「ウクレレ製作キット」の巻

武藤君がんばって作ってます

ゼンオンという会社がある
そこから様々な楽器製作キットが出ているらしい
その中でも昨今のウクレレ・ハワイアンブーム(?)にのっかって
注目を浴びているのがこのウクレレ製作キット
「ZU-600K」だ

以前 逗子の某ウクレレ自作家から
「キットがあるし組んでみなよ」と声をかけらえていた
しかし私はちゃんと音の出る楽器の自作をなんとなく敬遠していた
以前ちょこっと齧ってやめたギターに形が似ている事もあったのだろうか
しかもキットを使っても
ちゃんとチューニングできるように作れない自信もあった

そのまま時は過ぎこの夏

・・・ふとつけたTV・・・

NHKの趣味講座のような番組で
「羊の皮を使ってウクレレのようなモノを自作してみよう」
みたいなモノを放映していた

「お・・・これならいいかも・・・」
なんて考えた まったくの気まぐれだ
最初はタンバリンを使ったバンジョーウクレレでも作ろうかと思った

しかし調査してみると手間・コスト・工作精度などなど
様々な障害がある事がわかった

相談にのってもらっていた逗子の某ウクレレ自作家と話しをつめていくうちに
「じゃあキットで自作しよう」とう話しに・・・

世間がお盆休みをとるこの時期に
休まず営業を続ける私の精神的なバカンス
もしくは
某レレ氏にのせられた
もしくは
何故か再燃した木工魂
そのはけ口を探し そこにウクレレキットがあった

さしずめそんな感じだろう

組むとなったら話は早い
熱風吹きすさぶ街に飛び出し
御茶ノ水の楽器店で5,500円プラス消費税で購入

しっかりした説明書 撮影を始める前に作り初めてしまいました 押し込んだのが敗因(涙)

キットは青い箱に収められている
側板はすでにRがつけられ枠木にはめこまれている

まずはそこに補強兼のりしろの板を接着していくわけだが
これが側板とRが合わない
しかも長さも合わない

「むりやり止めて接着」
そう思い込んだ私は一生懸命接着

もちろん側板にはゆがみ発生 最初にして最大の失敗

補強兼のりしろの板はのこぎりで切れ目をいれて柔らかく曲がりやすくし
Rにマッチするようにしてから接着するのが正解のようだ
力木の整形 持ちにくくて大変 趣味の縮図のような画像(笑) 「ハイヒールのように」と言われました

99円ショップで買った大量の洗濯バサミに
接着の任務をまかせている間に力木の整形

この力木は胴体部の補強用らしいのだが
キットのまま使うと大きすぎる・・・ようである
気の済むまでナイフを入れヤスリをかける

表・裏板に力木をくっ付け側板と貼り付け
ボディーを作る

そこで大事なのは側板と補強兼のりしろの板のクリアランス
もちろん面イチがいいに決まっている
ここでもあせるばかりにそのまま「大丈夫だろ」と接着してしまい失敗
裏が少し浮いたようになってしまった

本数冊とボンゴとジッツオを重石にする

その間にネックの整形
そのままでもいいかと思ったが とりあえず削っておく
ボディーに接する所は少ない方がいいらしい
大仕事を前にコーヒーブレイク 指板をぎゅーっと 十分時間をかけてください

一晩くらい重石をのせておいて表・裏板のバリを削る
マホガニーの単版が硬い・・・
ついでに裏板を削る
結局硬い・・・

で ネックとボディーの合体
ダボを入れてまっすぐになるようになっている・・・ハズなのだが・・・

一番最初の行程「側板と補強兼のりしろの板の接着」でゆがみ発生
そのままなんとなーく「右曲がり」状態

しょうがないのでネックとボディーを削り
接着剤に削りカスを混ぜた特製パテで隙間を埋める
この後この時の木工用ボンドに悩まされることになる

そして指板の貼り付け
ぎゅーっと ただ ぎゅーっと

乾燥したら下ゴマ・ブリッジの接着
とりあえず弦の力に負けてブリッジが飛んでくるのはカンベンだったので
規定どおり木ネジでとめておく
しっかりマスキング(涙) 捨てられているのではありません 完成図その1

仕上げには時間を使うように書いてある
ざっとヤスリがけ

塗装は色つきオイルフィニッシュ(エボ二ー風)仕上げにする気でいたので
荒めに仕上げて後で磨く

自分にしてみたら立派なマスキングをほどこす

で オイルをだーっと塗っていくのだが・・・
なんとまあ木工ボンドがはじきやがる・・・

はみ出たボンドが皮膜を作りオイルを浸透させないのだ
しかも表層だけではなくボンドが浸透して邪魔をする
そこだけ色がつかなくなることになるので
主だった所は再研磨
削れない所はそのまま目をつぶる事にする

はみ出た木工ボンドには注意が必要だ

そして二日ほど塗装・研磨・乾燥・拭あげを繰り返し
いざマスキングテープを剥がした時 最後の悲劇がおこった

しっかりしたマスキングをしていたのだが
どうやらフレット打ち込み用の切れ目からオイル浸透
指板の上でムラになっている
しょうがないので指板全体にオイルをざっとひと塗り

後は糸巻きを立て弦を張ってできあがり

主要日数は約4日間
こんな乱雑な作りをしたのにとりあえず音が出るのにびっくり
満足満足


次は「弾き」か・・・?!


完成図その2



評価
組み立てに演奏に十分遊べる
長い休みがあるならば作ってみても損じゃないかも


効果・使い道
趣味と実益を兼ねた暇つぶしにぴったり
調子にのって工具その他を買いに走ると高くつく



なお この自作キットを作るにあたり
色々なサイトを見てまわって情報を集めたり
思考をめぐらせたりしたのだが
必要なモノ
そうでないモノ色々あった

その中で一番 役にたったのは某レレ氏のサポート
指板作りから側版の曲げから自分でやってる本格的自作派が一人でもいると
非常に役に立つことを報告すると共に

数々の助言をくれた某レレ氏に敬意を表する



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非常口