四国ミステリーの旅

2007.8.57

    

 出発するまで何所に行くか分からない、ミステリー

の旅です。流石に飛行機に乗るには行き先の空港名が

必要です。乗ったのは松山空港行きでした。

 空港で出迎えてくれたガイドさんに「皆さん勇気が

ありますね」と感心されました。

 

85日(日)晴 10,100歩 愛媛最高気温35

  5:20に家を出て、国分寺まで歩く。6:00発の羽田空港行きリムジンバスは、南口のバス停を定刻に出発し、府中駅で乗客を乗せ、調布のインターから高速道路を空港に向かう。羽田空港到着は7:03分。南ウイングの11番カウンターで搭乗券を受け取る。ここで初めて搭乗する飛行機が松山の坊ちゃん空港行きと知る。

 出発の時間までJCBのラウンジでコーヒーとクロワッサンを頂きながら遠くを走るモノレールの車両が右へ左へと走って行くのをぼんやりと眺める。

 JAL 1461便、松山空港行きA300-600R型機は定刻の8:453番ゲートを離れ、9時丁度に離陸した。機内でスープのサービスを受け、10:05に松山空港の2番ゲートに到着した。

 「ようおいでたな、もし」と、到着ロビーの案内板が歓迎してくれた。

 空港ロビーから今回のツアーを案内して下さる松下さんと藤井さんの先導でバスに乗る。10:27に出発したバスは松山の市街を抜けて南に向かい、内子五十崎(ウチコイカサキ)ICで松山自動車道を下り、内子町の町営駐車場に11:15到着する。

 内子はその昔、黄櫨(ハゼ)で栄えた街で、石畳と懸魚、海鼠壁、鏝絵、虫籠窓、鬼瓦鳥衾(オニガワラトリブスマ)、卯建、出格子、床几が見られる旧い街並が今でも残る。石畳の道は<日本の道100選>にも選ばれている。

 

 懸魚(ゲギョ):棟木や桁の端を風雨から守る為に取り付ける装飾的

         な繰形などがある板のこと。

 海鼠壁(ナマコカベ):土蔵造りの建物の外壁、平瓦を貼付け、目地

      の漆喰を半円形の海鼠型の断面に盛り上げて塗る壁のこと。

 鏝絵(コテエ):漆喰による浮き彫りのこと、土蔵造りや大壁造りの

      装飾用として外壁に使われる。

 虫籠窓(ムシコマド):民家の壁にみられる明かり窓、漆喰で塗った

      連子をいれてある。

 鬼瓦鳥衾(オニガワラトリブスマ):鬼瓦は建物の大棟や降り棟の端

      に用いられる。鳥衾は鬼瓦等の上にあって、前方に突き出

      ている装飾用の瓦、内子では帆掛け瓦。

 卯建(ウダツ):建物の側面の壁を屋根面より高く揚げて設けられ

      た小屋寝付きの高壁、火事の類焼を防止する役目がある。

 出格子(デゴウシ):窓の外側に付ける格子

 床(ショウギ) :揚縁とも呼ばれ、涼み用に使われ、使わない時は

      吊り上げる。

 

 11:55に内子を出発したバスは、西伊予市まで松山自動車道で、それから国道56号線を南下して宇和島市に入り、12:44宇和島真珠会館に到着し、13:40まで昼食休憩をする。ジャコ天、タコの天ぷら、ジャコ天うどん、生ビール。この店の大ジョッキは今時珍しく、正1Lであるが、ジャコ天は小さくて食べた気がしない。

 13:40真珠会館を出発したバスは、国道56号線を南下し、鳥坂峠を越えて宿毛の町に入り、そこから更に国道321号線、別名サニーラインに入り宿毛サウスパークで15:00から15分程トイレ休憩をする。この辺りは瀬戸内海と太平洋の境にあたる。

 バスは更に国道321号線を走って15:55土佐清水市の竜串海中公園・足摺海底館に到着する。波打ち際の遊歩道を歩いて海底のさんごや魚等を見物する足摺海底館は10年程前見物しているので、運良く出航間際のグラスボートに乗船させてもらい、船底のガラス越しに海底のさんごや熱帯魚等小魚の見物をする。太平洋の荒波が造り上げた断崖絶壁や波打ち際に並ぶ奇岩は大自然の雄大さを感じさせてくれる。

 バスは土佐清水の市街をあっという間に走り抜け、漁港や地震で出来た島等を右手に見て、国道348号線、足摺スカイラインを通って17:30あしずり温泉郷の足摺パシフィックホテル、花椿に到着する。

 部屋に着くと、早速浴衣に着替え、大浴場で汗を流し、露天風呂で太平洋を眺めながらのんびりする。夕食は19時から、生ビールと司牡丹のぬる燗酒を2本を注文する。

 夕食のメニュー:10品盛りの皿鉢(茹でエビ、鰆の焼き魚、鰻の巻寿司、オクラの蟹詰め、イカの煮付け、天ぷら、蒲鉾、チャンバラ貝、水ようかん、パイナップル)、刺身、茶碗蒸し、白身の魚・イカ・野菜の鉄鍋、炊き込みご飯、とろろ昆布の吸い物、ご飯と漬物。

