デジカメのシャッターラグ(シャッターボタンを押してから実際に写真が写る時間)の長いのには困ったものです。
最近(2002年後半)はタイムラグの短いことが売り物にしている機種が出てきたようですが。
私の機種、友達の機種はかなり長い(旧いので)。しかし実際どのくらい長いのか感覚的にしか分かりません。そこで
今回パソコンを利用してタイムラグ測定を作成してみました。装置?はシャッタートリガーユニット(Fig01 )そして
ソフト(Fig03)(VisualC++)で構成されています。
トリガー発生器 Fig01 Time-Lag測定アニメ Fig02
アプリソフトによる撮影用画面(印刷用) Fig03 モニター表示用
動作方法を簡単に説明します。
表示場面にカメラをセットする。
カメラのシャッターにトリガボタン(Fig05)をそえて押すと同時に画面左からバーが一定時間の早さで右側に移動する。(Fig2参照)
フィルム(メモリー媒体)を現像(PCに取り込む)して写っている写真(Fig04)から測定値を計る。
Fig04 Fig05
上図からタイムラグは約80mSec(500mSecスケールで0.8)と判定されます。白いバーが何本も写っているのはこの間がカメラの
シャッターが開いている時間(シャッター時間)です。(肉眼ではバーが一本しか見えないがソフトでは白バーを画いてすぐに
黒バーで画く(消す)処理をしているのでカメラにはこの間が写しこまれる。)
画面下部の碁盤スケールはオートフォーカス用のピント合わせゾーン。(これがないとカメラのピントがなかなか定まらない。)
ならないのです。厄介なことにWindowsOSは素人に外部機器への制御をかってに許していないことです。
(ディバイスドライバーのみ対応)MS-DOSならI/Oに8255等を使って外部トリガーを簡単にソフトで処理しようと考えるのですが、
これは無理。そこで苦肉の策としてマウスクリックの押し接点(Fig06、07参照)を外部ボタントリガー入力に使いました。
Windowsのマウス動作はボタンを押して指を離したときにイベントが発生しますが、これではタイミングが不正確になるので
トリガー発生器では指を離した状態の信号をマウスに対して出力しています。
多種のカメラシャッター「押しトルク」に応じて何種類かのボタンスイッチを用意しています。(Fig05参照)
右側の小型コンデンサーマイクはカメラシャッター音によるトリガー発生パーツです。音声トリガーはシャッターを押したという感覚を
シャッター音で聞くことにより人は意識することから用意しました。
Fig06 Fig07 測定ユニット一式 Fig08
1世代前の機種はフォーカスから1秒以上Time-Lagがあります。これでは動く被写体はフォーカスロック後でなければ被写体が
画面から消えています。フォーカスロック後でもベストショットは望み薄??。
参考までに約45年前のレンジファインダーカメラ、NikonSPのタイムラグの測定結果をFig09に表示してあります。(別ソフトによる)
この時代にはシャッターのタイムラグという言葉も無かったようです。
Fig09
Sony U-10
FinePix 4500
最近(2003年)は短いタイムラグカメラが発売されているようです。機会(なかなか無いが)があればぜひ測定したいものです。
追記
Nikon D70
フォーカスロックから約120mSec
フォーカスから約370mSec
KonikaMinolta α-7D
フォーカスロックから約130mSec
Panasonic DMC-FX8
フォーカスロックから約30mSec
Ricoh Caplio R5
Canon 5D
Canon 5D のタイムラグは約50mSec
今回の測定では一番タイムラグが短い機種(Ricoh Caplio R5)でした。
旧式写真機(主に国産35mm)の紹介はここをクリックしてください。
作者 稲村俊雄 E- Mail : inasan99@remus.dti.ne.jp