栂池の水芭蕉を楽しむ旅

2006.6.24〜6.26

    

 カナダ会の有志7名で栂池自然園の水芭蕉見物に出かけました。当日は水芭蕉祭りの初日で、天候に恵まれ、雪原の水芭蕉をはじめ、可憐な高山植物に会うことが出来ました。

 小谷温泉の露天風呂で疲れを癒し、山菜料理や名物料理に舌鼓を打ち、縄文おやきや田楽も懐かしく、美味しかった。


624日(土)晴

 6:57発のバスを7:10国分寺で下車する。7:12国分寺発の中央線快速電車は7:35八王寺に到着する。八王子駅から8:01発のスーパーあずさ3号、南小谷行きに乗る。栂池に行く時はいつもこの特急を利用する。途中の天候は良くなく、景色は期待出来ない。缶ビールとコーヒーを飲んで一寝入りする。

 JR白馬駅到着は11:28、例によって山小屋のご主人が迎えに来られていた。東京から車を運転して近くまで来ていたTさん母娘と連絡して、白馬駅で待ち合わせ、2台の車で栂池に向かう。

 麓の山小屋に着くと、玄関先で着いたばかりのSさんご夫婦、Yさんと会い、全員が揃う。

 明日の天気がどうなるか分からないが、今日は天気がいいので、準備をして自然園に行くことにする。12:20麓の山小屋を出発して、ゴンドラリフトとロープウェイを乗り継いで栂池自然園に登る。標高2,000m近い自然園はまだ雪が残っており、木道が見え隠れする。

 木道は除雪してあるが、残っている雪の方が多いようである。雪原にはダケカンバが所々で雪に耐えた姿を見せているが、新緑はまだで、雪の白とダケカンバの幹の白のコントラストが奇麗だ。ミズバショウ湿原では水芭蕉が咲き初めで、雪の間から小さな白いミズバショウが顔を出している。木道の両脇ではショウジョウバカマやリュウキンカ等の高山植物が雪解けを待って一斉に咲き始めていた。

 雲の動きが早く、時々青空になると、乗鞍岳(2,437m)や小蓮華山(2,769m)が山頂まで見え、奇麗だ。

 ワタスゲ湿原の雪の上においてある木材に座って休憩し、ヒュッテの前で買ってきたお焼きを食べる。

 楠川に架かる橋のところにあったトイレは今冬の雪崩で押しつぶされ、木屑のようになっていた。勿論その近くにあった水飲み場は跡形も無い。この辺りから引き返し、栂池ヒュッテの食堂でビールやコーヒーを飲みながら休憩し、自然園発16時のロープウェーに乗る。

 ロープウェーからゴンドラに乗り換える栂の森駅(1,560m)辺りの湿原では大きくなったミズバショウが群生しており、リュウキンカやコバイケイソウも自然園とは比べものにならない程大きく、お化けのようだ。

 栂の森駅からゴンドラリフト「イブ」で下りる途中の窓から白馬三山が見え、雲海の下の栂池集落がおとぎの国のようだった。

 18:00山小屋のオーナーの運転で、小谷村営小谷温泉の露天風呂に入り、疲れを落として、家庭料理の店、家族で夕食をする。18:40から20:30まで山菜尽くしの料理に満足する。

山小屋に帰着したのは21時、23時までおしゃべりする。

 

メニュー

 おしたし:イラ、コゴミ、ワラビ、山ウドの皮、山ミツバ

 天ぷら:根まがり筍、山ウド、コゴミ

 煮物:野沢菜、アザミ・天ぷら・人参

 汁物:根まがり筍とサバ缶のみそ汁、ミツバと卵のみそ汁

 山ウドの酢みそ、キュウリ+チャンメロ味噌

 アコウダイの唐揚げ+ポン酢、イカソーメン、山菜おこわ

 飲物:スモモ酒、生ビール、日本酒、ジュース、お茶

 

 『イラ』

見掛けは独特で、葉っぱがシソに良く似ています。

この植物は茎にトゲがいっぱい生えていて、しかもそのトゲには「蟻酸」 と呼ばれる毒が含まれているので、素手で触れるととっても痛いです。 採取には軍手等の手袋が欠かせませんが、それでも何度か貫通して刺さり、悲鳴を上げました。

