更新日記&徒然草。→トップページはこちら
■10/31(火)
テアトル新宿にて中田秀夫監督「カオス」見る。予告編から予想される比較的「よくある」ハナシが導入部から語られるのだが、徐々に時系列をリミックスしたカオスなストーリーになっていく展開部はおもしろい。なんといっても中谷美紀のヤバい女っぷりが見上げたものである。しかし、結末はなんともあっけなく火サス級。何故か海の近くまで行っているあたりまで火サス(笑)。うーん、小さくまとまっちゃいけません。
いくばくかの不満が残ったので新宿蔦屋でビデオを借りる。ラオール・ウォルシュ監督「壮烈第七騎兵隊」。エロール・フリンとオリヴィア・デ・ハヴィランドというワーナー黄金カップル。フリンは(悪)名高いカスター将軍に扮し、彼の陸軍時代から南北戦争、インディアンによる第七騎兵隊全滅までを演じる。もっともここではカスターはインディアンとの協定を守ろうとしたにも関わらず、一部の私利私欲に走った白人のせいで仕方なく孤軍奮闘した悲劇の主人公ということになっている。こういうやり方、今時じゃ通用しないだろうなあ。ネイティブ・アメリカンが黙っちゃいまい。一通り楽しめるが、フリン本人にはあまり魅力がないので2時間20分は少しツラい。
ウォルシュの映画にはよく味な脇役が出てきて楽しませてくれるのだが、今回は黒人のでっぷり太ったメイドさんが登場、実に笑わせてくれる。あと、アンソニー・クインがスー族の酋長クレイジー・ホース役で出演してるのだが、この人は、異民族ならなんでも演るのか?(笑)
■10/29(日)
日本橋三越で「女子美術大学創立100周年記念展 ヴィーナスたちの100年」という美術展を見る。いただきものの招待券(ありがとうございます)。見る前の予想としては近代洋画やなんかが中心の、おとなしめな絵ばっかりなのかなぁという感じだったのだが、オブジェやコラージュ、デザイン、イラストに建築まで、意外とバラエティに富んでいてなかなかの見物だった。まぁ、そりゃセザンヌっぽいだけとか、マティスっぽいだけとかといった絵も少なからずありますが。レナウンの「イエイエ娘」デザインした人は女子美だったんですねー、へえ。なんてな発見もあって楽しい。何を隠そうオレの母も女子美です。
で、日比谷シャンテ・シネまで歩いてアラン・パーカー監督「アンジェラの灰」見る。日本橋から日比谷は、遠い。全世界が泣いた、とかいったふれこみのこの映画だが、一番泣けるのはジョン・ウイリアムスの音楽で、映画そのものにはウェットな感じはあまりなく、むしろ悲惨な生活の中にあふれるバイタリティや笑いのおかげで、ホットな気持ちで見ることができる。舞台になる町には始終雨ばっかり降ってはいますが‥‥。とりあえず、エミリー・ワトソンを見ているだけでもイイ。
で、地下鉄でテアトル池袋へ移動してイ・チャンドン監督の韓国映画「ペパーミント・キャンディ」を見る。キアロスタミも感動の映画ということで少なからぬ期待を持って行きましたが、見ている間にグングン来るというのではなく、後に確実に何かが残る、というタイプの映画。おもしろい物語話法ともあいまって、なみならぬ印象を後に残してくれる。これは拾い物でありました。
■10/27(金)
さいきん、名曲喫茶の名店「クラシック」(中野)に不穏な動き。「当店は昭和六年の創業より名曲喫茶として営業しております、音楽の邪魔になるような大声でのお喋りなどはお控え願います」といった意味の書かずもがなのハリガミが貼られていたり、カウンターの所に「SPレコードお譲りいたします」の文字。
これが、名曲喫茶のマナーを心得ぬ不粋客の増加に業を煮やしての、閉店の前兆でなければいいのだが‥‥などと思いながらコーヒーをすすりつつレ・ファニュの「ワイルダーの手」など読んでいると、ドカドカとオバハン四人組が入店、ドヴォルザークの新世界交響曲第一楽章を蹴散らすキンキン声でお喋りを始める。「そーゆーベシャリはルノアールでやってくれ」といわんばかりの常客のキツイ視線も、オバハンたちの視野には入らないようだ。この店じゃ、こんなんが一日一人いるだけでもブチ壊しだよなあ、閉店考えても不思議はナシ。
とか言って実はオレの取り越し苦労で、サウンドシステム交換のためのSPレコード売却だったりするといいんだが。なにしろ名曲喫茶とはいいながらも、始終音楽がプツプツ言ってるしな。ラインナップ的にも、エルガーのチェロ協奏曲あたりですでにギブアップだし。
