声によって構成されています」などというたわけたテロップが表示され続ける。始まる前に筑紫哲也が「ほぼ音声だけによって構成されている作品です」と同じ断りを入れているのにも関わらず、このテロップはそのことをしじゅう念押しするように表示され続ける。深夜2時過ぎともいうのに「放送事故だ」と考えて局にわざわざ電話をかけたりする愚か極まりない視聴者を畏れての処置なのか?ただテレビという不特定多数が視聴しうるメディアに載せただけのことで、あからさまに作品の本質に水をさすこのような扱いを受けてしまうというのは、あまりにも残念。

■9/9(月)ミラ反則!「バイオハザード」などなど。
 レンタルヴィデオでイギリス時代のヒッチコック映画「サボタージュ」見る。ものすごく久しぶりのヒッチコック映画。この映画何がイイってやっぱりシルヴィア・シドニーが出ていることでしょうな。チェコの名優オスカー・ホモルカも出演。ホモルカというと「死刑執行人もまた死す」しか出演作を見たことがなく、しかもまた売国奴の役なので、何かカブってしょうがない。ストーリーに感情移入しがたく、ちょっと不完全燃焼気味の映画だった。今ふと「ヒッチコック/トリュフォー 映画術」をひもといてみると、トリュフォーはシルヴィア・シドニーのことを「ピーター・ローレに似ている」と言っている。とんでもない事を言う野郎だ(笑)。
 ポール・アンダースン監督「バイオハザード」見る。フランチェスコ・ロージーがジョセフ・ロージーと比べて「つまんない方のロージー」と言われるのと同じような意味で、ポール・トーマス・アンダースンと比べて「つまんない方のポール・アンダースン」と言われもするポール・W・S・アンダースン監督。自分は初見であります。でもこないだ「ゴースト・オブ・マーズ」見たばっかりでやたらカブるなぁ。列車は出て来るわ歩く死体は出てくるわ。そういえばこの映画マリリン・マンソンが音楽やってるんだが、「ゴースト・・」では出演していた(←違うって)。ゲーム一作目の感じからして、冒頭の屋敷だけで1時間くらいは続くもんだと思っておりましたが、けっこう快速にゾンビ全包囲型サバイバルアクションに突入!マンソンなギターが鳴る鳴る〜。しかし本当のところ、自分がゲームの「バイオハザード」でハマったのは、古い屋敷で静寂の中「ウヌ〜」ってなうめき声が画面の向こうから微妙に聞こえてくる・・これが敵の位置を知るための手がかりにもなるんだけどやはり恐い・・そんなトコだったので、冒頭の静けさノリをもっと持続させてほしかったと思う。しかし!やはりそれを補ってあまりあるのはミラ・ジョヴォヴィッチ。赤いキャミにジャンパー、革のロングブーツにホワイトメタルのベレッタ・・その格好はキミ、はっきりいって反則だぞ!そのカッコでゾンビ犬を空中美脚回し蹴りですぜ!!「フィフス・エレメント」とかのミラはどーでもいーと思っていたが、今回のには全面降伏です。戦うヒロインってコトでは「ゴースト・オブ・マーズ」の火星警察バトルスーツぴっちりナターシャ・ヘンストリッジももちろん良かった!しかし今回、コスプレ値でミラが僅差勝ちです。でも思い出すだにホントかぶるよ、この二作。
 さらにレンタルヴィデオで加藤泰監督「男の顔は履歴書」を見る。あまりにもカッコいいタイトルで安藤昇主演とあらば、あらすじもろくに読まずにヤクザ映画だとばかり思っていたが、いちおう殴り込みというヤクザ映画的なクライマックスは持ちながらも、話のテーマは民族間の差別構造と"憎しみの連鎖"との葛藤・・というかなりドッシリしたもの。占領下で治外法権を得た在日朝鮮人ら三国人の荒くれ者たちによる暴力が問題とされているのだが、単純な「反・三国人」みたいな映画ではなく、むしろ占領時代を経過して己ら自身の暴力=戦争を簡単に忘れ去ろうとする日本人を、映画はところどころで鋭く指弾もする。主役の安藤昇そのものは映画の政治的スタンスを表わすようにクールな役回りでありながら、そのクールな男を軸の中心点として展開するドラマはかなり熱く美しい。個人的には、要塞化された敵本拠地からのトラックによる逃走シーンに胸打たれた。