 20時から1時間程ロビーで日本舞踊やよさこい踊り、宿泊客、特に子供が参加して河童踊りや綱引き等賑やかに余興が行われた。

 今日は4:25起床、21:45就寝。

 

86日(月)晴 高知最高気温31℃ 8,900

 5:50に起きて、6:10から40分程ホテルの周りを散歩する。ホテルの右手の坂道を太平洋に向かって下って行くと、太平洋を一望出来る展望所があり、沖行く貨物船や荒波で出来た岩壁が朝日を反射して見事な景観を造っている。足摺三景の一つに数えられる「観音ウド」と呼ばれる洞窟は急な階段を下りて行くと、入り江のような所にあり、寄せては返す太平洋の荒波で出来た岩壁に囲まれて自然の造形美を造り出している。

 朝食は6:50からキビナゴの一夜干しを焼きながら、冷や奴、のりの佃煮、ヒジキ、昆布巻き、等をご飯、みそ汁、漬物で頂く。

 8:40にホテルを出発したバスは、10分程で足摺岬に到着する。バスの駐車場から中浜万次郎の銅像の前を通って足摺岬展望台に上る。目の前に太平洋が広がり、点在する岩礁にぶっつかって白くはじける波、青く澄んだ海、そそり立つ断崖、岬の断崖の上には白い灯台が聳え立つ。展望台から椿枝で出来たトンネルを通って灯台への道を歩く途中で、「地獄の穴」という弘法大師の足摺岬七不思議の1つを見物する。灯台から駐車場に向かう間に「爪書き石」、「亀呼場」、「五時の雨」、「不贈不滅の手水鉢」、「ゆるぎ石」、を見物する。五時の雨は一夜建立ならずの華表(トリイ)の石とも呼ばれ、6カ所の不思議を見物したが、残りの一つは「竜の駒」と呼ばれ、遠く離れているため見物出来なかった。

  駐車場の向かいに仁王門が立つ金剛福寺は、弘法大師によって建立された四国霊場第38番札所で、門前や境内には巡礼姿が目立つ。

 バスは足摺岬の大駐車場を8:40に出発して、足摺スカイラインを経て土佐清水市の黒潮市場に9:05到着し、25分程トイレ休憩をする。

 土佐清水市を出発したバスは、国道321号線を四万十市(旧中村市)の佐田地区にある佐田の沈下橋に向かい、10:25到着する。沈下橋とは、川が増水したとき水の中に沈んでしまうように設計された欄干の無い橋である。四万十川には数多くの沈下橋が架けられているが、佐田の沈下橋は最下流にあって最長で、291.6m、幅4.2mである。欄干が無いので風が吹くと川に飛ばされそうである。

 四万十川は<日本の名水100選>に選ばれた清流である。バスで四万十川の下流に向かい、遊覧船の乗船場に11:10到着する。 船頭さんの面白おかしい話を聞きながら弁当の昼食を食べ、四万十川に架かる最下流の橋辺りまで遊覧する。この地方独特の柴浸漁23才の若者の投網等、遊覧船が来るのを待って見せてくれる。柴浸漁とは木の枝を川に浸けておき、魚や鰻が枝についている虫を食べに柴の中に入り込んだ所で、芝を引き上げ捕獲する漁で、日本では四万十川河口付近で行われている。

 四万十川を12:20に出発したバスは中村街道と呼ばれる国道56号線の胆振峠、七子峠、焼坂峠を越えて須崎市に入り、土佐魚菜市場で13:55から25分程休憩する。

 ここではちくわや蒲鉾の製造販売をしている。店の奥には蒲鉾板に描かれた絵が展示されており、旅人の目を楽しませてくれる。ビニール袋に入った4本のエビちくわを100円で買って食べる。

 バスは56号線からしばらく高知自動車道に入り、土佐ICで一般道に下り、15:10桂浜に到着する。桂浜に向かう海岸線の道路沿いには延々とお墓の石塔が建ち並んでおり、珍しい風景であった。

 桂浜は<日本の渚百選>に選ばれている美しい弓なりの海岸であるが、波の変化が激しいので遊泳禁止である。台風5号のもたらした流木やゴミがそのままになっており、現在清掃中であった。この公園の高台には、鞘の無い刀とピストルを持った坂本龍馬の銅像が建っており、太平洋を見下ろしている。竜王岬の展望台から太平洋を眺めていると、この海原の先に何があるのか知りたくて、その昔この地の若者達が多数海を越えて米国に渡った心境が分かるようである。

  バスは桂浜の駐車場を15:50に出発し、10分程で鰹のたたきや鰹節削りの実演販売をしている<かつお船>に20分程立ち寄り、浦戸大橋仁井田の町に出る。この辺りの川向こうは音畳瀬と書いてみませと読ませる地区で、有名なよさこい節の2番の歌詞に唄われている。