ビデオでマーヴィン・ルロイ監督「風雲児アドヴァース」を見る。ワーナー活劇でコルンゴルト音楽ってことで、てっきりエロール・フリン主演の剣劇ものかと思っていたのだが、実際はフレドリック・マーチ主演で、数奇な人生を送った一男児のビルドゥイングスロマンという感じの映画であった。それでもやっぱりヒロインはオリビア・デ・ハヴィランドで、ライヴァルはクロード・レインズ(またかよ!)。フリンと違って、ラストで剣劇入ってレインズを串刺しにしたりはしない。逆境に逆境をかさねる風雲児アンソニー・アドヴァースが、新たなる旅立ちを迎えるところで幕という、実に前向きなラスト。それまでの展開はお話の処理という感じで正直退屈な部分が多いのだが、このラストを含むクライマックスのシーンは実に堂々、素晴らしいものだった。
■10/24(火)
ウチには、朝日新聞と読売新聞が二紙届いている。まぁ、読売はいつも読まずに捨ててるんだが、今朝は流石に二紙の記事を読み比べる、ということをしてしまった。何を読み比べたかって、オルブライト訪朝…、なワケがない。
今夜のフジ系深夜映画で上映の「クルーレス」、テレビ欄の紹介記事。朝日の記事読んで仰天。
『「クルーレス」(フジ 深夜1:55)‥‥
九五年、米。アリシア・シルバーストーン。ファッションやパーティーに興味津々の女子高校生。好きになった男の子が同性愛者と知ってショックを受ける。エイミー・ヘッカリング監督。』
このつまんなそーな紹介文!一分たりとも面白くなさそうだ。よほど、この文書いたヤツはこの映画がキライなのだろう。こうなると、読売じゃどう書いてんのか気になるところ。
『「クルーレス」(フジ 深夜1:55)‥‥
95年、アメリカ。アリシア・シルバーストーン。ファッションやエステに情熱を傾ける少女が、さまざまな人間関係の中で世間の複雑さを知り成長していく。エイミー・ヘッカリング監督。』
うーん、毒にも薬にもならなそうな文。こんな紹介文では、よっぽどヒマでも見るまい。むしろ、朝日の悪意いっぱいの文の方が、「ここまでコイツに書かせているモノは一体なんなのか?」と逆に見たくなる。そんなワケで今実は見てるのですが‥‥いやー、期待どおり、つまんねー(笑)HPアップしちゃうほどに。
■10/17(火)
メルヴィン・バージェス「ダンデライオン」読了。ああ、ツラい小説、ツラい人生‥‥。だが、どんどん読み進められる面白い、上手い小説であるし、描写もナイーヴな光を発しており、嫌気がさすということは全くない。お年寄りの親御さん、妊婦や保守的党派の方以外には、一読をおすすめしたい一冊。
■10/15(日)
一万ヒットを迎え、トップページ他のレイアウト変更や、そろそろ工事中の看板を
おろしたいコーナーの、立ち上げなどを始める。が、ああ、新しいことを始めると必ずどこかでつまづくHTML。ちょっとした数値違いに祟られるこの面倒さよ…。途中沼袋の「猫丸」などでコーヒーブレイク入れつつも、結局一日費やしてしまうのだった。
メルヴィン・バージェス「ダンデライオン」読み始める。中央図書館からの借り出し図書。
■10/14(土)
「ダルタニャン物語」の九巻以後を探索すべく自転車で早稲田の古書店を訪れる。が、求める本は見つからず、全然違う本ばかり買ってしまうのだった。
それにしても高田馬場駅近くのBOOK-OFFは、他支店に比べて妙に揃えがイイ。しかし、「中古本屋」と言われるだけに一定以上に古びた本は切り捨てることにでもしているのか、妙に新しい古本ばかりである。講談社文庫版「ダルタニャン物語」は初版がオレの生まれた年というれっきとした「古本」なので、置いてある気配すら感じられない。若者はカバーが灼けていたり文字通り「手垢のついた」本には手をつけないだろう、と思っての配慮なのかもしれない。しかし、新本よりちょっと色あせたレベルの文庫の背がズラッと並んでいる様は、ちょっと奇妙で近寄り難い雰囲気を発してもいるのだった。
そのまま新宿へ出て「夕なぎ」を返却、中野まわりで帰ることにする。途中で鍋横近くのラーメン屋「赤坂屋」でラーメンを食う。「野方ホープ」より一段とおいしい。っつーか野方ホープって不味いよな。さらに、サンモール脇の喫茶店「カフェ・ド・スヴニール」(久しぶり)でケーキ&コーヒーを楽しみつつ宮部みゆき「クロスファイア」をほぼ読破。その後自宅で完読したが、今まで読んだ長編の傑作に比べるとちょっとプロット的に色落ちする感じは否めないものの、テーマ性は胸に迫るものがある。やはり宮部はモラリストの小説家との思いを新たにするのだった。
この日の買い物。
古本
佐藤忠男「日本映画史」(1)
田中成和・船木文宏編「200CDクラシックの名録音」
ぼくらはカルチャー探偵団編「読書の快楽・ブックガイドベスト1000」
和田誠「シネマッド・ティーパーティー」
フロベール「感情教育」(上下)
新本
安藤鶴夫「わが落語鑑賞」
コリン・ウィルソン「超読書体験」
CD