ゆでると毒が消えるので、マヨネーズをかけて食べるのが一般的ですが、 味噌漬け、煮付けなど、さまざまな料理法があります。

『チャンメロ味噌』

チャンメロとはこの地方の方言で、フキノトウのこと。家族のオーナーの手造りで、お土産用に道の駅「小谷」でも販売している。青唐辛子で造った「唐辛子味噌」もある。

 

625日(日)晴

 4:30に起きて5:30まで、朝日で真っ赤に染まった白馬三山を見る。山小屋からジャンプ台の下まで歩きながらビューポイントを探したが、結局駐車場の辺りが一番奇麗だった。

 7時から朝食をして、8:00白馬の大雪渓に出かける。猿倉のバス終点まで車で行き、8:40から歩き初めて雪渓を目指す。ゆるい登りの林道をゆっくり歩いて、高山植物を探しながら木橋の手前まで1時間程歩く。途中で白馬岳の山腹に見える白馬と呼ばれる馬の形をした岩壁がはっきり見えた。木橋の下を流れる沢は翡翠色をしており、手を入れると冷たい。この橋は壊れており、一本の木だけが残っていて、渡るのが怖い人もおり、ここで引き返す。

 10:25猿倉に到着し、ビール等水分を補給する。雪渓は見なかったが、山小屋の府川さんに教えてもらって、沢山の花々や高山植物を見ることが出来た。

 Tさん母娘が山小屋に靴の交換をしに行っている間、残りの5人は八方交差点の角にある足湯を楽しむ。お湯の温度が高く、長く足を浸けてはいられないが、名所らしく大勢の人達が家族ずれで、車で来ては足を浸けてゆく。

 今日の昼食は小川村の縄文お焼き。小川の庄、おやき村は日曜日とあって大変な混雑であったが、運良くいろり端の席が空いていたので、野沢菜とキノコのおやきを缶ビールで頂く(おやき村は福寿草・スノーシューの旅(2006.2.232.25)を参照)。

 Yさんは15:15 JR白馬駅前発の高速バスで長野を経由して帰られるので、白馬駅前でバスを待ってお見送りする。

 栂池の麓の山小屋に15:40着。休憩してゴンドラ乗り場の隣にある温泉、栂の湯で汗を流す。

 夕食は19時から22:15まで、オーナーが日本海で釣ってきた鯛のしゃぶしゃぶと鯛ご飯がメインで、ウドブキの葉とコゴミの天ぷら、ウドブキのおしたし、台湾製カラスミ、自家製の薫製(ベーコン、レバー)、ホアグラ。Yさんよりビールの差し入れもあり、長時間の夕食となった。

『ウトブキ』

他の植物に比べて非常に頼りない感じで生えているこの草も、 春の山菜を語る上では外す事が出来ません。

他の草より高く伸びているので、簡単に見つける事が出来ます。 茎は中空で、「食うとこあるのか?」と思うほどですが、 食べつけるとイラより美味しいのです。しかも、簡単に採れる? 茎を中ほどから折り取るのですが、手首をくるっと回すようにするとうまく折れます。

高級料亭などでしかお目にかかれない山菜ですが、北安曇郡小谷村の周辺では、 国道沿いの売店で売っている事があります。

 

 

626日(月)曇

 今日は朝から天気が悪い。山々も見えず。

 7時から食事をし、9:00 Tさん母娘は自分の車で帰る。Sさんご夫婦と私達はオーナーに送ってもらってJR白馬駅に向かい、9:15到着する。

 白馬駅発9:54松本行き電車の4人がけシートでおしゃべりをしているうちに11:40松本に到着する。天候が悪く安曇野からアルプスの山は見えない。松本駅で伊那市に行かれるSさんご夫婦と分かれ、駅ビルの3階にあるロッカーに荷物を預け、歩いて木曽屋に向かう。

 木曽屋は今回の旅の目的の一つでる。昔からやっている老舗で、とうふ田楽の店である。数十年前に訪れたことがあり、懐かしかった。

 12:10から13:40まで豆腐の田楽やワラビのおしたし、長芋、コゴミ、鶏肉の柳川風鍋を生ビールで頂く。田楽の味噌の味は格別で美味しかった。

 川沿いのなわて通りを歩いて、通りがかりの八百屋で根まがり筍やキノコ等を買い、中町通り(蔵の町)を歩いてJR松本駅に向かう。

 松本発14:50あずさ24号の車中では、天候のせいで窓外の景色が見えないので、良く眠った。立川到着は17:1117:14発の中央線快速電車を国分寺で下車し、17:40発の京王バスに乗り、18時帰宅する。


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