 高知の町や五台山を左手に見ながらバスは北上し、高知ICから高知自動車道に入り、四国山脈を19に及ぶトンネルを通り、その昔参勤交代で土佐の殿様が歩いた道や本陣跡を下に見ながら横断する。愛媛県の東端、川之江JCTから高松自動車道に入り、豊浜SA17:20から15分程トイレ休憩をする。この辺りは讃岐うどんの出汁を造るいり粉の産地だそうである。このような地元の話しはガイドの藤井さんの説明によるものである。藤井さんは四国の生き字引のような方で、故事来歴からバスからの風景、街並などこと細かくガイドして下さって、この旅を楽しませて頂いた。

 バスは善通寺ICで高松自動車道を下り、ことひら温泉郷の琴参閣に18:30到着する。今日のホテルでも露天風呂のある大浴場で、色々な種類の湯船に浸かり、旅の埃を落として夕食に備える。

 夕食は19:30から、食事中に打ち出の小槌と鯛を持った布袋さんと一緒に記念撮影をし、1億円の現なまを頂く。

 メニュー:讃岐うどん、茶碗蒸し、刺身の盛り合わせ、天ぷら、酢の物、鮭のホイル焼、鰊とゼンマイ、里芋の煮物、讃岐牛と野菜の鉄板焼、漬物、ご飯、牛乳寒天のデザート、お酒は金陵のぬる燗。

 食事の後は20:30から野々村あいの歌謡ショーとビンゴゲームがあり、その間にコーヒーを頂く。22時就寝。

 

87日(火)晴 14,900歩 香川最高気温32

 5時半に起き、6時半からロビーの朝市を見物する。6:30からバイキング形式の朝食をする。昨夜布袋さんと記念撮影した写真を8百円で購入する。

 8時にホテルを出て、案内人の指示に従って金毘羅さんに向かう。途中のにしきやさんで杖を借りる。金毘羅さんの階段は大門まで365段、書院まで475段、旭社まで629段、御本宮まで785段である。御本宮到着は8:50、案内人のせいか割りと簡単に登れた。御本宮の金印の提灯の前で記念写真を撮る。下りは裏参道で、周りの風景を眺める余裕があり,改めて金毘羅さんのご利益を享受する。にしきやさん到着は9:35、ここで一休みし、お土産に<醤油豆>を買う。

 10:10バスは国営讃岐まんのう公園に向かい、10:26に駐車場に到着する。この公園は立川市にある国営昭和公園のようで、敷地111.4haの中にお花畑や池&川、木立&森等の自然、遊園地、サイクリングロードなどが有り、その外側に満濃池と呼ばれるため池がある。マダムはお花畑の見える辺りまで散策する。ポチは展示館でビデオの映像を見、展示物等を見物する。

 バスは四国のへそ、と呼ばれる池田町から四国三郎と言われる吉野川を遡り、大歩危の<レストラン大歩危峡まんなか>の駐車場に12:25到着する。

 レストランから遊覧船の発着所まで下りて、渓流や奇岩、水の流れによって山脈を削り取った岩壁の彫刻美等の景色を目の当たりにし、感激する。遊覧船はここから下流に向かって下り、30分程で戻ってくる。雨が降り出したので、レストランに戻り、鮎の塩焼き、山菜、讃岐うどん、生ビールを頂きながら窓から見える渓流美を楽しむ。

 13:30に駐車場を出発したバスは、15分程で西祖谷のかずら橋駐車場に到着する。そこから坂を下ってかずら橋まで歩き、先ずはコンクリートの橋の上からかずら橋を眺めながらこの橋を渡り、川の向こう側からかずら橋を渡る。この橋は長さ45m、幅2m、谷からの高さ14mで、日本三奇橋の一つとして重要有形民俗文化財に指定されている。葛類のかずらのみをを使って吊られたこの橋は、橋床のさな木に丸太や割木を使ってあり、その間から下の谷が見え、スリル満点である。橋を渡って左手に歩いて行くと、びわの滝がある。その昔平家の落人が都を偲んでこの滝を見ながら琵琶を奏でたとのことである。

 14:40に出発したバスは徳島自動車道の吉野川オアシスSA15:35から15分程トイレ休憩をし、国道193号線を高松空港に向かって走り、空港に17時丁度に到着する。3日間で四国四県を790km走破したそうである。

 空港の二階にあるレストランさぬき麺業で釜揚げうどん、ジャコ天、串カツと生ビールの夕食をし、土産物屋等を見物する。

 高松空港発18:35JAL 1414便は羽田空港の8番ゲートに19:46到着する。20:30発の国分寺行きリムジンバスはほぼ満席だったが、調布駅、府中駅で乗客を降ろし、21:45国分寺駅南口に到着した。

 国分寺南口発21:50の京王バスで22:05帰宅する。


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