ビル・エヴァンス「モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス・トリオ」
「モントルー」はヴァーヴ・スーパー・ベスト50シリーズで手に入れたいと探していたのだが、どこに行っても早くに売り切れていた。そこで高田馬場のムトウならどーせ売れ残ってるだろうと思って行ったのだが、はたせるかな、しっかり売れ残っていた。いまさらこの盤が良いなんて言ってたら筋金の入ったファンにはバカにされるだけだろうけど、やはり評判に違わぬ名盤。満足。
■10/13(金)
ふたたび、イヴ・モンタン万歳!ということで、クロード・ソーテ監督「夕なぎ」見る。ソーテの中では最も著名な作品だと思うが、そんなに飛び抜けて良いというのではないけれども、やっぱりイイ。恋愛映画というジャンル自体あまり好まないオレだが、ソーテ、ロメールの恋愛映画は無条件に見てもいいと思う。この違いは何か。別にこの二人の監督にそんなに共通項が多いわけでもないだろうと思うのだが‥‥、いずれハッキリさせておいた方がいい問題に思われる。
■10/11(水)
イヴ・モンタン万歳!というテーマのもと、ビデオでコスタ・ガブラス監督「Z」を見る。だが、つまらん。モンタンも単にマジメなだけだし。寝てしまう。
■10/10(火)
ワーナーマイカル板橋レイトにてブライアン・シンガー監督「X-MEN」見る。アメコミの映画化と思って見ればハイクオリティなデキだが、うーん、イマイチ各キャラの持ち味が前面に出てないようにも思う。イアン・マッケランのヘルメット姿には失笑。なんか「女囚さそり・けもの部屋」の李礼仙登場シーンを連想してしまったぞ。
■10/9(月)
恵比寿ガーデンシネマにてティム・ロビンス監督「クレイドル・ウィル・ロック」を見る。公開三日目ながら余裕で座れた。いっぽう、同館で上映中の「十七歳のカルテ」は公開後かなり経つのに終日満席。おそるべし、ウィノナ・ライダー人気。しかし、「クレイドル〜」はかなりの感動を与える映画である。詳細は"cinema"のコンテンツにて。
さらに、ビデオで黒沢清監督「勝手にしやがれ!黄金計画」を見る。哀川翔/前田耕陽コンビに思わず共感を抱いてしまう自分の昨今に涙する(笑)。映画は、痛快で楽しく、でもちょっと怖いとこもある、「イイ仕事してますね〜」と思わずにはいられないあいかわらずの名人芸。このシリーズ、全部見たい。
■10/8(日)
中央図書館ビデオでデビット・リーン監督「戦場にかける橋」を見る。前掲「戦場を駆ける男」のごとき明快な善悪、勧善懲悪の図式はなく、各キャラクターの掲げる「大義」「プライド」のぶつかり合いという、いかにも軍人ドラマ的な基本筋から、信じがたいカタストロフが訪れるまでのプロット運びが実に秀逸。14インチのTVモニターで、しかもシネスコ画面の両端が切れているという劣悪な視聴環境にありながら、相当の感銘を受けた。ナルホドの名作である。
■10/6(金)
ビデオでラオール・ウォルシュ監督「戦場を駆ける男」を見る。エロール・フリン&ロナルド・レーガン主演による戦争映画。WW2ヨーロッパ戦線を舞台とした敵地潜入モノなのだが、ライヴァル的存在となるドイツ側の士官がなかなかイイ感じの悪者で、スピード感にあふれた追跡劇が展開されるなかなかの好篇。が、ラストで生き延びたフリンがイギリスに向けて旅立ちつつ「次はジャップだ!」と意気揚々と叫ぶので、なんとなくフクザツな心境になってしまうのだった(笑)。
■10/3(火)
臨川書店の筆記at水道橋ということで、バイトを休む。新字を旧漢字に書き換えさせたり、校正用語を説明させたり、書店の仕入れ担当者向けに本の宣伝文を書かせたりと、即戦力志向な内容。ほとんど投げ出しそうになってしまった。帰りに神田古書店街をぶらつく。デュマの「ダルタニャン物語」の九巻以降を探すが、既に手元にある第二巻「妖婦ミレディーの秘密」しか見つからぬ。小宮山書店裏の喫茶店「神田伯剌西爾(ブラジル)」でコーヒーと珍しくケーキなど楽しみつつレ・ファニュの「墓地に建つ館」の続きを読む。三分の二あたりを経過したくらいからやたらに面白くなってくるあたり、まさに十九世紀の味。
■10/2(月)
ビデオで黒沢清監督「ニンゲン合格」を見る。かなり共感&感動しました。
■10/1(日)
ワーナーマイカルでは毎月1日が1000円均一デーである。そこで、キンバリー・ピアース監督「ボーイズ・ドント・クライ」を見ることにした。詳細については"cinema"の欄を参照。意外と好感度の高い秀作である。ヒラリー・スワンクの痛々しい裸身が忘れ難い。
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