■9/8(日)スパイキッズ2!
 池袋シネマ・ロサでロバート・ロドリゲス監督「スパイキッズ2/失われた夢の島」。この映画、1作目は「フツ〜の一般Peopleだと思ってたオヤジたちが、実はOSSのスパイだった!」ってなコドモ的だけど実に楽しい妄想をスタートに、ストーリーのデタラメさなどはほっといて快速にトバしてくれたのだが、2作目では当然同じことをやるわけにはいかない・・そこで弱さが出てる気がする。ライバルのキッズ・スパイ登場というネタは1作目でも既にやってるし、ちと話の牽引力が欠けている気がするなぁ。キッズムービーだからとガジェットやクリーチャーの氾濫だけに頼らず、もう少し話を作り込んでもよかったのでは・・?そりゃ大人のつまんない意見かも知れんが。しかしハリーハウゼン映画へのオマージュや、島で見つけた財宝の中になにげ無く「レイダース」の一番最初に出てくる黄金の神像があったりするなどの、要所要所の映画パロディには笑わされた。
 帰りの西部新宿線車中で、外人のオカマさんの浴衣姿というすごい取り合わせを見た。白人男性、北欧系なのかというほどのガタイのでかさ。うーん、こりゃレアだね。


■9/6(金)早退原因。
 みんな9時前に帰宅しちゃったよ・・、なんでだろうと思ったらハッ!今日は「北の国から 遺言」の放送日だよ!
 「いや関係ないだろう、だって9時なんだから普通に遅いよ」
 とは言われたが、ためしに会社のフロアに残っていた人に聞いてみた。オレも含めてみんな「北の国から」一回たりとも見たことがない人達であった・・。
 恐るべし、邦衛効果!

■9/2(月)マジメじゃない!(マジメじゃない!)ガンダムZZ
 8/31&9/1の蔦屋レンタル100円DAYを利用して、キャプラの「狂乱のアメリカ」、ケン・ローチの「カルラの歌」とあわせて「機動戦士ガンダムZZ」1〜3巻を借りてみた。OPでいきなり「アニメじゃない!(アニメじゃない!)」来た〜。「Z・刻をこえて」「水の星より愛をこめて」両方とも名OPだったZに比べ、アホとしか言いようのないOPテーマにドギモを抜かれる。秋元康の作詞か・・・そうか・・・。ノー天気な展開は実はなんとなく自分好みではあるが、シャンシャンの予定調和っぽい2、3話の展開にはイラつかせられる。いきなり主人公が母殺し&父殺しの業を負うという衝撃的な序盤から一気に引き込まれたZガンダムとはやはり温度差があるな・・・まあ、とりあえず3巻までは見て今後見ていくかどうかを考えたい。

■9/1(日)鈍物!族議員/「県警対組織暴力」
 NHKとサンデープロジェクトに猪瀬直樹が出演して道路行政の議論をしている。こないだ「日本国の研究」を読んだばかりだったので(遅い?)興味ひかれて思わず見てしまった。しかし猪瀬はともかく、NHKに出てきた道路族議員があまりにも阿呆にしか見えないのだが。こんなステゴザウルスみたいな鈍物でも議員になれるというのは一体どういうことなのか信じ難い。それとも言語能力はないが政策遂行力は在るとでも言うのか。あり得ない。
 レンタルヴィデオで深作欣二監督「県警対組織暴力」見る。以前に親戚筋の脚本家の方と飲みながら、エルロイの「アメリカン・タブロイド」が素晴らしいという話をしていた時、「エルロイ好きなら『県警対組織暴力』は見た方がいいよ」というのを聞き、見てみたいと思っていた作品。笠原和夫脚本作。松方弘樹の率いるやくざ組織とどっぷり同じ穴のムジナとなっている菅原文太ら刑事たち。しかしそこに、県警本部のキャリア警部梅宮辰夫が指導・監察を目的にやってくる。しかし梅宮は、「市政刷新」と口先ばかりで言いながら、松方率いる組の対立組織とつながっている悪徳代議士金子信雄の意を受ける巨悪の走狗であった・・。とにかく悪対巨悪のドラマが魅力満点。背徳が背徳を呼び、裏切りが裏切りを呼ぶ。ヤクザの接待を受けて泥酔した山城新伍が通りがかりのパトカーを呼び止め「おう、お前ら、こりゃあウチの自家用車じゃあ!お前らこれでみんな家に送っちゃるど!」と怪気炎をあげるシーンが何か忘れられない。そして、取調室で川谷拓三を全裸にしてイビる文太と新伍・・やはり深作/笠原の実録ヤクザ映画は、見る者に確実に「何か」を刻みこんでくれると言えるだろう。


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